冬季オリンピックのメダリスト達が受け取る報奨金は課税対象となるか?

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平昌オリンピックで活躍したメダリスト達の報奨金はお幾ら?

大いに盛り上がった平昌オリンピックも今週末で終了となります。

日本代表は2月22日(木)時点で金メダル◯個、銀メダル◯個、銅メダル◯個を取得し、冬季オリンピックでは史上最高のメダル数を記録しました。

メダリスト達には競技別で、公益財団法人日本オリンピック委員会(以下、JOC)から、金メダル500万円、銀メダル200万円、銅メダル100万円の報奨金が付与されます。

また、JOC加盟の各競技団体からも、選手達に以下の報奨金が付与されます。

競技種目 金メダル 銀メダル 銅メダル
フィギュアスケート 500万円 200万円 100万円
スピードスケート 500万円 200万円 100万円
スノーボード 300万円 200万円 100万円
ノルディック複合 300万円 200万円 100万円

たとえば、フィギュアスケート男子で金メダルを獲得した羽生結弦選手や、スピードスケート女子500mで金メダルを獲得した小平奈緒選手の場合、JOCから500万円、競技団体から500万円、計1,000万円の報奨金が付与されます。

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メダリスト達のJOC・所属企業・スポンサー企業からの報奨金にかかる税金は?

ここで気になるのが、せっかくもらった報奨金に税金はかかるのか?という点です。

実はどの団体や組織から報奨金をもらったのかで、税金の取扱いは全く異なります。

JOCが付与する報奨金

通常、報奨金は所得税法上の一時所得とされるのですが、平成6年の税制改正によって、JOCからの報奨金は非課税となっています。

JOCの報奨金が非課税となったのは、遡ること26年前のエピソードがきっかけです。

平成4年に開催されたバルセロナオリンピックで、岩崎恭子さんは日本史上最年少の14歳で金メダリストとなりましたが、彼女にJOCから付与された報奨金が一時所得として課税されたことが話題となりました。

これに対して世論は、「メダリストになろうと考える若者が少なくなる」と、猛烈な批判を政府に対して浴びせ、政府も即座に動いたのです。

JOCが公益財団法人という性格を帯びていることも、この判断を円滑に進める要因となったようです。

ちなみに、非課税の対象となる報奨金は、「JOC加盟の競技団体から出る報奨金」までとされます。

JOCに加盟する競技団体からの報奨金は、金300万円、銀200万円、銅100万円までが非課税です。

一般企業からの賞金や贈与

オリンピックのメダリストになると報奨金だけではなく、所属する企業や競技のオフィシャルスポンサーから賞金や商品をもらえる場合があります。

たとえば、スノーボード女子パラレル大回転代表の竹内智香選手には、金メダルを取れば所属先企業の広島ガス会長が、3,333万円の報奨金を与えると言って話題を呼びました。

冬季オリンピックはアイスホッケーやスノーボードなど一部競技を除き、ほとんどの選手がアマチュアで企業に所属しています。

したがって、所属企業から報奨金が出た場合は、ボーナス(賞与)として給与所得の一部となるため、所得税や住民税の課税対象となります。

車や時計、その他の高額なお祝いプレゼントなど、換金価値のあるものを企業から付与された場合も、同様に賞与として課税の対象となります。

オフィシャルスポンサー企業や地方自治体などから報奨金が出る場合は、一時的に増える所得とみなされ、やはり一時所得を払う必要があります。

これが、ハーフパイプのショーン・ホワイトのように、プロ選手であれば記念品等以外は全て事業所得として申告し、課税対象となります。

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市場規模が小さいとは言え報奨金はささやか…

羽生結弦選手の場合、JOCからの報奨金500万円に加えて、日本スケート連盟からも500万円の報奨金が与えられます。

このうちJOCの報奨金は全額、日本スケート連盟からの報奨金は300万円までが免税となる計算です。

一方で、カーリングやアイスホッケーに至っては、競技団体が報奨金を設定していないこともあり、もしメダリストになっていたとしても、JOCから付与される報奨金のみ非課税で付与されることになっています。

市場規模が小さいとはいえ、ウィンタースポーツ選手に与えられる報酬は、野球選手やサッカー選手に比べれば、まだまだ少ないなという印象が否めませんね。

Photo credit: KOREA.NET – Official page of the Republic of Korea on Visual hunt / CC BY-SA

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