自分の常識で物事を判断する人ほど不毛な競争に巻き込まれやすい

節約

 あなたは今、直径15尺の相撲の土俵に立たされ、目の前には似た背格好の人が対峙します。土俵の真ん中には行司がいて、二人に対決のルールを告げます。「手と足を使って相手を土俵の外に出した人の勝ちです。」この状況であなたはどのように相手を外に出して勝負に勝とうとしますか?

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土俵に立ち対面に相手がいたら始まるものは?

 あなたは今、直径15尺の相撲の土俵に立たされ、目の前には似た背格好の人が対峙します。

 土俵の真ん中には行司がいて、二人に対決のルールを告げます。

 「体を使って相手を土俵の外に出した人の勝ちです。」

節約社長

 行司の「はっけよいのこった!」を合図に、いよいよ相手との勝負が始まります。

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対戦者を土俵の外へ出す方法は相撲だけか?

 あなたはこの状況下で相手に挑む際、どのように相手を土俵の外に出そうと考えますか?

 きっと、「相手とがっぷり四つに組んで、相手を土俵の外に出す。」と考えられる方が多いのではないでしょうか。

節約社長

 実際に、筆者が友人の数人にこの質問をしたときの答えも、「相撲でしょ?普通に押すか投げるかして相手を外に出すんじゃない?」というものが殆どでした。

 なぜか?

 それは、今回のシチュエーションが、わざと「相撲のルール以外に勝つ方法がない」と人に考えるよう促すものだからです。

 しかし、「体を使って相手を土俵の外に出した人の勝ち」である以上、ガチンコ相撲をする以外にも勝ち方は様々あるはずです。

 たとえば、体を使ってジェスチャーを交えながら、「土俵から出てくれたら、あとで飯をおごるよ」と説得し、相手に外へ出るのを促して勝つのはダメでしょうか?

 また、行司は「体を使って相手を土俵の外に出した人の勝ち」とはいいましたが、「自分が土俵の外に出たら負け」とも言ってません。

 頭を使って考え、お互いに示し合わせて外へ出ることで、両者が勝つWin-Winな状況を作ってもよいはずです。

 ところが、視野が「これは相撲のルールに則った勝負だ」という具合に狭まる(狭められる)ほど、私達はゼロサムゲームでガチンコ勝負を選択してしまうのです。

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自分の考える常識で物事を考えようとするほど不毛な競争に巻き込まれやすい

 今回の例え話から学べることは、視野が狭まった時や、自らの知識や常識で物事を考えようというバイアスが高まるほど、私達人間は不毛な競争に身を投じやすい、型にはまった行動を取りやすい傾向を持っているということです。

 「私達の業界は他の業界とは違うから〜で考えねばならない」「〜じゃないと、この業界ではやっていけない」という主張は、「土俵に上がったら相撲を取るしかない」と言うのに等しいことです。

 状況を打破し、人を動かす術は、自分の視点や常識の範囲外にあることがしばしば。一歩引いて見たほうが、独自の活路につながりやすい場面が、私達の暮らしやビジネスシーンには沢山あります。

Photo by Edward Dalmulder on Visualhunt.com / CC BY

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