節約 社長
島倉大輔
島倉大輔株式会社マーキュリーコンサルティング 代表取締役 経営コンサルタント

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採用と教育に悩む経営者に知ってもらいたい「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」

採用と教育に悩む経営者に知ってもらいたい「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」
 中小企業にとっての3つの弱み、それは「集客」「採用」「教育」です。ただし、集客は様々なツールの出現により中小企業にとって、やりやすい分野となりはじめています。一方で、「採用」「教育」は労働者保護の観点のもと非常に経営者へ負担を増やしています。いったいどうすれば、採用と教育の壁を乗り越えることができるようになるのでしょうか?

中小企業の成長を阻害する集客・採用・教育という3つのネック

 あけましておめでとうございます。島倉です。

 ここ2〜3年で中小企業の経営者にとって明確になってきたことがあります。

 それは、これからの時代、組織としての企業を経営する難易度がますます上がってきたということです。

 中小企業が成長を果たそうとした時、必ずネックとなる問題が3つ発生します。
  • 集客
  • 採用
  • 教育
 この3つが上手くいかなくて、ガクンと会社が落ちます。

 この中で集客は、様々な集客ツールが世の中に誕生したことで、実は経営者が自ら学び、徹底して実践すればやりやすくなっていると思います。

 というのも、より多くの人に自分達を知ってもらおうと思ったら、今まではマスメディアを活用しなければなりませんでした。

 しかし、今では、インターネット広告、SNSやYouTube、オウンドメディア、その他諸々の販促物があって、これらを上手く使いこなせば、大金を投じなくても、日本中はおろか、世界から集客できるようになりました。

 だから、「集客は頑張れば何とかなる」というのは皆さんも肌で感じてわかるはずです。

採用と教育がこれまで以上に“やりにくい”現代

 ところが、採用と教育、この2つのネックはますます経営者を苦しめるようになりました。

 まず、人材採用しても人が来てくれない、来たとしても優秀でない、すぐに違う会社に転職する、日本の中小企業の経営者のほとんどは、こういう問題について、「昔より難しくなった」と感じているはずです。

 教育の仕方を少しでも間違えると、ブラック企業と社員に揶揄され、ひどい時はインターネットで叩かれ、会社がダメになっていきます。

 特に厳しいのが飲食店などのように、サービス業を運営して人を雇わねばならない会社です。採用と教育にこの業態の人達はみんな悩んでいます。

 そこで採用と教育に悩む経営者の皆さんにぜひ知っていただきたいのが、「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」という理論です。

 経営学とか学んでいる人はご存知かもしれませんが、アメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した仕事の満足と不満足の発生要因を知る理論です。

節約社長

 衛生というのは、「賃金」だとか「社内でのポジション」など、社員が不満足を抱きやすい要因のことです。

 対して、動機づけとは、「成長」や「やりがい」といった、社員の能動性を高めたり、そのコミュニティに属する価値を高める要因のことです。

なぜ衛生要因だけで社員は動かないのか?

 基本的に社員は経営のリスクを背負いませんから、衛生要因を満たせば働くには働くんですけれども、衛生要因は社員の自発性を生むには限界のある要因です。

 たとえば単純に、給料を20万円から40万円に増やしてあげたり、40万円を60万円に増やしてあげたとしても、パフォーマンスというのは衛生要因に比例して変わりません。

 どんなに衛生要因を満たしてあげても、能動的に動く「動機づけ」には決してなりません。

 そこでハーズバーグは、「成長」や「やりがい」といった「動機づけ」無くして、人材の質は高められないと主張しています。

 では今の日本がどちらの要因に注力しているかというと、間違えなく、賃金や福利厚生といった衛生要因を満たす方向に進んでいます。

 でも考えてみてください。中小企業が人を雇う時にその人に与えられる衛生要因って限りあるじゃないですか。

 大手みたいなことを中小企業はどうやったってできません。なぜかって、1人あたりが同じ額の収益を作るために与えられる資本の桁が違うからです。

 特に2014年から2017年にかけて、雇われる側を守る法律が着々と整備されて、中小企業が人を雇うリスクは格段に上がりました。

 解雇も出来ない、給与もあげないといけない…採用と教育はリスクが物凄い上がっているんです。経営者にとっては怖くて仕方がないわけです。

動機づけを客観的に可視化した人事制度を構築し衛生要因を満たす必要がある

 余談ですが、日本政府は労働者を守る法律を整備して、更には雇用を拡大しようとしているわけですが、実際には企業は政府の思惑と全く違う方向に動いています。

 具体的には正規社員より非正規社員を増やし、内製化よりも外注、シェアリング、こういった方向に動いているわけです。

 もちろん一旦人を雇用したなら、「賃金」をはじめとした衛生要因は、法律に則って最低限を満たすのが私達の責任です。

 ですけれども動機づけと連動した衛生要因の向上を図らなければ、会社はやがてどこかで限界を迎えてしまいます。

 つまり、動機づけとなる「成長」や「やりがい」を可視化したうえで、ある程度の段階をクリアする毎に、衛生要因も連動して良くしていく、高度な人事制度を社内に設ける必要があります。

 これを自力で制度化しようとする人って多いんですけれど、なかなか出来ないんです。よっぽど経験があるか賢く、頭が良くないと、動機づけと衛生要因が客観的に連動する人事制度は作れません。

 特に冒頭でもお伝えしたような、多店舗展開している、人が必要なサービス業の場合、人事制度をしっかり構築できてないと、ノリで上手く行っていても、どこかで転んでしまいます。

 私も人事制度構築を支援しているのですが、個々の各社の成長シナリオに併せて作らないといけないので、非常に高度な作業だと思っています。

 変な話、ここまで社内に制度を作ってもなぁ…できないよ!と思われる方は、規模を大きくしない、あるいは1人会社、事業主として活動したほうが、よっぽどうまくいくでしょう。

 集客のネックはどんどん解決しやすくなっていますが、採用・教育のネックはこんな形で年々上がっています。

 もし「会社を大きくする」と本気で思われているなら、「動機づけ」の段階が可視化されて「衛生要因」に反映される、高度な人事制度が必要だということを念頭においておくと良いですよ。


 

2018年1月8日

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島倉大輔
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