上手く行かない時は、一旦テレビやインターネットの情報を遮断せよ

経営

 上手く行く時は何をやっても上手く行くのに、一旦流れが悪くなると何も上手く行かない。数値化こそできないものの、人生には確実にバイオリズムがあります。ただし、流れが悪い時にウェブやテレビ、それから本を見て、何か気づきを得ようとする際は注意が必要です。私達が本来持つ習性によって、とんでもアクシデントが発生しやすくなるからです。

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人生には良い時と悪い時のバイオリズムがある

 時折、人生には良い時と悪い時のバイオリズムがある、と感じることがありませんか?

 上手く行く時は何をやっても上手く行くのに、一旦流れが悪くなると家庭でも仕事でも、なぜこんなに大変な目に合わねばならぬのだろう?と嘆きたくなるくらい、悪いことが続くものです。

 そんな時は、普段は真面目で前向きな人ほど、どうしたらこの悪い流れを断ち切れるだろう?と考えて、ウェブやテレビ、それから本を見て、何か気づきを得ようとされるのではないでしょうか?

 もし、外部から得た情報によって気づきを得て「〜のように行動しよう」と思えるなら、それで良いのです。

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悪い時に得た情報は気分と一致した悪い情報になりがち

 ただし、極端に不安な状況やマイナス思考に陥って参っている時は、これらの情報を見ることによって、かえって不安が助長されることもあります。

 たとえば、大きな案件の取り逃しが続いている時など、「何か最近上手く行かないな」という状況にあなたがあったとしましょう。

 自分の星座がやぎ座だったとして、朝のニュースを見ると星占いがやっています。

 「運試しだ!」とばかりに星占いを見たところ、なんと今日の12位はやぎ座で、「今日のあなたは何をやっても上手く行きません。」と言われたらどうでしょうか?

 電車の接続が遅れて商談に遅れそうになったら、「今日はついてない日だからな」と言い、しまいには部下のミスを見て、「なぜ、うちの会社には優秀な人材がいないんだ!俺ってついてないな…」と思ってしまうかもしれません。

 やぎ座が星座占いで12位だったことを、いつまでも引きずってしまい、全てのアクシデントが星座占いと紐付いてしまうのです。

 実は、これらなんとも情けない反応は、人間の思考回路が下す「普通の判断」です。

 というのも私達には、自分達の気分に一致した情報にフォーカスする習性があります。

 この習性は、アメリカのスタンフォード大学で教鞭をとった心理学者、ゴードン・ハワード・バウアーが見つけた、「気分一致効果」といいます。

 上手く行っている時はどんな情報もプラスに見え、流れの悪い時や上手くいかない時は、どんな情報も自分を攻めているように感じるのは、この気分一致効果のせいなのです。

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不安定な心理状態の時はむしろ情報を遮断しよう

 特に、状態がマイナスで不安な時に、気分一致効果はとんでもないアクシデントを引き起こします。

 1970年代のオイルショックでは、本当に石油や石油で作られた商品が無くなると信じた人によって、ガソリンやトイレットペーパーの買い占め騒動が起こりました。

 2000年代のリーマンショックの際は、多くの企業が連鎖的に倒産するという情報を信じた世界中の人々が、株を数ヶ月に渡って売り続けました。

 2011年の東日本大震災の際には、実際には関東で石油が十分足りていたのに、「石油が無くなる」という情報を信じた人による無節操なガソリン買い占めが、関東各所で横行しました。

 これらは全て、不安定な心理状態にある時に、中途半端な情報を大衆が手に入れたことにより生じたアクシデントです。

 あとになってみれば、「なぜ、あんなに焦っていたんだろうね。」と笑って言えるのですが、当時の大衆は気分に一致する情報によって見事に踊らされていたのです。

 個人レベルで考えても、不安な時に不安な情報に傾き、とんでもアクシデントにつながりやすいのは全く一緒です。

 流れの悪い時や上手くいかない時は、ウェブやテレビ、雑誌や本から必要以上に情報を得ず、かえって情報を遮断したほうが、物事が上手く行くかもしれません。

参考本

成功する人は心配性
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