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従業員から仮想通貨で給料を支払えと要求されたが、果たして可能か?

従業員から仮想通貨で給料を支払えと要求されたが、果たして可能か?
 仮想通貨の取引が拡大し、仮想通貨で商品・サービスに対する支払いが可能な場所も徐々に増えています。これに対応して、従業員から全部または一部のお給料を、仮想通貨で支払って欲しいと言われたら果たして可能なのでしょうか?労働基準法と資金決済に関する法律を照らし合わせて、現状の解答をお伝えします。

従業員から仮想通貨で給料を払えと言われたらどうする?

 仮想通貨の取引が拡大しています。

 同時に、仮想通貨で商品・サービスに対する支払いが可能な場所も増えています。

 今年の目立った例をお伝えすると、ビッグカメラ、HISなどが、相次いで仮想通貨による支払いの受付開始を発表しましたし、リクルートやぐるなびなどPOSレジを提供する会社もレジの仮想通貨対応を発表しました。

 加えて、アマゾンのような巨大サイトまで仮想通貨支払いを認めるようになったら…

 当然のことですが、全部または一部のお給料を、仮想通貨でもらったほうが良いと考える従業員が増えることでしょう。

 実際に、イギリスの仮想通貨会社Bitwageでは国際的な人材獲得のために、仮想通貨による給料の支払いを始め、アメリカではビットコインのATMまで普及し始めています。

 もし、従業員から仮想通貨で給料を払えと言われたら、果たしてそうすることは可能なのでしょうか?

給料は「通貨払い」が原則⇒仮想通貨は「財産的価値」としか規定されてない

 残念ながら日本の現行法では、仮想通貨と給与の支払いを関連付ける条文は存在しませんが、労働基準法第24条1項には、以下のように給料の支払いルールが記載されています。

第24条  

賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

 この条項は賃金の支払いについて、
  • 直接労働者に支払う
  • 通貨で支払う
 という2つのルールを定めたものです。

 従って、仮想通貨が「通貨」と認められるか否かが問題となります。

 これについて、仮想通貨を法律は以下のように定義しています。

この法律において「仮想通貨」とは、次に掲げるものをいう。

一 物品を購入し、若しくは借り受け、又は役務の提供を受ける場合に、これらの代価の弁済のために不特定の者に対して使用することができ、かつ、不特定の者を相手方として購入及び売却を行うことができる財産的価値(電子機器その他の物に電子的方法により記録されているものに限り、本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く。次号において同じ。)であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

二 不特定の者を相手方として前号に掲げるものと相互に交換を行うことができる財産的価値であって、電子情報処理組織を用いて移転することができるもの

資金決済に関する法律 第2条5

 つまり、仮想通貨とはデジタル情報として管理される「財産的価値」として認められてはいるものの、未だ「通貨」としては認められていないのです。

 これらを踏まえると、現行法ではたとえ従業員に仮想通貨で給料を支払って欲しいと言われても、これを行うこと自体が労働基準法違反となってしまうことが理解できます。

大きな壁は仮想通貨に「強制通用力」が無いこと

 仮想通貨には時価変動があり、額面で表示された価値で決済の最終手段として認められる「政府から保証された強制通用力」がないため、従業員にこれを渡すことで不利益を被らせる可能性があります。

 労働基準法は、労働者保護の観点から定められた法律であるため、仮想通貨に「強制通用力」がある程度兼ね備えられなければ、労働対価としてこれを支給するのは難しそうです。

 今のところ、従業員から仮想通貨による給料支払いを求められた場合、自己責任で日本円を仮想通貨に変換することを提案する以外はできません。

 ただし、仮想通貨の流通体制は更に整うことが予想され、国の法律も徐々に仮想通貨に対応して変化しているため、国際的に足踏みを揃えた「強制通用力」に関するルールが整えば、仮想通貨を給料としてもらう人が現れる日もそう遠くないかもしれませんね。

2017年10月27日

財産的価値 給料 ビットコイン 仮想通貨 強制通用力

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