ファンケル化粧品の差別化を生む7つの「不」に学ぶ独自の“ウリ”の作り方

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ファンケルの商品開発の7つの“不”とは?

化粧品やサプリメントの会社として有名なファンケル。今期は2007年3月期の過去最高売上(1,010億円)を大幅に上回る見通しです。

彼らは次々にユニークな新商品を開発してヒット商品を生み出していますが、開発のヒントは7つの“不”にあるという話を聞いたことがあります。

7つの“不”とは何か?それは以下の通りです。

  • 不便
  • 不満
  • 不信
  • 不平
  • 不備
  • 不透明
  • 不快

これら7つの“不”はすべて、お客様の困っていること、抱えている問題なのです。

これを解決するためには、どんな商品を開発していけばいいのか考える、これがファンケルの見出した7つの“不”の解消による商品開発です。

代表的な例が、マイルドクレンジングオイルです。

開発された1990年代当時、クレンジング市場の主流だったジェルやクリームが、敏感肌の人にとって7つの“不”を産んでいると考えたファンケルは、業界でもマイナーな無添加のクレンジングオイルを開発。

今では圧倒的な同社の稼ぎ頭となっています。

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独自の“ウリ”探しは「何のために必要か?」の問いから始める

「どこにもある商品やサービスを提供しても売上げは期待できない。独自性やオリジナリティがなければ通用しない。」

起業や経営の本を読むと、大抵はこのようなことが書いてあります。

提供する商品やサービスの独自性やオリジナリティは、USP(Unique Selling Proposition:独自の売り)と呼ばれており、USP無しにライバルの追撃を避けることは難しいと言われています。

一方、ファンケルのマーケティングの基本は、お客様の抱えている問題点からスタートする、顧客志向からの発想しています。

確かにUSPがなければ、既存の商品やサービスの中に埋没してしまい、新たなビジネスは成り立たないと言われれば、そうだなと、納得せざるを得ません。

しかし、今までにない独自性やオリジナリティを一生懸命考えたところで、そうそう簡単にUSPは創出できるものではありません。

USPが確立できたとしても、それが製品由来のものだけであれば、すぐに真似されてしまい、USPでなくなってしまう可能性があります。

そこで重要なのが、何を自分達のUSPにしたら良いのかを考える前に、そもそもUSPは何のために必要かを考えてみることです。

お客様が本当に私達に独自性やオリジナリティを求めているか?というと、そうではないからです。

お客様は、自分の抱えている問題解決をしてくれる商品やサービスを求め、問題が解決できる、信頼できる会社にお金を払いたいと考えるからです。

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お客様が抱える問題を解決する約束事が独自の“ウリ”となる

では、どのように自分たち独自のウリを、ファンケルのように生み出せるでしょうか?

まず、お客様の問題を解決する約束事として捉えるならば、考えられる問題をどんどんリストアップし、その解決策を考えていけばいいのです。

お客様の抱えている問題点のリストがあなたの手元にはあるでしょうか?

その問題点を煮詰め、ターゲットとなるお客様をたった一人に絞り込みましょう。そのお客様が抱えている問題、その解決策がよりクリアに具体的になってくるはずです。

そして、そのターゲットとなるお客様との間で、「お客様の問題を解決する」という約束事を決めるのです。

これこそが、あなた独自の“ウリ”となり、商品に抽出するオリジナル性となっていきます。

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大場保男

大場 保男 (おおば やすお)
静岡県沼津市生まれ
早稲田大学第一文学部心理学科卒業

経済産業大臣登録中小企業診断士
東京都福祉サービス第三者評価者
SOURCE公認ベーシックトレーナー
関東学院大学経済学部非常勤講師

社会人としてのスタートは、二日酔いで遅刻

大学を卒業し、就職先の化粧品会社の入社式を翌日に控えた夜、
アパートの隣の部屋の友人から
「彼女に振られたからヤケ酒に付き合え」と言われて明け方近くまで痛飲。
案の定、入社式は遅刻、まだ身体に酒が残っており、
人事担当者に一発で二日酔いであることがバレて大目玉。

これに懲りることなく、酒杯を重ねて幾年月、
最近めっきり酒量は減ったけれども、
酒を通して様々な分野の人たちとの付き合いを楽しんでいる。

上司の独立に伴って転職したが、その会社はあえなく倒産

化粧品会社からマーケティング企画会社へ移って10年近く経った頃、
上司が「独立するので自分の会社に来ないか?」を誘われて転職。
社員4人の小世帯ながら、
東銀座の歌舞伎座近くの立派なビルの
ワンフロアを事務所に会社が立ち上がった。

