レシートで経費は落ちないって本当?ズバリお答えしましょう。

節税

多くの経営者が悩む問題、それは経費の証拠書類として「レシートはダメなのか」というものです。

答えを先にお伝えすると、レシートは経費の証拠書類になります。しかも領収書よりも証拠能力が高いのです。

レシートを経費の証拠書類として提出する際の注意点、なぜ領収書がレシートよりも経費の証拠書類として提出を進められるのか?など経費と証拠書類にまつわる素朴な疑問にお答えします。

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レシートが領収書代わりにならないって本当?

税理士の乗り換え案件にあたり、経営者の方へ高確率でアドバイスすることがあります。

経費の証拠書類として「レシートはダメなのか」という問題です。

確定申告にあたり、経費の計算をされている方も悩んでいらっしゃる場合が多いようなので、本日はこのタイムリーな話題に切り込みたいと思います。

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法律にはレシートがダメなんて一切書いてない

結論から申し上げますと、レシートであっても証拠書類として利用できます。

ただし、記載事項には注意が必要です。

感覚でお伝えしているのではなく、キチンと法律に記載があります。参考までに以下掲載しておきます。

※興味がある方だけみてください。

所得税法施行規則第63条第3項(帳簿書類の整理保存)※一部抜粋

取引に関して相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し

法人税法施行規則第59条第3項(帳簿書類の整理保存)※一部抜粋

取引に関して相手方から受け取つた注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類及び自己の作成したこれらの書類でその写しのあるものはその写し

消費税法第30条第9項(仕入れに係る消費税額の控除)※一部抜粋

イ書類の作成者の氏名又は名称
ロ課税資産の譲渡等を行つた年月日(課税期間の範囲内で一定の期間内に行つた課税資産の譲渡等につきまとめて当該書類を作成する場合には、当該一定の期間)
ハ課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容
ニ課税資産の譲渡等の対価の額(当該課税資産の譲渡等に係る消費税額及び地方消費税額に相当する額がある場合には、当該相当する額を含む。)
ホ書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称

消費税法だけ少し細かいですね。

以上の法律が述べていることをザクっと要約すると、

  • イ:誰から買ったのか(店舗等の名称)
  • ロ:いつ買ったのか
  • ハ:何を買ったのか
  • ニ:いくらで買ったのか
  • ホ:誰が買ったのか(上様領収書はダメ)

経費の証拠書類に、これらが書いてある必要があるということです。

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領収書よりレシートのほうが証拠能力は高い

ここまで法律を元に、経費の証拠書類として認められるための要件を見てきましたが、皆さんお気づきになったことはありませんか?

領収書の但し書きは、「お品代として」「お食事代として」「事務用品代として」のような記載となっており、何を買ったのか分からないものが大半です。

一方で、レシートには品目が細かく記載されているので、内容が一目瞭然なのです。

そう考えてみると、一般的な常識である「レシートより領収書のほうが経費の証拠能力が高い」というのは、間違えと言えます。

では、何故税理士は領収書を貰うように指導するのかというと、「内訳をうやむやにするため」です。

品目を隠して、本来経費とならないものまで経費に入れてしまおうという、ブラックな指導ということが分かりますね。

領収書を発行してもらうのは意外と面倒なものです。

お金の扱いについて清廉であることを証明するなら、今後はレシートのみにしてみてはいかがでしょうか。

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領収書が貰えなかった場合でも経費とできる!

最後にもう一つオトクな豆知識をお伝えします。

うっかりレシートをもらい忘れる場合がありますよね。

自動販売機でドリンクを購入した、急いでたら領収書をもらい忘れた等々、証拠書類をもらってないものであっても経費とすることが可能です。

出金伝票等に、

  • ①日付
  • ②内容
  • ③購入先
  • ④金額

を記載して保管してください。

忘れないうちに作成することをお勧めします。

ただし、自己で作成するので証拠能力としては低いですし、金額が大きい場合には必ず疑われます。

出来る限り相手先が発行した書類をもらうようにしましょう。

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カナリ総合会計事務所

カナリ総合会計事務所
代表税理士 金成 茂樹(かなり しげき)

「経営者が本業に100%専念できる環境づくり」が経営理念。
理念実現のために、近年はクラウド会計の普及による「会計の自動化」に尽力している。

毎月面談を強要する旧来型の税理士の在り方に疑問を感じており、これを廃止。
ITを駆使することにより「必要時に必要なアドバイス」を提供。経営の合理化に努めている。

2005年 大原簿記学校 入社 消費税法講師担当
2008年 KPMG税理士法人 入社
2010年 荒井税理士事務所 入所
2013年 税理士登録(登録番号:124636)
2014年 カナリ総合会計事務所 開業

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