スーパードクターに教わる一歩踏み込むインフルエンザ対策5選

健康

 今年も早いもので3分の2が過ぎました。夏は終わり、秋もいよいよ本番を迎え、冬はすぐそこに近づいています。仕事の効率を下げないためにも、冬に大流行するインフルエンザから身体を守ることはとても肝要なことです。ワクチンを受ける、マスクを付ける、など様々な予防策を私達は知っていますが、世界のスーパードクターが各予防策について更に一歩踏み込んだアドバイスをしてくれます。

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秋深し インフルエンザの季節が間近に迫る

 今年も早いもので3分の2が過ぎました。夏は終わり、秋もいよいよ本番を迎え、冬はすぐそこに近づいています。

 秋のうちに備えておきたい、健康上の注意事項があります。それは冬に大流行するインフルエンザから身体を守ることです。

 インフルエンザは例年、11月の後半から流行の兆しを見せ、年明けに向けて大流行する傾向があります。

 かかれば一週間は静養しなければならないインフルエンザは健康だけでなく、仕事の大敵でもあります。

 インフルエンザになればご自身が苦しい、というだけでなくご家族や会社の方々にも迷惑が及びます。

 大事な仕事の効率が落ちてしまったり、楽しい行事がふいになったり、他の方々にインフルエンザを移してしまう等の二次被害は深刻なものです。

 しかしインフルエンザは工夫すればかなりの予防ができます。一緒に一歩踏み込んだインフルエンザ対策について考えて行きましょう。

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秋から備える冬のインフルエンザ対策・5選

1)予防接種:二回受ければ90%防げる

 いわゆるワクチンですね。毎年インフルエンザウィルスは形を変えるため、ワクチンもそれに対応したものを造る必要があります。

 そのため予防接種は毎年11-12月ごろに受けることになります。

 まずワクチンは体調が悪いとき、風邪ぎみのときなどには受けられません。本物のインフルエンザのようになりかねないからです。日ごろから体調を整えておきましょう。

 ワクチンを受けたらもう安心!と言いたいのですが、実際の予防効果は6割ほどなのです。じゃ意味がないのかと言えばそうではありません。

 命にかかわるような重症インフルエンザは1回のワクチンで9割以上が防げるのです。これは大きいですね。

 ただ軽くてもインフルエンザになって診断が下りてしまうと会社へは1週間前後は行けなくなります。

 この冬は絶対に休めないという事情がおありの方や、糖尿病、心臓病、呼吸器疾患、ご高齢、がんなどの病気をお持ちの方などは主治医と相談し、2回ワクチンを受けるというのも一法です。

