節約 社長
島倉大輔
島倉大輔株式会社マーキュリーコンサルティング 代表取締役 経営コンサルタント

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新規事業を始めるときに「既存市場のニッチを狙う」人は失敗しやすい

新規事業を始めるときに「既存市場のニッチを狙う」人は失敗しやすい
 新規事業を始める時にはよく、「ニッチを狙え」と言われますが、この言葉を闇雲に信じる人は、そもそもニーズがない、食い荒らされた後の、収益性がない市場に突っ込みがちです。確かに商品、サービス、商圏は絞り込みが必要ですが、それは既存市場から新たな市場を創出するときに、小さく、早く始めて、すぐ変化できるために行うことなのです。

「ニッチを狙うこと」と「ターゲットを絞ること」は全く意味が違う

今回は、「ニッチ」という言葉について考えてみたいと思います。

 私はコンサルタントとして新規事業を始めるお客様と接する時に、
  • ターゲットを絞ってください
  • 商品を絞ってください
  • 商圏を絞ってください
 ということをよくお話します。

 ここで勉強を少ししていらっしゃる方はよく、「ニッチを狙えということですね。」とおっしゃいます。

 しかし、絞り込むこととニッチを狙うことは全く意味が異なっていて、解釈を間違えると全く利益が出ないことになってしまいます。

新規事業でニッチを狙う人は失敗しやすい!

 まず、ニッチを狙うということは、もともと存在する市場(既存市場)において、
  • ここはまだ誰も狙ってないよ
  • まだ誰も手を付けていないよ
 という場所を狙っていくことです。

 でも、このやり方では儲かりません。

 なぜなら、既に存在する市場では、これまで様々な企業がニッチを狙って戦いを繰り広げ、その陣地を拡大してきたわけです。

 その中で、誰も狙っていない、誰も手を付けていないということは、そもそも市場に残ったニッチ分野に旨味があまり無い可能性のほうが高いのです。

 たとえば、人口500人の田舎町があったとして、そこにはスーパーマーケットが1店舗もありません。

 じゃあ、誰も狙っていない、誰も手を付けていない、ということで、スーパーマーケットをその町に作る人はいないはずですよね。

 理由は簡単で、単純に田舎町というニッチマーケットを狙っても採算が合わないからです。

 絶対に失敗するわけではありませんが、成功確率は非常に小さいです。

商品、ターゲット、商圏を絞り込むことの意味

 対して、
  • ターゲットを絞る
  • 商品を絞る
  • 商圏を絞る
 ということは、これまで存在してきた市場の中で、ある商品、ターゲット、商圏のうち、これから拡大余地のある分野に絞って、これまでと少し違ったアプローチを行うことで、新しい市場を作り出すことです。

 模範事例の1つは、キシリトールガムです。

 キシリトールガムが生まれる前のガムは、「お菓子」市場の1商品でしかありませんでした。

 せいぜい、口臭対策、眠気対策のガムがあったくらいですが、これも明確な効果をうたったものではなかったので、お菓子市場の枠を超えることはありませんでした。

 その中で、キシリトールガムは、商品を「歯の健康を守ろう」という価値観に絞って消費者に提案することで、ガムをお菓子市場から拡大余地の大きな「予防医学」市場へ引きずり出すことに成功します。

 当然ですが、市場を新たに創出し、これを一番最初に始めたロッテは、先行者利益をがっちりと掴み取ることができたわけです。

商品、ターゲット、商圏を絞り込むのは小さな市場でNO1になるためではない

 ちなみに、ニッチを狙うために、MBAなどでは、ファイブフォース分析、SWOT分析とか色々な理論を教わるんですけれど、あれは新規事業を始める人には殆ど意味がありません。

 なぜなら、新規事業は売上がゼロの状態からイチをまず作り出すことであり、分析して予測を立て、計画を作ったところで、それが当ることなんてそもそもありえないからです。

 新規事業を始める際は、大きな視点でマーケットを見て、顧客・商品・商圏に関する「ここは行ける、伸びる」という確度の高いデータや直感があった時に、まずは小さく始められるように、顧客・商品・商圏を絞り込むのです。

 絞り込むことは、既存の小さな市場でNO1になるという苦しい選択のために行うのではありません。

 全く新たな市場を創造する時に発生しやすい、致命的なミスやリスクを減らし、常に変化し続けるために行うものなのです。


 

2017年7月28日

小さな市場 NO1戦略 ファイブフォース分析 SWOT分析 絞り込む ニッチ

島倉大輔
島倉大輔株式会社マーキュリーコンサルティング 代表取締役 経営コンサルタント

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