「LINE TAXI」が登場 米Uberと日本勢の仁義無き戦い始まる

時事

 LINE株式会社は、1月6日(火)に東京限定でタクシー配車サービス「LINE TAXI」を開始した。タクシー大手の日本交通と業務提携し、まずは東京で運営されている。今後、全国で同サービスが提供される予定だ。LINE社は既に5,400万のユーザーを有しており、競合であり海外から鳴り物入りでやってきたハイヤー配車サービス「UBER」がどう対抗に出るかにも注目だ。

スポンサーリンク

LINE社がついにタクシー配車ビジネス参入

 スマートフォンアプリケーション「LINE」を運営するLINE株式会社(以下、LINE社)は6日(火)に、1月6日に東京限定でタクシー配車サービス「LINE TAXI」を開始した。※1
 
 タクシー大手である日本交通との業務提携により、同社の保有する車両3,340台(都内タクシー台数:50,494台※2)を東京版(23区内、三鷹市、武蔵野市)の対象としてサービス開始されている。
 
 今後、全国への展開が予定されており、日本交通が提携するタクシー事業者129グループの保有する2万3,000台(国内タクシー台数:24万3,247台※2)もサービス対象となる予定だ。
 
 乗車料金のほかに、通常通り各タクシー会社の定める配車料金が徴収される。
 
 利用者にとっては、タクシー乗り場に並ばず、自分の好きなタイミングでTAXIを利用できるメリットがある。
 
 TAXI業者にとっては、LINE利用者5,400万人(アクティブユーザー3,000万人)から、潜在的見込み客を効率的に発掘することが可能なため、大きな収益拡大チャンスとなる。

スポンサーリンク

都内では既に利便性が抜群 全国展開もすぐ

 「LINE TAXI」を利用するためには、LINE Payでクレジットカード情報を登録する必要があるものの、LINE内で登録作業を全て終わらせることが可能である。
 
 配車場所は、アプリ内のGPS情報か手入力にて、位置を指定することが可能である。
 
 節約社長
 「LINE TAXI」アプリ起動時の画面
 
 筆者が本日の18時頃に、東京都中央区の日本橋で同アプリを起動したところ、既に5台ほどのTAXIを候補として推薦してくれる状態のため、実用性は高そうだ。
 
 配車までの待ち時間(筆者の場合は5分)も表示されるため、待ち時間のストレスもさほど感じない。
 
 今後他のTAXI業者が同サービスに参画すれば、LINE社がTAXI業界に与える影響は大きなものとなるだろう。「運賃のLINE割」や「LINE TAXI利用者限定サービス」などの展開すら考えられる。

スポンサーリンク

UBERはどう出る 国境超えた戦い始まる

 今回のLINE社によるTAXI配車サービス産業への参入によって、ピンチを迎えるかもしれない競合他社は、名指しをすると「UBER」※3である。
 
 UBERは、昨年の8月にハイヤー配車から、タクシー配車へもサービスの領域を広げたばかりであった。
 
 この時泡を食ったのが、今回LINE社と業務提携を結んだ日本交通社である。
 
 日本交通社は、既に100万ダウンロード達成のタクシー配車アプリ「全国タクシー配車」を有していたことから、UBERのタクシー配車への参入はシェアを脅かされる動きだった。※4
 
 それに対して、LINE TAXIは圧倒的数を誇る既存ユーザーから潜在的需要を掘り起こしてくれるため、自社の従来アプリとの共存やシナジー効果も大きく、日本交通にとって業務提携は、渡りに船だったろう。
 
 今回のLINE社と日本交通社の業務提携は外国からやって来た巨大な黒船と称されるUBERに対して、ドメスティック企業が力を合わせて宣戦布告した形にも見える。
 
 果たして今後UBERがどう出るかに注目が集まる。
  
※1 LINE株式会社 ニュース
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2014/901

※2 国土交通省 平成25年3月末のタクシー事業者数・車両台数全国データ
http://www.taxi-japan.or.jp/pdf/toukei_chousa/25y3m31dsyaryousuujigyousyasuu.pdf

※3 UBER
https://support.uber.com/hc/ja

※4 日本交通「全国タクシー配車」
http://www.japantaxi.jp/

時事
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
編集部

起業、経営を応援するWEBマガジン編集部です。

編集部をフォローする
節約社長