 2回ワクチンを受けると、インフルエンザにかかるのを9割は防ぐことが可能となります。

2)石鹸で手をキチンと洗う:理想の時間は3分

 ワクチンだけでなく平素の心がけがインフルエンザ予防に役立ちます。

 まず帰宅したらすぐに手を洗う。石鹸で時間をかけて洗います。理想は3分ですが、少なくとも石鹸で数十秒洗えば効果があります。

 とくに電車やバス、エスカレーターなどに乗り、つり革や手すりを持つ場合、手洗いの効果は大きいです。

3)マスクとうがい:マスクはガーゼがおすすめ

 咳をしている人に近づかない、これも有効です。インフルエンザは空気感染で、咳で空中に散布される小さい水滴はインフルエンザウィルス満載ですから。

 流行時には特売場や映画館・コンサートその他人混みをできるだけ避けるのが賢明です。

 しかしそうは言っても会議や忘年会その他、人混みに行かねばならないことは多々あります。だからこそワクチンは有用ですし、まだできることが他にもあります。

 それはマスクとうがいの励行です。

 普通のマスクはインフルエンザウィルスをブロックできません。しかし喉や気管支や肺を湿らせる効果はあります。

 インフルエンザのウィルスは湿度に弱いため、マスクで体の内側の湿度を上げるのは意義があります。

 その目的で私はガーゼマスクを勧めています。そして帰宅すればしっかりとうがいをする、これでさらに感染しにくくなります。

4)家の加湿を忘れずに:出来ない時は二重マスクもあり

 家の中では大昔はいろりや火鉢の上に鉄瓶などを乗せて湯気を出しました。

 その後石油ストーブやガスストーブなどでも、やかんを上に乗せたりガスそのものが燃焼時に水を出すため、湿度は結構高めに保たれました。

 現代はエアコンが主流のため油断するとかなり湿度が下がります。加湿器できれば、空気清浄機能付きの加湿器で、湿度50%以上には上げると有効です。

 インフルエンザまで行かずとも、風邪気味のとき、喉が痛いなどの場合にはこれらは役立ちます。

 出張などでホテルの空気が乾燥しているとき、翌朝起きたら喉が痛くなり風邪をひいた、などの経験をお持ちの方も多いと思います。

 こういうときのために平素からマスク、とくにガーゼマスクを持っておくと便利です。

 たまたま持ち合わせないというときには、シーツを顔に軽くかけるだけでも口や鼻の中の湿度はかなり上がります。

 窒息しないように、軽く顔にかけるようにして下さい。

 飛行機、とくに長旅になる国際線では、極度の乾燥状態が長時間続くため、喉がやられやすいです。

 ここでシーツをかぶるわけには行きませんので、ガーゼマスクが役に立ちます。

 二重にかければ威力は倍増です。

5)持病のコントロール:基礎体力作りにスポーツも

 前述の糖尿病や心臓病、腎臓病、たばこ肺など慢性の肺疾患、がんその他持病は必ず定期検診を受け、きちんとコントロールしておきましょう。

 そして何よりも体調管理、特に十分な睡眠やストレスのコントロールを大事にしましょう。

 これは言うは易し、行うは難しかもしれません。できるだけ良い状態を造るべく努力してください。

 基本的な体力がまずまず維持できれば、インフルエンザにはそれだけかかりにくくなります。平素からゴルフ、テニス、水泳、ウォーキングなどをやっておくのは有効です。

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それでもインフルエンザになってしまったら

 いろいろと努力工夫してもなる時にはなる、それがインフルエンザです。

 しかしまだできることはあります。

 まず喉の痛みや発熱、咳や痰などの風邪症状がでたら早めにかかりつけ医に相談します。

 とくに身の置き所がない、全身の関節が痛むような頼りないような違和感、ぞくぞくするなどの症状がでればインフルエンザの可能性があります。

 こうした場合は必ず速やかにかかりつけ医に相談です。

 その場でインフルエンザの検査を受け、陽性であればイナビルやタミフルなどの抗ウィルス薬を使用すればかなり軽症化することができます。

 風邪やインフルエンザになってしまったら、まず上記の加湿などの一般ケアと、十分な飲水が役立ちます(心臓病や高血圧の方は塩分を減らしての飲水を。主治医とご相談下さい)。

 理想を言えばステーキやすき焼きでも食べられれば良いのですが、しばしば胃腸の調子も乱れますので、無理をしないようにしてください。

 十分な水分、これは効きます。熱いお茶が良いのですが、ある程度はスポーツドリンクも良いでしょう。吸収が抜群に良いからです。

 ただしこれには塩と砂糖が入っていますので、あまり飲み過ぎないようにして下さい(とくに糖尿病や高血圧などをお持ちの方)。

 基本は水分、ついで消化の良いものをよく噛んで確実に吸収消化、ということになります。

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最後にまとめ

 いかがだったでしょうか?

 ワクチン接種を受ける、マスクを付ける、といった誰もが知っているインフルエンザ予防策も、一歩踏み込んで行えば更に効果テキメンです。

 一歩踏み込んだ予防を行えば、たとえインフルエンザにかかってしまっても軽症化できます。

 是非インフルエンザ無しの冬をお楽しみ下さい。

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米田正始

元大学教授の心臓外科医です。より多くの心臓病、血管病の患者さんをお助けできるよう、日々努力しています。心臓弁膜症(僧帽弁、大動脈弁など)に対する弁形成手術、狭心症や心筋梗塞に対する冠動脈バイパス手術、心筋症(拡張型心筋症DCMや肥大型閉塞性心筋症HOCM)や心不全に対する左室形成術や異常心筋切除術、胸部や腹部の大動脈瘤に対する人工血管置換術、大動脈基部再建術、不整脈に対するメイズ手術、先天性心疾患(ASD、VSD、右室二腔症、バルサルバ洞瘤、左室緻密化障害、冠動脈ろう、修正大血管転位、等)、心臓腫瘍、収縮性心膜炎などに対する修復術などを多数てがけて参りました。なかでも小さい傷跡で骨も切らないMICS手術による上記の手術を得意としています。心臓や血管の病気は何といっても予防が一番、しかし運悪く病気になっても早期診断・早期治療がいのちを救いますし元気な生活に戻りやすくなります。必要性が明らかになれば適切なタイミングで、かつ熟練チームの手術を受けるのがもっとも安全です。こうした心臓病による不幸をなくすための治療や啓蒙活動を行っています。併せて病気予防と健康増進のための科学的ダイエット(糖質制限食の適正な方法)も指導しています。

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