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脳は年齢と共に進化する 「やりたいことで起業」がシニア層に向いてるワケ

脳は年齢と共に進化する 「やりたいことで起業」がシニア層に向いてるワケ
 「60歳からの理想の雇用形態は?」と聞いたアンケートで、30%以上の人が「自営業・個人事業主・フリーランス」を選択したことからもわかるように、多くの人は自由な立場で後半生の仕事を選びたいと考えているようです。「脳は年齢と共に自ら成長する」という加齢研究の結果も踏まえ、人生の後半生における望ましい起業スタイルを考えてみました。

40代以上の3人に1人は「起業したい」と考える

 一昨日の日経流通新聞にシニアの仕事に対する意識について、アンケート調査の結果が掲載されていました。

 現在働いている60歳以上の男女500人、40~59歳の男女500人を対象に実施した調査です。

 何歳まで働きたいかという質問に対しては、
  • 66~70歳:34.9%
  • 71~74歳:22.6%
  • 61~65歳:21.8%
 という結果が出ました。

 驚くべきは、60歳からの理想の雇用形態は何かという質問に対して、
  • 正社員:39.2%
  • 自営業・個人事業主・フリーランス:33.6%
 という結果が出たことです。

 3割を超える人が、自分でチャレンジしたい、起業したいと回答しています。

 しかし、「昔と比べて今のシニア層は若い」とは言っても、身体自体が少しずつ衰えていくのも事実です。

 「最近、人の名前が覚えられなくて…、もう歳だからかな~」という声が私の周辺からよく聞こえてきますし、私自身もそう感じる瞬間があります。

 身体の衰えゆえに、高齢起業に不安を抱き、躊躇する方も少なからず多いのではないでしょうか。

加齢研究の結果⇒脳は年齢と共に自ら成長する

 しかし、これらの常識を覆すような研究成果が発表されているのをご存知でしょうか?

 ジョージ・ワシントン大学加齢健康人文科学研究センター所長、医学博士であり心理学者でもあるジーン・コーエンは、長年の加齢研究の結果、
  • 年長者の脳には若年者と同等の学習能力はない
  • 年齢とともに創造性は衰える
 という常識はすべて間違いであるという発表を行っています。

 ジーン・コーエンが加齢研究の結果得たのは以下の結論です。
  • 経験や学習に応じて、脳は自ら変化する。
  • 新しい神経細胞は生涯にわたって生成され続ける。
  • 感情を司る脳回路は、年齢とともに成熟しバランスが良くなる。
  • 年長者の脳は、若年者よりも脳の多くの場所を同時に使う。
 つまり、刺激や学習によって脳自体が活発に結合を繰り返し、年齢とともに成長し続けていくことが、脳科学の最先端分野で明らかになったということです。

 たとえば、ジーン・コーエンは、高齢者こそ創造性が高まる事例として、94才から彫刻を始めたベアトリス・ピアスを紹介しています。

 彼女は育った田舎でよく目にしたふくろうの彫刻を彫ることを94才から始め、目が見えなくなった後であっても、その内なる目で次々と秀作を生み出し続けました。

人生の後半生で脳は4つの発達段階を経験する

 ジーン・コーエンは人生の後半生を、4つの発達段階に分けています。
  • 第1段階(再評価段階):40代前半~50代後半
  • 第2段階(解放段階):50代後半~70代前半
  • 第3段階(まとめ段階):60代後半~80代
  • 第4段階(アンコール段階):70代後半~人生の最期
 冒頭でお伝えした40代以上のアンケート回答者は、ちょうど第1段階と第2段階に差し掛かるわけですが、この時期にはどんな発達が脳に起こるのでしょうか?

 第1段階(40代前半~50代後半)の再評価段階は、いつかは「死ぬ」という事実に初めて向き合う時期です。

 探求心や危機感に駆り立てられて計画を立てたり、行動を起こしたりすることができます。コーエンは、この段階で起こる脳の変化が発達性知能を刺激し、これが知恵の基盤となると言います。

 第2段階(50代後半~70代前半)の解放段階では、「いましかない」という意識を持つことが多くなります。

 この意識が新たな「内なる解放感」を呼び起こします。

 自分の要求に従い、自分の思いや行動について発言していいのだ、という個人の自由意志から計画を立てたり、行動を起こしたりすることができるようになります。

 こうしてみると、再評価段階や解放段階は知的な能力が発達しており、自分の思いを行動に移すことができるようになる、まさに起業の適齢期と言うことができます。

 特に、自分の好きなことや本当にやりたいことを仕事にするライフワーク起業には最も良い年代だと言えますね。

加齢研究の成果に見る人生の後半生における望ましい起業スタイル

 実際に、シニアの起業をみると定年前と定年後では起業の意識が違います。

 定年前の人は、こんなきっかけで起業します。
  • ○自分の先行きが見えてきた
  • ○退職後、収入がなくなることへの不安
  • ○自分のやりたいことと、今の仕事のミスマッチ
  • ○再就職が難しい
 一方、定年後の人たちは、こんなきっかけで起業します。
  • ○定年後、社会とのつながりが欲しい
  • ○長年温めてきたアイデアを具現化したい
  • ○共通の仲間が欲しい、居場所が欲しい
 定年後の人は、あまりアクセクせずに、自分のペースで仕事をする、いわゆる「ゆる起業」型が多いようです。

 これに対して、定年前の人は、もっと、自分の活かしたい、やりがいのある仕事をしたい。収入もしっかり確保したいという「やりがいも、収入も」型が多いようです。

 しかし、ジーン・コーエンの脳の加齢研究の成果からみると、定年前、定年後にかかわらず、人生の後半生こそ、自分の内からの要求に従って、本当に自分のやりたいことを仕事にして起業するのが最も脳に働きに合っているように思います。

 体力は無くなっても、脳は進化し続ける。後半生こそ自分のやりたいことを仕事にしてみませんか?

2018年3月29日

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