【完全版】ビットコインなど仮想通貨に投資する5つのメリット・デメリット

資産運用

 仮想通貨の代表であるビットコインの価格が約半年で3倍強の値上がりをしたことや、仮想通貨を決済手段と認定する改正資金決済法が施行されたことで、仮想通貨への投資熱が高まっています。そこで本稿は、仮想通貨に投資することのメリットとデメリットを5つご紹介します。リスクを管理しながら、上手く付き合いたいですね。

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「決済手段として」よりも、「投資対象として」注目される仮想通貨

 ネットワーク上で運営される仮想通貨への投資が過熱しています。

 仮想通貨の代表であるビットコインの価格は、年初の3倍の水準である2900ドル前後で推移し、6月中旬には3000ドル大台を超える場面もありました。

 仮想通貨として初めて登場したのは2009年のビットコインですが、現在では世界に700種類以上の仮想通貨が認知されています。

 当初は、様々な不正やリスクが懸念されましたが、世界中で流通されるなか、決済機能としての地位も確立されたことでビットコインそのものが売買されるようになり、外国為替相場のように市場が形成されていきました。

 国境のない通貨である仮想通貨は禁止されている国以外ならどこでも取引でき、取引所と呼ばれる専門の事業者を通じて入手することができます。

 購入後、利用者は専用の電子財布であるウォレットをネット上に作成し、パソコンやスマホなどで閲覧・管理します。

 ネット上の複数のコンピューターで取引を記録して共有する、ブロックチェーン(分散台帳)という技術が仮想通貨を支えています。

 国内ではビットコインで決済できる飲食店が増えましたが、価格変動が大きいことから決済手段としては使いにくいとの声もあり、投資対象として保有する人が多いようです。

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投資対象としての仮想通貨に注目が集まる理由

 もともとビットコインを始めとした仮想通貨への投資はベンチャー経営者や富裕層が中心でしたが、ここにきてFX経験者など個人投資家がなだれ込むように参入しています。

 きっかけは、4月1日に日本で仮想通貨を決済手段と認定する改正資金決済法が施行されたことです。7月からは購入時の消費税もなくなり、今後、より身近な存在になっていくことへの期待が高まりました。

 ただ、足元の上昇はようやく認知されだした仮想通貨市場に、参加者が殺到しているような印象があります。

 投資として考える場合、参加者の主体はどうなっているのか?何に連動しているのか?考えられるリスク要因は何があるのか?など投資判断に必要なデータを集める必要がありそうです。

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仮想通貨へ投資する際に生じる5つのメリット

 それでは、仮想通貨に投資することのメリットについて考えてみましょう。

1)発行上限が決まっており希少性が生まれる

 たとえば、ビットコインは発行上限が約2100万ビットコインまでとシステムで決められています。そのため、ビットコインが流通するばするほど希少性が増し、通貨としての価値が高まります。

2)ボラティリティが既存の投資対象より高い

 短期トレーダーにとって高いボラティリティが魅力です。たとえば、ビットコインのボラティリティはドル/円の3〜5倍程度と言われています。

 また、買いが買いを呼ぶ一方通行の動きになりやすいため、一度上げ相場に乗ることができれば、短期間で多額の利益を稼ぎ出すことも可能です。

3)外的要因の影響が少なく資産運用のリスクヘッジ手段となる

 世界的な経済危機などに対するリスクヘッジとして注目されます。通常の通貨は発行元の国が財政危機などに陥るとその国の通貨の価値が大きく減少します。

 ビットコインを始めとした仮想通貨は円やドルなど法定通貨を発行する中央銀行にあたる管理者がおらず、特定の国家や中央銀行に依存しないため、こういったリスクを回避することができます。

4)24時間365日取引が可能

 株式やFXと違い、24時間365日取引が可能です。日中投資に時間を使うことができないビジネスマンにとって魅力的です。

5)1円以下の単位まで取引が可能

 仮想通貨は1円以下の単位までも取引が可能です。1000円程度あれば、十分に自由に取引できます。FXの数万円、株式の数十万円と比較しても少額からの取引が可能となっています。

