日南町の鳥取銀行・定期預金解約に見る地銀の八方塞がりな未来

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日南町の鳥取銀行定期預金解約に見る地銀の八方塞がり

鳥取県日南町が、地元の地方銀行である鳥取銀行に預けていた町の預金約5億6千万円を全額解約し、別の金融機関に預け代えたことが話題となりました。

参考リンク:鳥取銀行の支店撤退に反発、日南町が定期預金5億6000万円を解約。町長の思いは?:ハフィントンポスト

これは鳥取銀行の支店が他の町へ移転してしまうことへの対抗措置で、その他、町の職員全員に給与振込口座が鳥取銀行の場合は、別の金融機関へ変更するようお願いの通知も出したとのことです。

地方銀行は地元では圧倒的な力を持っていることも多いのですが、それでも大手都市銀行などに押され、業績が低迷しているところも見受けられます。

そのため不採算店舗の統廃合などは避けては通れないところですが、支店が無くなってしまう地域にしてみれば、ATMが残ったとしても利便性が格段に落ちてしまことは否めません。

金融機関は、金融機関同士はもちろん、同じ金融機関内でも支店同士の競争もあります。

銀行全体の預金量から見れば5億6千万円という金額は決して大きくはありませんが、1支店ではそれなりに大きな金額となります。

預金量が減るとその支店の貸出余力も減りますし、貸出余力が減ると業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。

各金融機関では、大口顧客のための優遇措置を様々儲けています。金利や手数料を優遇するサービスや金融商品を紹介するサービス、特定施設を優待料金で利用できるサービスなどもあります。

また、これらはHPなどで公開している優遇措置ですが、大口になると直接の担当者がついて公には非公開の優遇を受けさせてくれることがあります。

例えば、借入の際の保証料や金利の優遇や定期預金の上乗せ金利、外貨手数料の割引など他の銀行よりも有利な条件を提示して、顧客のつなぎ止めと他の金融機関への流出の防止を図っています。

今後、地方銀行は生き残りをかけて、これまで以上に、このような厳しい状況に追い込まれる可能性が高まっています。

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