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たとえ何十年前の税金滞納であっても税務署が追いかけてくるのはなぜ?

たとえ何十年前の税金滞納であっても税務署が追いかけてくるのはなぜ?
 長い期間、会社を経営していると業績が厳しい状態の時に、やむなく税金滞納してしまうことがあります。ところが、これを小さな問題として「臭いものに蓋」をしてしまうと、後でとんでもないことになります。税務署は何年も前の税金滞納について巧みに時効中断を迫り、本来は別物である経営者の個人資産を差押に入ることすらあるからです。

13年前の消費税滞納が今頃差し押さえに…

 平成28年度末の税金(国税のみ)の滞納額は総額8,971億円にものぼります。主要な滞納税目の内訳は所得税4,111億円、消費税3,100億円、法人税981億円です。

 そのうち所得税が事業者が納める源泉所得税と個人が納める申告所得税の合計であることを考えると、消費税が一番滞納されている税金と言えるでしょう。

 なぜこのような話をするかというと、筆者は税理士ですが昨日とんでも案件が、ある社長の相談として舞い込んできたからです。

 13年前の消費税約300万円と延滞利息の約200万円を、税務署に銀行口座凍結、取引先の売掛金差し押さえという形で強制的に回収されたというのです。

 社長は、「なぜ13年前の税金を支払うんだ!」「差し押さえなんてひどすぎる」と憤慨されていました。

 売上がここ数年急激に伸びてきたところを見計らったかのように、現金をさっくり持っていかれました。幸い、会社がこれで傾くことにはなりませんでしたが、痛手を負ったのは事実です。

 しかし、結論から言うと、これは社長が100%悪いです。言い訳できませんし、たとえ敏腕税理士であろうと手の打ちようがありません。

滞納した税金が時効中断となる2つのパターン

 確かに滞納税金にも時効があります。大体5年前後である場合が多いのですが、だからと言って無視を決め込めば単純に時効で税金が消えるというわけではありません。

 時効制度には、時効の中断(=時効のカウントがストップする)という取り決めがあり、以下のパターンで有効となります。

 1つ目のパターンは督促状による通知です。例えば納付期限から2年経過していたとしても、督促状が来るとその時点で時効が中断になり、カウントがリセットされまた最初からのスタートとなります。

 2つ目のパターンは差押が入った場合です。差押が入ると、差押されている期間中はずっと時効の中断となり、解除されるまで時効はカウントされません。

 滞納している税金をきちんと納めようと思っても、お金が無ければ納められません。相続税以外は分割で納める(分納)制度が無いため、全額1回で支払う必要があります。

 そのためどうしても1回で納められないときには、税務署に分割払いを“お願い”することになります。

 分割の回数が数回程度であればよいのですが、長期間になるようなときには担保の提供を求められることがあります。

 不動産や資産性のある保険、賃貸家屋であれば敷金(保証金)など換金価値のあるもので、もし担保提供を渋っていると、不動産などは抵当権を設定されてしまうこともあります。

会社と個人は別物なのに、知らずにハンコを押すと個人資産の差押もある

 督促状が来ているのに無視したり、分割で納めるものを期日までに納付できなかったりすると、税務署が差押の手続きに入ってしまう可能性があります。

 預金口座や売掛債権などが差し押さえられると、事業そのものに支障をきたしてしまいます。

 未納分を納めれば差押を解除してくれますが、手続きにはある程度時間がかかるため、影響は少なからず出てしまいます。

 また、稀に税務署が解除手続きを忘れるなんてこともあるため、未納分を納めた際にいつ差押が解除されるのかを確認しておく必要もあります。

 会社の滞納税金の場合、会社が破産・倒産してしまえば税金債務も消えることになりますが、社長や役員の個人資産でも会社の財産を不当に移し替えたものとみなされれば差押等の対象となります。

 またある程度の滞納が発生した時点で、社長に個人保証を求めたり、会社と連帯して支払う誓約書を書かされたりすることがあります。

 個人と法人は別物ですので拒否できるものなのですが、もしそれを知らずにハンコをついてしまうと、会社が倒産しても個人で肩代わりしなくてはならなくなってしまいます。

 このような悲惨な事態を防ぐ唯一の方法、それは、「税金を期限内に必ず収めること」以外にありません。

2017年11月1日

法人税 所得税 消費税 税金滞納

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