「そのうち起業家」「あれもこれもコレクター」が成功しない理由

起業

 サラリーマンたちが飲み屋で話す言葉に「オレもそのうち会社を辞めて起業したいなぁ!」というものがあります。しかし、彼らの殆どは起業することがありません。また、準備周到になるまで起業しないと考える人もいますが、彼らも成功することは殆どありません。なぜでしょうか?

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“そのうち起業家”に溢れるサラリーマン!?

  「おっ、久し振りだな!そのうちメシでも食いに行くか」

  「そうだな、そのうち行こう!」

 何年振りかで偶然出会った知合い同士の会話で、良く聞かれるものではないでしょうか?

 しかしながら、この2人が“メシを食いに行く”ことは殆どありません。

 “そのうち〇〇しよう!”をいうのは、ほぼ実行されない希望的観測を述べているに過ぎないのです。

 多くのサラリーマンは、現状の仕事に決して満足しているわけではありません。

 そんなサラリーマンたちが飲み屋で話す言葉に「オレもそのうち会社を辞めて起業したいなぁ!」というものがあります。

 でも、独立起業する人は殆どいません。私はこれを“そのうち起業家”と呼んでいます。

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100%の準備さえすれば起業して成功する!?

 何を隠そう私も以前は、“そのうち起業家”の一人でした。

 しかも、起業する自信も勇気もありませんでした。

 ところが、自分が所属していた会社が倒産したため、やむなく独立したという極めて主体性の乏しい起業だったのです。

 多分、会社が倒産していなければ、“そのうち起業家”のままだったと思います。

 でも、起業して本当に良かったと思っています。

 確かに、起業にはリスクが付き物です。

 起業して10年後まで生き残れるのはたったの4%、100人中4人という厳しさです。

 独立起業することを家族や知人に話すと「絶対にやめた方がいい」と反対されるケースが大半だと思います。

 このように、リスクが高く周囲の反対も多いので、失敗しないように万全の準備をする方も多くいらっしゃいます。

 しかし、起業の成功は万全の準備に比例するのでしょうか?

 実は、必ずしも、そうとは言えないのが現実です。なぜなら、準備周到な人ほど、行動力が弱いからです。

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“あれもこれも”コレクターはチャンスを逃す!

 準備周到にしたい人は“あれも必要、これも必要”というコレクターになりはじめます。

 起業にはリスクが付きものだから、こんな情報も、あんな情報もと沢山の本を読んで勉強します。

 ネットでも、様々な情報を手当たり次第に調べ、中には高額な情報教材を次々に買い求める人もいます。

 これらの行動が悪いというわけではありませんが、このように一生懸命勉強したり情報収集するのは、起業に伴う不安な心理の裏腹なのです。

 でも、不安な心理はいくら情報を集めても解消しませんし、これで良しというゴールがありません。

 従って、あれもこれもコレクターはなかなか行動に移ることが出来ません。

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ダン・ケネディが教える成功した起業家の秘密

 数多くの起業家を育てて来たダン・ケネディは、底辺から大富豪に上り詰めた起業家の秘密として、次のようなことを述べています。

  • ・行動すること自体が富とチャンスを引き寄せる磁石になる。
  • ・成功者は行動するという事実が重要。1つの成功が次の成功を呼び、全員が例外なく望んだ以上の富を享受している。
  • ・機を待たずして行動あるのみ。考えるよりも動いた者が勝ちだ!

 人は今までの生活を変えることに大きな抵抗があります。

 だから、なかなか決断ができないのです。しかし、どこかで決断しなければ、次の段階には進めません。

 ダン・ケネディの言葉は、行動を煽っているようにも聞こえますが、決断することの重要性を説いているのです。

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起業するなら4つの分野について60%の完成度まで準備出来れば起業したほうが良い

 決断だ、行動だといって闇雲に起業しても成功するのは難しいでしょう。

 やはり、これだけは準備しておかなければならないものがあります。

 それは次の4つです。

  • その1:あなたのビジネスは、誰を対象にしていますか?(ターゲット)
  • その2:あなたのビジネスは、どんな価値を提供していきますか?(提供価値)
  • その3:あなたのビジネスは、世の中から求められていますか?(市場性、独自性)
  • その4:あなたのビジネスを行っていくのに、必要なものは何ですか?(ノウハウ、経営資源)

 準備作業では、これらを明らかにしておきましょう。

 そして、その内容を計画書にまとめておきます。

 さらに、これを何人かの人たちに話して意見を聞きます。

 そうすると、やはりここが心配だと情報収集に走ってしまい勝ちですが、こうなると、また行動できないコレクターに戻ってしまいます。

 これで6割方はOKだろうと思ったら行動しましょう。行動しながら考えていく、これが重要です。

 行動すれば、次の現実が見えて来ます。

 実際にビジネスを始めると、うまく行くかどうかよりも、諦めずに続けることが重要になることが見えてくるはずです。

起業
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大場保男

大場 保男 (おおば やすお)
静岡県沼津市生まれ
早稲田大学第一文学部心理学科卒業

経済産業大臣登録中小企業診断士
東京都福祉サービス第三者評価者
SOURCE公認ベーシックトレーナー
関東学院大学経済学部非常勤講師

社会人としてのスタートは、二日酔いで遅刻

大学を卒業し、就職先の化粧品会社の入社式を翌日に控えた夜、
アパートの隣の部屋の友人から
「彼女に振られたからヤケ酒に付き合え」と言われて明け方近くまで痛飲。
案の定、入社式は遅刻、まだ身体に酒が残っており、
人事担当者に一発で二日酔いであることがバレて大目玉。

