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お得意様は高齢者〜子供学習の学研が医療福祉サービス事業を始めたきっかけ

お得意様は高齢者〜子供学習の学研が医療福祉サービス事業を始めたきっかけ
 学研教室など学習塾の運営や教育雑誌の出版など、子供教育事業で知られる学研ホールディングス内で急伸する事業があります。それは、医療福祉サービス事業です。なぜ同社は新たな顧客層として高齢者の開拓に成功したのでしょうか?同社のサ高住施設を差別化させる要因についてもご紹介します。

学研の業績好調を支える医療福祉サービス事業

 学研のおばさんの販売する教材や、教育雑誌の出版が主力事業の学研ホールディングスにあって、ここ数年で勢い良く伸びている事業があります。

 それは、医療福祉サービス事業です。

 5月12日に学研が発表した2017年9月期第2四半期連結業績を見ると、売上高は前年同期比4.3%増の549.80億円、経常利益は同15.8%増の31.59億円四半期純利益も同54.2%増の25.33億円と非常に好調。

 中でも、医療福祉サービス事業は、売上高が前年同期比12.5%増の103.63億円と、主要4事業において一際目立つ成長を見せました。

 これを牽引したのは、1年で9施設を開業させたサ高住施設をはじめとする、高齢者介護施設の運営・介護訪問です。

 つまり、既に学研は、子供教育や出版事業など子供をターゲットにした事業だけではなく、高齢者を主な顧客層とした新たな収益源を保有しているのです。

学研が医療福祉サービス事業を始めたきっかけ

 ここで疑問となるのが、なぜ子供教育が主力事業だった学研が、医療福祉サービス事業を展開することになったのか?ということです。

 実は、学研が医療福祉サービス事業を展開するようになったのは、学研のおばちゃん達による営業フィードバックがきっかけでした。※

 もともと学研の主力収益源であった、学研のおばちゃんによる学習教材の訪問営業は、2000年頃に従来のような成績を出せなくなり始めていました。

 共働き家庭が増えて、教材購入の意思決定権を持つ子持ちの主婦が家に居なくなったからです。

 「どれだけ営業をしても親が家におらず、家にいるのは老人ばかりだ。」という学研のおばちゃん達によるフィードバックが、学研の本部には集まっていました。

 そこで、家にいる高齢者が増えているのならば、逆に高齢者を相手にするサービスを提供しよう、ということで始めたのが、学研による高齢者介護施設の運営、訪問介護事業だったのです。

 従来のビジネスモデルに限界や焦りを感じていたこと、現場からの不満を、学研は新規事業を始めるチャンスと捉えたのです。

従来の強みを生かしサ高住の差別化にも成功

 さて、価格競争の激しい介護業界にあっても、学研のサ高住施設は非常に人気が高いのですが、運営を差別化する要素となったもの、それは子供教育事業で培ったノウハウでした。

 サ高住施設を運営する学研のブランド「ココファン横浜鶴見」は、施設と小中学校が同一施設内にあり、多世代交流を実現する場所となっています。

 更に、神奈川県藤沢市にある「ココファン健康リハかえる湘南台」では、学研独自の認知症予防プログラム「脳元気タイム」が実施されています。

 このプログラムは、脳の前頭前野を活性化させる書写やそろばんといった学習系アクティビティと、楽しく運動に取り組めるゲーム系アクティビティで構成され、こちらも非常に好評です。
  • これまでの事業が斜陽を迎えた時に、その原因を適切に把握し、新たな事業を展開する。
  • 培って来た事業のノウハウを生かして他社との差別化を実現する。
 ピンチをチャンスに、強みを生かす。当たり前のことですが、なかなか出来ないですよね。

 学研の医療福祉サービス事業急伸から、私達は多くを学ぶことができるのではないでしょうか。

※ベネッセの介護相談教室 
https://kaigo-sodanshitsu.jp/interview/cocofum

2017年5月19日

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