イエスマン組織で見られる4つの光景に対する原因と対策

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 厳しい環境下で長年に渡り企業としての実績を重ねると、経営者の持つ権限は一層強くなり、一言が持つ重みも増していく。しかしいつでも「すんなりと自分の意見が通る」状態にある経営者は注意しなければならない。経営者の意見に見た目だけ服従する、通称“イエスマン”が発生している可能性があるからだ。原因と対策を探っていこう。

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表と裏の意見が違うイエスマンだらけの組織

 厳しい環境下で長年に渡り企業としての実績を重ねると、経営者の持つ権限は一層強くなり、一言が持つ重みも増していく。

 そのため社内では自分の意見がすんなりと通りやすかったり、反論する人がいない状況が生じやすいだろう。

 おまけに内外から賞賛されれば気分は実に清々しく、「これで良い」とつい考えてしまいがちだ。

 しかしここで「すんなりと自分の意見が通る」賢明な経営者は注意しなければならない。

 経営者の意見に見た目だけ服従する、通称“イエスマン”が社内に発生している可能性が大いにあるからだ。

 イエスマンは経営者の前でこそ首を縦に振り、異論も言わないが、企業の未来に大きな希望を抱いておらず、経営者のことも本当には尊敬していない。

 表ではおべっかを使い、経営者の言うことに「はい」「わかりました」と言いながら愛想笑いするが、裏では全く別の意思を持ち固定メンバー間でグチを言い散らす。

 事業が回っている間はそれでも良いかもしれないが、企業にとって大きなピンチが生じれば、彼らは会社を簡単に見捨てるだろう。

 なぜならイエスマンにとって勤め先は「お金を得る手段」でしかないからだ。

 また彼らは仕事において、自らの創造性を投下することをできるだけ避ける。

 従っていくらビジネスの仕組みが優れていても、イエスマンが多く存在する企業は今以上の活性化が難しく、最悪の場合はちょっとした原因で組織が凋落してしまう。

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イエスマン組織によく見られる特徴と原因

 イエスマンが多く存在する組織でよく見られる4つの特徴を以下提示する。

  • 1)会議で発言するのがいつも同じメンバーで固定された状態で発言しないメンバーがいる。
  • 2)目上の人間に対してオブラートで無難な言葉しか伝えない社員が存在する。
  • 3)飲み会などオフの時間に集まるメンバーが仲良しに固定され、それ以外のメンバーで集まるのを嫌う社員が存在する。
  • 4)緊急事態が発生した時ほど自分の役割に固執し、困った人間(部署)を見ても役割を超えた行動を取らないのが当たり前の状況となっている。

 このような状態となっている時、関わるメンバーはイエスマンとなっている可能性が高い。

 彼らは自分が主体的に考え行動しなくとも組織が成り立ち、楽な方向に流れていけば良いと考えているのだ。

 ではイエスマンが多く存在する組織が出来上がる原因はどこにあるのだろうか?

 残念ながらイエスマンを育て上げる組織が出来上がる原因はイエスマンではなく、経営者にある。

 多くの場合、イエスマンは会社の理念やビジョンを十分に経営者と共有した機会がないため、自らの仕事をお金をもらうための「作業」としか捉えていない。

 はたまた彼らは企業が掲げる理念やビジョンと、経営者自身の行動が必ずしも一致していないことを見て、冷静に一歩引いた状況となっているのだ。

 経営者は自分の掲げる理念とビジョンを常に社員へ伝え続け、その体現者となるべく行動する必要がある。

 理念とは会社の存在意義であり、ビジョンとは存在意義を通じて何を成し遂げるのか将来像を示した概念である。

 企業内で理念とビジョンが共有できてない状態は、大量の木が山に生えていても根が山の地面に張っていないようなもので、嵐が訪れれば根を張らない木は山から流され、木がなくなったハゲ山は崩落せざるを得なくなる。

 逆にしっかりと根が張った木の生えた山は、嵐が訪れても多少の損害こそあれ、そこから再生するのが早い。

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イエスマンに存在意義と将来像を共有しよう

 多くの中小企業では、経営者自らがトッププレイヤーとして営業や技術革新面の最前線で働いた結果として、今の会社が繁栄に至っているケースが殆どである。

 自らがプレイヤーの苦労を知り、事件が現場で起きていることを理解できるのは中小企業経営者の強みでもある。

 しかし自分自身に能力があるからこそ乗り越えられたことも、他者にとっては出来ないことの方が圧倒的に多い。

 企業となった以上は経営者個人の力に限界があることを悟り、チーム全体で100%を超えるパフォーマンスを発揮する必要がある。

 また経営者自身も生身の人間であり全ての判断において、正しい結論を見出すことができるわけではない。

 規模が大きくなればなるほど、自分とは異質の人間が「NO」を自分に突きつけられる状態を作らなければ、更なる組織の継続と繁栄は起こらない。

 理念とビジョンが先にあって起業した場合でも、理念とビジョンが行動によって後天的に築き上げられたものであっても、存在意義と将来像を経営者と社員が共有することの重要性に変わりはない。

 存在意義と将来像が自らの未来にリンクすることでしか、山に木(社員)が根を張るように、社員が主体的に考えて意見を述べ、異論を発言し、創造性豊かに行動を起こすようにはならないからだ。

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