節約 社長
藤ノ井 俊樹
藤ノ井 俊樹株式会社エフピーアイ 代表取締役

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ヘッジファンドの推奨や証券アナリストの格付けの裏にある仕組み、レポートの意図

ヘッジファンドの推奨や証券アナリストの格付けの裏にある仕組み、レポートの意図
 「ジョージ・ソ◯スがヘッジファンドを通じて米ドルに対して売り攻勢を宣言」「北◯先生が◯◯社を買い推奨」「クレディ・ス◯スが、ソ◯ーのレーティングを2段階引き上げへ」株価へ影響を与える情報が連日報道されていますが、私達はこれらの情報をいったいどのように受け取れば良いのでしょうか?これら報道の裏にある仕組みや意図を株式投資のプロフェッショナルが教えてくれます。

メディアは他人を使って株価へ影響を与える情報を報道する

 株価が情報によって大きく変動するのは皆さんもよくご存知ですよね。

 でも、不思議なことに、地上波のテレビで経済情報や企業の動向を伝える経済番組はあっても、個別銘柄を推奨する番組って見たことがないと思いませんか?

 その理由は、経済番組の中で新製品を取り上げて、「この会社は今後大幅に利益を出す」などと言おうものなら、その企業の株が大きく上昇するなど、株価に与える影響が極めて高いからです。

 しかも、個別銘柄を推奨したあとで、もし逆の方向に株価が動けば…メディア的には情報管理、もっと言えば責任を取るのが困難であることから、個別銘柄推奨をしたくないのです。

 「あのテレビ局にはめられた」なんて、視聴者に言われたくないですもんね。

 一方で、競馬の勝ち馬を当てる番組なんかは昔からありますが、これは仮に番組が影響を与えたとしても払い戻し倍率が僅かに変動する程度で、大きな差異が生じるとは考えにくいからです。

 ただし、これでは何の当たり障りもない、つまらない情報しか視聴者に提供できないため、テレビや雑誌の株価報道ではあることが行われます。

 著名な情報サイトやアナリスト、投資家に銘柄を紹介してもらう、彼らの動きを伝える報道を行うのです。

 たとえば、「ジョージ・ソ◯スがヘッジファンドを通じて米ドルに対して売り攻勢を宣言」「北◯先生が◯◯社を買い推奨」「クレディ・ス◯スが、ソ◯ーのレーティングを2段階引き上げへ」といった具合です。

 これらの情報は、それによって株価に一定の変動があることを踏まえて情報公開されます。そこに悪意があるかないかは別として情報を受ける側は、そのことを十分認識して利用する必要があります。

 私達も日々、これらの報道を踏まえながら、自分達独自の分析を行い、お客様の売買判断へアドバイスを行っていますが、その際に報道の伝える情報をどんな具合に捉えているかを、今日は皆さんに共有しようと思います。

ヘッジファンドの推奨・証券アナリストの格付けの裏にある仕組み、レポートの意図

 例えば、ヘッジファンドが売り推奨をする場合なんかは、「予め自分たちが売りを仕掛けてから「売る理由」を公開し、多くの投資家を売り方に引き込み株価を下げさせる狙いがある」くらいに考えておいたほうが良いでしょう。

 アナリストの格付け情報も、証券会社がレポートを公表する場合、多くの情報は大口顧客などに配布されたものが出回りますから注意が必要です。特に、レーティングの引き上げ(引き下げ)を行った場合、そのタイミングが天井や底になる場合も少なくありません。

 レポートを見た大勢の投資家がそのタイミングで買ったり売ったりするからです。そのため、レポート発行と共に一時的に天井や底を付けたりすることもありますが、それらの銘柄は反対売買が一巡してから再びレポートの理論株価に近づく、またはそれを上回ることが多々あります。

 それは、証券会社の業務の流れに起因します。証券会社の大きな収益源の一つに、顧客が株を売買した時に発生する売買手数料があります。そのため一般的な証券会社を「セルサイド」と言います。

 多くの証券会社では自社のアナリストが調査したレポートを根拠に、機関投資家などの大口投資家に銘柄を勧め売買をしてもらい、手数料を稼ぎます。そのため、一時的には個人投資家などが群がって急騰し反落した銘柄も、落ち着いてからじっくりと大きな買いが入ってくることも少なくないのです。

 一方、「バイサイド」と言われる機関投資家側の中には、前述のように、自社でレポートを出すヘッジファンドも増えてきました。この場合、レポートの目的が「セルサイド」とは違ってくるため、天井で売り抜ける、底で買い戻すためにレポートを書いている可能性もゼロとは言えません。

 こういった仕組み、レポートの意図を理解していれば、一時的な発信により一喜一憂せず、大きなうねりを取ることができるのです。

株式投資は自己責任。あくまで自ら情報の取捨選択を。

  株式投資には情報収集は不可欠です。しかし、その情報を自分が最も早く手に入れられることはまずありません。従って、入手した情報は既成の事実であるという認識が重要です。

 情報を入手した場合、まずはその内容を確認するとともに、チャートなどを用いて現在の株価位置にその情報が反映されているのかどうか。レシオ面で割高なのか割安なのか、について必ずチェックする必要があります。

どんなに優れた情報でも、すでに株価に反映されていれば「出がらし」、つまり買ったところが最高値になってしまうことも多いのです。

 あくまでも株式投資は自己責任で行うものです。平静を装って、悪意の見え隠れする情報が常に流れています。

 自分自身でしっかり情報の取捨選択をし、「その情報がどの程度市場に織り込まれているのか」を見極める力を付ければ、株式投資の勝率は格段にアップすることでしょう。

2017年10月19日

株式投資 レポート ヘッジファンド 報道 レーティング

藤ノ井 俊樹
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