食事がチームの結束に与える好影響と悪影響を経営者は見極めよ

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 ハーバード・ビジネス・レビューの最新号では、「チーム力と食事の関連性」をテーマにした論文を発表している。記事が伝えるところによると、アメリカの幾つかの消防署をターゲット調査した場合、チームで食事を取ることにより結束力が保たれることが証明されたという。ただし物事には陰陽の関係があり、チームでの食事が常態化すると閉鎖性やヒエラルキーが生まれやすいため、目的やメンバーを周知する努力も必要となる。

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社員同士の食事は会社組織の結束力強める武器

 ハーバード・ビジネス・レビュー2016年2月号では、「チーム力と食事の関連性」をテーマにした論文が掲載されていた。

 経営者である以上、社員が社内でどのような休憩時間を過ごしているか?どんなメンバーで集まり食事会を行っているか?その頻度は?という部分は気にされている方も多いかと思う。

 食事会が工夫一つで、チームに大きなパフォーマンスを生む要素となるからだ。

 記事が伝えるところでも、アメリカの幾つかの消防署をターゲットにした調査を行った結果、チームで食事をとる事によって結束力が保たれる事が証明されたという。

 「チーム力と食事の関連性」は、世界中の一流企業が、社食や社員同士のコミュニケーションを作るのに投資をしている事から、効果は自明のものだ。

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食事がチームに与える3つのデメリットとは?

 ただし、報告によるとチームでの食事には、メリット以外にもマイナス面がある事が報告されている。

島国根性

 仲間内でしか付き合わないチームには、他のメンバーや外界から切り離されてしまう危険性があるという。チームのイデオロギーが絶対の正義となれば思考は硬直し、変化を恐れてしまう可能性は確かに否めない。

順応への過度なプレッシャー

 新しいメンバーが順応へのプレッシャーを感じてしまうという。転校生が冬場になって出来上がったクラスに転向し、すぐに順応するのは至難の業であるのと同じかもしれない。

ローパフォーマーの排泄

 パフォーマンスの低い社員がチームから阻害されてしまうとも、同論文は主張する。チーム内のヒエラルキーは、一つの切り口を元に作られるものであり、他の切り口において優れたパフォーマンスを提供できるチャンスをチームは失ってしまう。

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適切なタイミングと場面で食事会を開催しよう

 読者の皆さんもイソップ童話の「北風と太陽」という話をご存知のことと思う。

 誰もが知るストーリーの内容は、北風が寒い風で吹き飛ばせなかった旅人の服を、太陽は温かい陽の光で脱がしたというものだ。

 転じて組織行動学的な観点でこの童話は、冷たく厳しい訓練で人を動かすより、暖かく優しい言葉や行事が人の行動パフォーマンスを上げてくれるという説明で使われる。

 しかしこの童話には別のあらすじがある。

 最初の勝負は旅人の「帽子」を脱がせるものであり、北風は旅人の帽子を一瞬で吹き飛ばせたが、太陽が光を降り注がせたところ、旅人はかえって帽子を深く被ってしまったという。

 時と場合によって、社員との適切なコミュニケーションは変化することを覚えておきたい。飲みニケーション(食事会)が全てを解決するわけではないのだ。

 これを踏まえて、上記論文が記す食事会のデメリットを最小限とする為に、気をつけたいポイントは以下の通りだ。

  • ・会食やコミュニケーションの最終目的を参加者に伝える
  • ・頻度は社員の量で調整する
  • ・社長/マネージャーが隅々まで目を配るファシリテーターとなるべき

 何事も目的や目標が明確であり、参加者と適正な範囲でコミュニケーションできる場として、食事会が開催される必要がある。

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節税 研究所

中小企業のおっさん社長です。

人生の緩やかな下り坂を、あくまでも安穏たる状態で下りんとするも、空気の読めない当サイト編集部に無理やり誘われ、不本意ながら参加と相成りました。

納税という義務を果たしつつ、持続のための資金を確保したい。

実証確認中の節税ハックや、気になったマーケティング戦略について、徒然なるままに言の葉で連ねていきます。

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