これに懲りることなく、酒杯を重ねて幾年月、
最近めっきり酒量は減ったけれども、
酒を通して様々な分野の人たちとの付き合いを楽しんでいる。

上司の独立に伴って転職したが、その会社はあえなく倒産

化粧品会社からマーケティング企画会社へ移って10年近く経った頃、
上司が「独立するので自分の会社に来ないか?」を誘われて転職。
社員4人の小世帯ながら、
東銀座の歌舞伎座近くの立派なビルの
ワンフロアを事務所に会社が立ち上がった。

オープンの祝賀パーティも盛大に行われた。
しかし、その会社は1年も経たずしてあえなく倒産…。
その時は、すでに中小企業診断士の資格をとっていたので、
資格があればなんとかなるのでは…と甘い考え。

46歳、何の見通しも計画もないままに独立起業

自分の意思ではなく、やむなく独立せざるを得ない状況での起業。
平成5年、46歳だった。独立起業に対する見通しも計画も何もなかった。

中小企業診断士の資格を活かそうと、知人から紹介されて行政の人に会ったとき、
「専門分野は何ですか?」と問われてハタと返答に窮した。
そこで、化粧品会社に勤務していた頃、
一番長く携わっていた「イベント企画」を自分の専門として打ち出すことにした。

以来、「商店街のイベント屋」として神奈川県を中心に、
イベントによって商店街の活気を取り戻そうという活動に取り組んできた。
かかわった商店街は、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、座間市、
大和市、厚木市など50ヶ所以上に及んだ。

お店の販売促進、中心市街地活性化、農業診断などに取り組む

「商店街のイベント屋」として活動しているうちに、
県庁や市役所などの行政、商工会・商工会議所などの
商業振興や地域活性化を担う部署の人たちとの人脈ができてきた。
そこから、商店街のイベント以外の仕事も依頼されるようになった。

商店街のコンセプトづくり、特産品の開発、中心市街地活性化、
物販店や飲食店などの店舗診断と販売促進、
チラシやニュースレターの作成などを行ってきた。
店舗診断の業種は多岐に渡り、約300店の店舗診断を行った。
また、農家の経営診断や野菜の直売所の販売促進にも取り組んだ。

「かながわ朝市ネットワーク」の立ち上げ

神奈川県西部の人通りがほとんどない商店街、何とか活気を取り戻そうと、
朝市の立ち上げを手伝った。
当日、果たしてお客様は来ているだろうかと不安な気持ちで会場に着くと、
「この街にもこんなに人がいたのか」
というほどの賑わい。

以来、朝市の魅力に惹かれ、あちこちの朝市の立ち上げの支援を行ってきた。
神奈川県内各地の朝市の連携を図ることを目的に
平成21年「かながわ朝市ネットワーク」を立ち上げた。

活動の一環として、毎年1回、県内の朝市が一堂に
会するイベント「かながわ朝市サミット」を行ってきた。
今まで、横浜、平塚、小田原、相模原、座間、茅ヶ崎で実施してきており、
毎回、約100店が出店し、2万~3万人の来場者で賑わった。

平成26年、神奈川県内の約40ヶ所の朝市を紹介した「かながわ朝市ガイドブック」、
朝市を実施するための「朝市実践マニュアル」を発行。
今後も朝市を通して地域活性化に取り組んでいく。

商工会議所で延400人前後の創業相談を実施

平成19年より神奈川県の県西地区の商工会議所で、
創業相談を担当することになった。
現在までに延400人前後の起業の相談を行ってきた。
業種はマチマチだが、ほとんどの人がそれまで自分が従事していた業種と同じ業種で起業。
それしか起業の選択肢がないと思っている…。
その人のやりたいことは、本当にそれなのだろうか?

そんな折、アメリカのマイク・マクマナスの開発した
SOURCEという手法に出会い、トレーナーの資格を取得。
自分の本当に好きなこと、ワクワクすることを見極め、
本来の自分を発見し、それに基づいた
仕事にしていくことが充実した人生につながるという考え方に出会う。

「ライフワーク起業」の支援を自分のライフワークに

起業しても、3年後まで生き残れるのは約3割、
オリンピック選手のコーチングで有名な
あるコーチによると
目標設定の95%が実現しない。
立てた目標が本当にやりたいことでないからだという。

「ライフワーク起業」とは、自分の本当に好きなこと、
ワクワクすることを見極め、本来の自分を最大限に活かして
経済的にも豊かに生きるための起業、
これを支援していくことを私のライフワークにすることにした。

家族は妻とイヌとネコ、落語をきくのが好き

家族は妻とイヌとネコ。
イヌはヨークシャーテリアと
マルチーズのミックス。
朝、目が覚めると私の横に寝ていることが多い。
ネコは野良ネコ出身、寝る前に晩酌していると私の膝に乗ってくる。

化粧品会社に勤務していたころ、会社をサボって、
よく浅草演芸ホールに落語をききに行った。

趣味はと聞かれて
これはというものはないが
強いて言えば落語かなという程度
こだわりの落語論を持っているわけではない。

ハッツァン、クマサン、ご隠居さんの世界が好きなのだ。

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節約社長