オープンの祝賀パーティも盛大に行われた。
しかし、その会社は1年も経たずしてあえなく倒産…。
その時は、すでに中小企業診断士の資格をとっていたので、
資格があればなんとかなるのでは…と甘い考え。

46歳、何の見通しも計画もないままに独立起業

自分の意思ではなく、やむなく独立せざるを得ない状況での起業。
平成5年、46歳だった。独立起業に対する見通しも計画も何もなかった。

中小企業診断士の資格を活かそうと、知人から紹介されて行政の人に会ったとき、
「専門分野は何ですか?」と問われてハタと返答に窮した。
そこで、化粧品会社に勤務していた頃、
一番長く携わっていた「イベント企画」を自分の専門として打ち出すことにした。

以来、「商店街のイベント屋」として神奈川県を中心に、
イベントによって商店街の活気を取り戻そうという活動に取り組んできた。
かかわった商店街は、横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、座間市、
大和市、厚木市など50ヶ所以上に及んだ。

お店の販売促進、中心市街地活性化、農業診断などに取り組む

「商店街のイベント屋」として活動しているうちに、
県庁や市役所などの行政、商工会・商工会議所などの
商業振興や地域活性化を担う部署の人たちとの人脈ができてきた。
そこから、商店街のイベント以外の仕事も依頼されるようになった。

商店街のコンセプトづくり、特産品の開発、中心市街地活性化、
物販店や飲食店などの店舗診断と販売促進、
チラシやニュースレターの作成などを行ってきた。
店舗診断の業種は多岐に渡り、約300店の店舗診断を行った。
また、農家の経営診断や野菜の直売所の販売促進にも取り組んだ。

「かながわ朝市ネットワーク」の立ち上げ

神奈川県西部の人通りがほとんどない商店街、何とか活気を取り戻そうと、
朝市の立ち上げを手伝った。
当日、果たしてお客様は来ているだろうかと不安な気持ちで会場に着くと、
「この街にもこんなに人がいたのか」
というほどの賑わい。

以来、朝市の魅力に惹かれ、あちこちの朝市の立ち上げの支援を行ってきた。
神奈川県内各地の朝市の連携を図ることを目的に
平成21年「かながわ朝市ネットワーク」を立ち上げた。

活動の一環として、毎年1回、県内の朝市が一堂に
会するイベント「かながわ朝市サミット」を行ってきた。
今まで、横浜、平塚、小田原、相模原、座間、茅ヶ崎で実施してきており、
毎回、約100店が出店し、2万~3万人の来場者で賑わった。

平成26年、神奈川県内の約40ヶ所の朝市を紹介した「かながわ朝市ガイドブック」、
朝市を実施するための「朝市実践マニュアル」を発行。
今後も朝市を通して地域活性化に取り組んでいく。

商工会議所で延400人前後の創業相談を実施

平成19年より神奈川県の県西地区の商工会議所で、
創業相談を担当することになった。
現在までに延400人前後の起業の相談を行ってきた。
業種はマチマチだが、ほとんどの人がそれまで自分が従事していた業種と同じ業種で起業。
それしか起業の選択肢がないと思っている…。
その人のやりたいことは、本当にそれなのだろうか?

そんな折、アメリカのマイク・マクマナスの開発した
SOURCEという手法に出会い、トレーナーの資格を取得。
自分の本当に好きなこと、ワクワクすることを見極め、
本来の自分を発見し、それに基づいた
仕事にしていくことが充実した人生につながるという考え方に出会う。

「ライフワーク起業」の支援を自分のライフワークに

起業しても、3年後まで生き残れるのは約3割、
オリンピック選手のコーチングで有名な
あるコーチによると
目標設定の95%が実現しない。
立てた目標が本当にやりたいことでないからだという。

「ライフワーク起業」とは、自分の本当に好きなこと、
ワクワクすることを見極め、本来の自分を最大限に活かして
経済的にも豊かに生きるための起業、
これを支援していくことを私のライフワークにすることにした。

家族は妻とイヌとネコ、落語をきくのが好き

家族は妻とイヌとネコ。
イヌはヨークシャーテリアと
マルチーズのミックス。
朝、目が覚めると私の横に寝ていることが多い。
ネコは野良ネコ出身、寝る前に晩酌していると私の膝に乗ってくる。

化粧品会社に勤務していたころ、会社をサボって、
よく浅草演芸ホールに落語をききに行った。

趣味はと聞かれて
これはというものはないが
強いて言えば落語かなという程度
こだわりの落語論を持っているわけではない。

ハッツァン、クマサン、ご隠居さんの世界が好きなのだ。

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