スターウォーズ生誕40周年〜ファンが映画を愛して止まぬもう1つのワケ

時事

 今日、5月25日は、スター・ウォーズシリーズ第1作『スター・ウォーズ』が、ちょうど40年前にアメリカで初公開された日です。オタク心をくすぐるキャラ、家族愛に満ちたストーリー、はもちろん、同シリーズが支持を受けるもう1つの理由に、制作側がファンとの約束を必ず守ることが挙げられます。そのエピソードを1つご紹介します。

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5月25日スターウォーズ40周年・本当の誕生日

 5月25日、今日は何の日か読者の皆さんはご存知ですか?

 今日はスター・ウォーズシリーズ第1作『スター・ウォーズ』が、ちょうど40年前にアメリカで初公開された日です。

 ただし、この日はあまり注目されることはありません。

 というのも、スターウォーズファンは、毎年5月4日を「スターウォーズの日」として祝うからです。

 スターウォーズの日が、なぜ5月4日なのか?というと、“May the force be with you”(フォースとともにあらんことを)、という劇中の名ゼリフから、May(5月)とforce(同じ発音のforth:4日の意)の語呂合わせから生まれたものです。

 ちなみに、このスターウォーズの日のゴロ合わせは、製作総指揮を務めるルーカス・フィルムが気がついたものではなく、ファン達が偶然気がついたもの。

 お祝いイベントも決して制作側が仕掛けたものではなく、各地でファンが自発的に開催したのが始まりで、ファン達があまりの盛り上がりをみせるので、遂にはルーカス・フィルム公認となったのは有名な話です。

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スターウォーズをファンが愛して止まぬワケ

 なぜ、これほどスターウォーズをファンが愛してやまないのか?

 神話性のあるテーマ、普遍的な家族愛に満ちたストーリー、オタク心をくすぐるロボットや宇宙船は、たしかにそれぞれの要素を求めるファン達を満足させるのに十分なものです。

 ところが一見すると、制作側のPR方法は、公開の1年前から入念に練られたPR動画をユーチューブで大量に流し、公開の半年前からは企業を巻き込んだコラボレーション商品を続々登場させ、公開の一ヶ月前にはテレビ各局に派手な特報を放映させるなど、商業主義の権化のようにも映ります。

 通常、このようなビジネスライクな企業活動は嫌われやすいものですが、多くのファンはこれを好意的に受け入れます。

 その理由は、「スターウォーズはファンを裏切らない」、もっと言えば「ルーカス・フィルムはファンを裏切らない」という信頼感に基づくものです。

 彼らが信頼される理由、それは非常に簡単なもので、「期間に関する約束を必ず守る」ということに集約されます。

 これを示す1つのエピソードをご紹介しましょう。

 通常、映画は上映開始後に大ヒットが観測されれば、必ず上映期間を延長するものです。

 しかし、スターウォーズシリーズは、どんなに大ヒットして今後売上が伸びると予測できても、一定時点で必ず上映終了を宣言することで知られています。

 また、スターウォーズの製作興業チームは、大作にありがちな上映開始日の順延を起こさず、初回上映時間を全国でルール統一し、これを守ります。

 たとえば、2015年末に公開され、世界歴代興行収入3位となった「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は、日本でも上映から3ヶ月を過ぎてなおトップ10入りしていましたが、興行側は3月25日に全国一斉で上映終了することを大々的に伝えました。

 そして、この宣言は予定通り実行されました。

 このように、スターウォーズの製作・興業側は、売上以上にファンとの間で、期間に関する約束を守ることを優先します。

 それでも、2016年洋画売上第一位は同作でした。

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出来るようで出来ない約束を守るということ

 このように、期間に関する約束を守ることは、ビジネスに以下のプラス作用を生み出します。

  • 1)販売終了までの期間内にファンのリピートが生まれる
  • 2)まだ商品を使っていない人も商品を知り、新たなファンを作るチャンスが生まれる
  • 3)商品・サービスの提供者が約束を守る誠実な人間だと知ってもらえる

 特に、3)は、顧客と継続的な信頼関係を気づいていく上で、他の商品との差別化を生む大きな要素となります。

 殆どのビジネスは、顧客との継続的な信頼関係にもとづいて、価値の交換が行われますが、商品によっては「良かった」「悪かった」という評価がわかれるものです。

 映画で言えば、「前作は良かったけれど今作は駄作だった」ということはよくある話です。

 それでも次回も見ようか、と思えるか否かは、制作側がそれまで如何に顧客に対して信頼関係を築けていたかで変わります。

 約束を守るのは当たり前のことかもしれませんが、どうしても爪を伸ばしたい時というのは多々あるものです。

 そんな時は、スターウォーズの事例が、顧客との継続的な関係作りのお手本として参考になるかもしれませんね。

Photo credit: gabemac via VisualHunt.com / CC BY

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