節約 社長
吉住 幸延
吉住 幸延ガルベラ・パートナーズ グループ代表取締役

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政策実施機関なのに民間の投資会社〜中小企業投資育成株式会社とは?

政策実施機関なのに民間の投資会社〜中小企業投資育成株式会社とは?
 あまり知られていない資金調達手段の1つに、「中小企業投資育成株式会社」からの出資受け入れという方法があります。中小企業投資育成株式会社とは、国の政策実施機関でありながら、民間の株式会社として中小企業に出資を行う組織です。本稿では、中小企業投資育成株式会社から投資を受け入れる要件をご紹介します。

 企業にとっての資金調達活動は、身体に新鮮な血を行き巡らせるのと同じくらい重要な行動です。

 事業規模を拡大させようと思えば、どこかで資金調達を行わねばなりません。

 ただし、数億単位のお金を投入したほうが良い状況があったとして、普通の金融機関は担保無しに大金をそうそう貸してくれません。

 また、ベンチャーキャピタルのような投資会社から増資を受けいれると、経営方針が投資会社の影響を大きく受けるようになるため、経営者の意思だけで会社を動かすことが難しくなります。

 そこで本稿は、あまり知られていない策として、「中小企業投資育成株式会社」からの出資受け入れという資金調達手段をご紹介します。

 中小企業投資育成株式会社とは、経済産業省が関与している投資会社であり、
  • 東京中小企業投資育成株式会社
  • 名古屋中小企業投資育成株式会社
  • 大阪中小企業投資育成株式会社
 という3つの姉妹会社で成り立つ組織です。

 その株主は、地方公共団体、商工会議所、金融機関、証券業界、保険会社、事業会社などで、国の関与は比較的弱い組織です。

 1963年に設立されて以来、主に中小企業に対して出資(投資)を行い、投資先からの配当によって利益を得ています。

 中小企業がこの組織から投資を受けるメリットは、以下にあげるものです。
  • 1)直接金融による資金調達が可能になる
  • 2)公的機関が株主となることで、会社の信用力が強化される
  • 3)現経営陣による経営方針を尊重する長期安定株主となってくれる
  • 4)事業承継にあたりネットワークを駆使し協力してくれる
  • 5)各種セミナーなど、経営に関する情報が得られる
  • 6)増資による株価引き下げ効果を見込める
 特に、原則として現経営陣の経営判断を尊重し、経営基盤を安定させながら資金調達できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

 ただし、中小企業投資育成株式会社から投資を受け入れることにはデメリット(難点)もあります。

 それは、
  • 1)原則的に毎年、6〜10%の配当を支払う必要がある
  • 2)投資に至るまでの審査がとても厳しい
 というデメリットです。

 これを踏まえると、中小企業投資育成株式会社から投資を受けられるのは、どんな中小企業でも良いという訳では無いことがご理解いただけると思います。

 一言で申しますと、「優秀な会社」もしくは「将来性がある会社」が対象ということです。


 ここからは、中小企業投資育成株式会社から投資を受けるのに必要な条件を見ていきましょう。

投資対象企業

 投資を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。
  • ・増資前の資本金が3億円以下
  • ・原則的に業種制限はないが、公序良俗に反する事業、投機的な事業は対象外
 ベンチャーキャピタルの中には、上場を増資の条件とするところもありますが、中小企業投資育成株式会社では「絶対」として求められることはありません。

投資の上限

 増資後の議決権は50%以内とされます。平均で30~40%くらいが、現時点での実績となっています。

投資後に求められること

 投資を受けた後、中小企業投資育成株式会社は以下の事項を企業に求めます。
  • 投資額の6~10%程度を目安とした安定的な配当の実施
  • 定時株主総会の開催
  • 決算内容、株主総会付議事項の事前説明
 配当は強制や義務ではありませんが、原則的に継続配当が求められます。

 また、定時株主総会の開催も求められますが、原則的に「物言う株主」として、意思決定に対して口をはさむことは少なく、代表取締役の決議事項に従う傾向が強いようです。

 ここまでご説明したように、中小企業投資育成株式会社から投資を受けるためには、大きなハードルを何個も突破する必要があります。

 しかし、これは違う視点から見れば、中小企業投資育成株式会社の審査が通った会社は優秀な会社、ということもできるわけです。

 このメリットは非常に大きいもので、他の金融機関などの信用評価を上げることが可能になります。

 これから資金調達を考えていらっしゃる方は、1つの選択肢として検討してみるのはいかがでしょうか?

 その際は、ホームページを見て、どんな企業が投資を受けたか投資金額を含めて実績が掲載されていますから、分析してみるのをお勧めします。

2017年7月27日

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