高齢者の4人に1人が予備軍 認知症の症状を知ろう

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 日本人の高齢者のうち、7人にひとりは認知症に罹患しているのだ。2003年に発表した将来推計では、「2010年 の認知症高齢者数は208万人」となっていたため、これは予測を大きく上回る結果である。認知症の代表的な症状を3つ提示する。今後も更なる認知症患者の増加が見込まれており、国の早急な対策が必要とされる。

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認知症は65歳以上の4人に1人が予備軍

 大切な家族が認知症に罹ったら、あなたはどう対応するか決めているだろうか?

 高齢化が進む現代において認知症は決して他人ごとではない。

 脳は、人間の活動をコントロールしている司令塔だ。脳がうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばなくなる。

 認知症は、かつては痴呆症といわれていた、諸要因で脳の細胞が死んでしまい起こる病気のことを言う。

 日本では65歳以上の高齢者の人口が増加し、認知症患者数が増え続けている。現在、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の高齢者も約400万人いると推計されている。

 実に65歳以上の4人に1人が認知症とその予備軍となる計算だ。

 認知症は症状を発生した本人のみならず、看病する家族の生活にも大きな影響を与える。家族のうちで、まだ誰も認知症になっていないとしても、今のうちに正しい知識を備えておくべきだ。

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40代でも発生する認知症の代表的な3症状

 認知症の代表的な種類には以下のものがある。

1)アルツハイマー型認知症

 認知症の中で最も多い脳神経疾患で、認知症患者の6割以上を占める。若年性の場合40歳代から発症することもあり、症状は軽い人格変化、人や物の名前を忘れるなどの記憶障害から始まる。その後、頑固になる、怒りっぽくなる、情緒を理解出来なくなるなど、不穏な性格に変化する状態が多く見られるようになる。

2)脳血管性認知症

 脳梗塞や脳出血などの脳血管障害を起こした後、その後遺症として発症する認知症だ。突然の脳梗塞や脳出血が原因で急激に認知症が発症する場合と、小さな脳血管障害を頻繁に起こしているうちに、徐々に認知症が進む場合とがある。血管障害をうけた脳の部位によって症状に差が生まれ、麻痺や言語障害が多くみられる。

3)レビー小休病

 レビー小休病は、アルツハイマー型認知症についで多い認知症で、認知症全体の2割を占めている。記憶障害が多いなど、アルツハイマーやパーキンソン病に似た症状が現れるが、決定的に違うところは、病気の初期から「幻視」が多くみられることだ。発症は60歳以降のことが多いので、老年期の認知症と思われがちだが、稀に40歳代の発症もある。患者の訴える幻視は、「知らない人がそこに居る」「誰かが寝室に入ってきた」などというもので、本人には生々しくはっきりと見えている。症状が進行するとパーキンソン病にも似た運動症状が現れるので、パーキンソン病と間違われることもある。

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認知症患者の増加ペースは事前予想を上回る

 厚生労働省は2012年に 「2010年の日常生活自立度Ⅱ以上の認知症高齢者数は、280万人に到達している」という集計結果を発表している。

 つまり日本人の高齢者のうち、7人にひとりは認知症に罹患しているのだ。2003年に発表した将来推計では、「2010年 の認知症高齢者数は208万人」となっていたため、これは予測を大きく上回る結果である。

 今後、認知症高齢者数は5年間で約60万人のペースで増加を続け、2025年には470万人に達すると見込まれている。高齢者全体に占める割合も約 13%にまで増加する予測だ。
 
 この増加ペースは当初の予定よりおよそ10年早いペースで進行している為、国としても認知症に対する施策の見直しが必要となるだろう。

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