炭水化物が肥満の元凶とは言いきれぬ理由

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 昨今、炭水化物やその代名詞であるお米が、肥満の元凶と言われ忌み嫌われ始めている。しかし日本人は、世界の中でも一人あたりのお米消費量が50番目程度の国であり、1位のバングラデシュ、2位のラオスはいずれも肥満率が高くない。過度に炭水化物を避けるよりも、適度な運動とバランスの良い食事を実践することが肝要である。

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炭水化物が「悪」として嫌われるトレンド

 パラパラで香ばしいチャーハン、具沢山の海鮮丼、特上カルビを巻いて食べるライス。想像しただけでどれもこれも美味しそうだが、これらメニューに共通するのは、ご飯がすすむ料理であること、つまり豊富な炭水化物を摂取できることだ。

 昨今、炭水化物は肥満の元凶と言われるほど忌み嫌われ始めている。

 崩れた体型の原因となるのは「脂肪」だが、炭水化物に含まれる「糖」は、血糖値を上昇させ脂肪に変えてしまうため、肥満につながると言うのが炭水化物嫌いの人が主張する理論だ。

 しかし炭水化物、お米こそ悪という考え方に、どうしても疑問を呈さずには居られない調査結果をご紹介しよう。

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炭水化物を「悪」と断罪できない調査結果

 まず、お米の栄養成分についておさらいしよう。一般的な白米のご飯(茶碗1杯)に含まれる栄養素は以下の通りである。

  • たんぱく質 3.9g (牛乳130cc分)
  • ビタミンB1 0.05mg (キャベツ100g分)
  • ビタミンB2 0.02mg (大根100g)
  • ビタミンE 0.3mg (ごま 小さじ8杯分)
  • カルシウム 3mg (トマト1/3個)
  • 鉄分 0.15mg (とうもろこし1/3)
  • マグネシウム 6mg (アスパラ5本分)
  • 亜鉛 810μg (ほうれん草1/3束)
  • 食物繊維 0.6g (セロリ50g分)

 カッコ内は他の食品から摂取する場合の目安である。いかがだろうか?白米にはこれほどの栄養素が含まれているのだ。もちろん、根強い人気のある玄米や発芽玄米にはさらに高い栄養素がある。

 これだけ栄養のあるお米であるが、日本人は世界の中で見ると意外にお米を食べていない。

 トリップアドバイザーによる「世界で一番おコメを食べているのはどこの国?」の調査結果によると、1位バングラデシュ、2位ラオスと続き、日本は50位とかなり低いランキングになる。

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 1位のバングラデシュの1日当たりのお米の消費量は、コンビニおにぎりに換算すると10個以上/1人1日にもなる。50位の日本は2個半程度という結果になった。

 炭水化物の代名詞である、お米こそ悪というのであれば、バングラデシュやラオスはさぞ肥満体型の人が多いのではということになるが、果たしてそうだろうか。

 直近の世界肥満率ランキングで肥満率が一番高かったのは、太平洋に浮かぶトンガとサモアだった。また肥満率トップ10以内は、諸島や欧米が占めておりアジアは一国も入っていない。従ってお米(炭水化物)を消費している国=肥満率が高い、ということは決してない。

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まずは動くこと 動かなければ制限も無駄

 肉は太る!と言われれば肉を我慢し、炭水化物は駄目!と言われればお腹が鳴るのを我慢してお米を控える、とても真面目な私たち日本人。

 ダイエットに限らず、糖尿病などの生活習慣病改善や予防のために炭水化物を控える人も多いだろう。

 ただ、2015年にブームが来ると言われているものの1つに「ライスミルク」がある。カロリーは牛乳の半分で、コレステロールも低く、まさに理想的な健康食品と言われている。

 もちもち食感が魅力の「米粉で作られたパン」は、小麦粉のものと比べてカロリーが低い。

日常生活と同様、悪者と決めつけていても意外に良い面を持っていることはよくある。適度な食事とバランスの良い規則正しい食事内容をまず実践してみることがおすすめだ。

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