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仮想通貨へ投資する際に生じる5つのデメリット

 一方で、仮想通貨に投資することにはデメリットも存在します。

1)仮想通貨には適正価格の尺度が無い

 株式投資は企業の業績や資産に基づいたPER、PBRなどにより適正価格を判断することができますが、ビットコインを始めとした仮想通貨にはそういった尺度がほぼ存在しません。

 投資家心理に頼った価格形成となるため、乱高下しやすいといったリスクがあります。また、ボラティリティが高いため、短期間で大きな損失を被る可能性もあります。

2)セキュリティ面が万全ではない

 ビットコインなど、仮想通貨自体のシステムがハッキングを受けたことはありませんが、取引所へのハッキングによりビットコインを抜き取られるケースがあります。

 また、取引所が破綻して引き出せなくなるという可能性があります。

3)流動性が低く換金性に疑問が残る

・ビットコインを始めとした仮想通貨への投資は、株式やFXと比べたらまだ参加者が少ないため、流動性に問題があると言えます。

4)詐欺通貨が多数あり見極めが必要

 仮想通貨は個人でも独自の通貨を発行することが可能です。そのため、詐欺通貨が多数発生しています。

 国民生活センターによると、仮想通貨を巡るトラブルの相談件数は、2014年の80件から2016年には616件に急増し、2017年には6月中旬で660件とすでに昨年を上回っています。

 「ビットコインから受け取れる将来の手数料が莫大なものになるためその分配金を受け取れる権利に投資しましょう」、「必ずもうかるビットコインにとって代わる仮想通貨に今から投資しましょう」など、高配当をうたった商品勧誘がネット上で展開されています。

 更に、マルチネットワークが商材に利用しています。人より有利に権利が得られるという美味しい話は絶対にありません。

5)法規制が十分ではない

 仮想通貨はまだ新しい概念なので、世界各国の法規制が追いついていません。例えば、仮想通貨で得た利益に対して、税金がどうかかるのかといった部分は不透明な状況となっています。現在、日本でも仮想通貨に対して法整備を進めている最中です。

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相場が建っている以上、リスク管理は当然の話

 このようにビットコインを始めとした仮想通貨はボラティリティが高く、投資家心理に左右されやすいことから、相場が一方通行になりやすいという性質があります。つまり、短期間で大きなリターンを上げることができる半面、大きな損失を被る可能性もあります。

 相場が建っている以上、下落リスクは相場につきものです。

 政府や中央銀行が介在しない仮想通貨を取引するに当たっては、大手銀行と提携関係にあるなど最低限のリスク管理は必要と言えるでしょう。

 投機的なイメージが強い仮想通貨ですが、リスクをコントロールしながら上手く付き合っていきたいですね。

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最新情報をお届けします。
藤ノ井 俊樹

わずか10歳から投資家としての第一歩を踏み出す。

証券会社入社後は15年間一貫して法人部門を歩き、大手生保や事業会社に対してさまざまな投資手法を提案。

長年にわたり、高パフォーマンスを実現してきた経験から、正しく豊富な知識や情報収集能力、冷静な判断力を磨くことで、株式投資において長い期間、着実に利益をあげ続けることが可能と判断。

インターネットやセミナーを通じて投資教育、投資手法を提案している。

CFP(日本FP協会会員)
日本テクニカルアナリスト協会CMTAI

日本投資教育センター取締役兼任

■著書・執筆

著書 「個人投資家のための信用取引自由自在」

監修 日本証券業協会 証券教育広報センター発行
「女性のためのスタイリッシュ投資ライフ」

他、執筆多数

■セミナー・講演

パンローリング社主催
「ロング・ショート戦略で自由自在 株式トレード必勝セミナー」

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