あの有名経営者達の名前は全て1つの書物に由来している

経営

 スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグの名前は、全て1つの本に登場する人物名に由来している。その本とはキリスト教・ユダヤ教・イスラム教の経典「聖書」である。日本人にとって馴染みのない聖書は欧米諸国の精神的支柱であり、深く生活に浸透している。聖書を知ることは、欧米人の思考回路を理解する効率的な1つの手段と言えよう。

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聖書は海外の人にとって精神的支柱となる本

 読者の皆様は世界で一番読まれている大ベストセラーの名前をご存知だろうか?

 それは「聖書(英名:the (Holy) Bible)」である。

 聖書(せいしょ)とは、キリスト教、ユダヤ教の教典およびイスラム教の教典でもあり、時代ごとに旧約・新約と大きく二部で構成される物語(史実含め)・詩・予言の書を集約した書物であり、一説では発行部数が4,000億冊にも及ぶと言われている。

 旧約聖書は古代ユダヤ人の勃興と没落を描き、新約聖書ではキリスト教の救世主イエス・キリストの生涯と弟子たちの福音活動が主に描かれている。

 聖書は我々日本人にとって聖書はあまり馴染みのない書物であり、生活に影響をあたえる場面も非常に少ない。

 しかし一歩日本を出て海外(特に欧米諸国)の人々と接するとき、聖書ほど精神的な支柱として、国家や人々の生活指針に影響を与えている書物はない。

 例えば海外の国歌に出てくる「GOD(神)」とは大概にして聖書の神(ヤハウェ)を指す。

 戦争は聖書の解釈を巡って古代から延々と継続しており、直近ではイスラム過激派と欧米諸国の戦いがそれにあたる。

 プライベートでも神に祈る人は多い。

 欧州サッカーの選手たちがゴールを決めた瞬間に十字架を切ったり、胸の十字架ネックレスにキスをする場面を多く見るが、これも聖書が如何に欧米社会の精神的な支柱となっているかを示している。

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聖書に由来するあの有名人経営者たちの名前

 海外で聖書の影響が一番及んでいるものがある。それは人々の名前(ファーストネーム)だ。

 誰もが知るあの経営者達の名前は、全て聖書の人物に由来している。有名人の例をとって、名前と聖書の繋がりを見てみよう。

1)スティーブ・ジョブズ(アップル創業者)

 アップルの創業者であり、伝説の経営者スティーブ・ジョブズ(英:Steven Paul “Steve” Jobs)の名前を知らない人はいないだろう。彼のファーストネーム「Steve」は、新約聖書に登場するユダヤ人キリスト教徒「ステファノ(英: Stefano)」に由来している。ステファノはキリスト教で信仰を貫くため、最初に殉職した聖人として崇められている人物だ。新しい概念を世の中へ浸透させるために、他との摩擦を恐れず先駆者となる姿勢は、スティーブ・ジョブズと重なる。

2)マーク・ザッカーバーグ(フェイスブック創業者)

 今や世界で13億人以上が利用するフェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグク(英:Mark Elliot Zuckerberg)のファーストネームは、新約聖書に登場する若き福音者であり、聖人として崇められる「マルコ(英:Mark) 」に由来している。マルコは裕福な家に生まれながら、当時異端視されていたキリストの弟子となり、後に使徒としてキリスト教を各地へ広めた。若き日にハーバード大でエリートとなる道を確約されながら、インターネットを福音(広める人)する道を選んだマーク・ザッカーバーグは名前の由来通り、福音者として生きている。

3)デイビッド・トムソン(トムソン・ロイター会長)

 デイビッド・トムソン男爵(英:David Thomson, 3rd Baron Thomson of Fleet)のファーストネーム「デイビッド」は旧約聖書のヒーローであるダビデ王(英:David )を由来とする名前だ。世界屈指の情報通信社であるトムソンの傘下にロイターを加えたのは、同社二代目経営者であるデイビッド男爵である。トムソン・ロイターの情報通信社としてのオーソリティー(権威)は今や確固たるものとなり、世界各地の金融機関がトムソン・ロイターの報道を元に自身の投資判断を決定する。ダビデ王は旧約聖書に登場するユダヤ王国・二代目の国王であり、ダビデの時代にユダヤ王国は隆盛を極める。

4)マリッサ・メイヤー(ヤフーCEO)

 マリッサ・メイヤー(英:Marissa Ann Mayer)は創業時のグーグルに入社し、Gメール、グーグル・アース、グーグル・マップなど数々のプロジェクトに関わった才色兼備のビジネスウーマンである。マリッサのファーストネームは、ラテン語で「海の」を意味する「マリス(ラテン語:maris)」に由来する。更にmarisは、聖母マリアの称号「ステラ・マリス(ラテン語: stella maris)」の略である。聖母マリアは救世主イエス・キリストの生みの母であり、キリスト教で神格化された最重要人物の1人である。マリッサ・メイヤーはグーグル退社後、2012年から米ヤフーのCEOに就任した。2015年1-3月期の売上高が前年同期比4.0%減と振るわず、ヤフー・ジャパン株の売却も検討するなど、米ヤフーは今分岐点を迎えてる。果たしてマリッサ・メイヤーは、米ヤフーにとってのマリアとなるか注目が集まる。

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郷に入りては郷に従え 聖書と欧米の繋がり

 最近では欧米でも聖書の内容を知らずに、大好きな有名人と同じ名前を子供につけると、偶然聖書の登場人物だったということも多いようだ。

 日本でも響きの良い文字に漢字を充てて「来夢(果物のライム由来)」や「蹴人(サッカーのシュート由来)」という名前が増えているように、欧米でも「Saki(日本語の酒から派生)」、「Tsunami(日本語の津波から派生)」という名前を子供につけるケースが生まれている。

 しかし上記で説明したように欧米では生活の根幹に聖書の教えがあるため、多くの人に聖書中の人物から名前を取る習慣が残っている。

 海外でビジネスをするならば、聖書という本の内容や影響を理解しておくことが、海外の人々が有する思考回路を理解するための効率的な手段となる。

 ぜひ一度書店でパラパラと聖書の解説本でもめくってみてはいかがだろうか?

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