もう一つのお正月「春節」でニッパチの法則を覆せ

時事

 春節(しゅんせつ)とは、中華圏で祝われる旧正月のことをいう。2015年に中華圏の人々が海外旅行の希望先として選択しているのはこの日本。春節を利用して海外旅行を行う中華圏の人々は多い。2月は「ニッパチの法則」という言葉通り日本の消費が沈みやすい時期であるため、春節を前向きなビジネスチャンスとして捉えたい。

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旧正月「春節」を祝うのは中華圏の15億人

 春節(しゅんせつ)とは中華圏において、昔の暦である農暦を元に祝われる旧正月のことをいう。
 
 中華圏では最も重要とされる祝祭日で、新暦の正月(1月の3が日)に比べ盛大に祝賀される。
 
 中国や台湾はもちろんのこと、シンガポールなどの中華圏国家では数日間の祝日が設定されており、2015年の期間は、2月18日(水)から2月24日(火曜)まで7連休となる。

 総人口約15億人、地球全体の20%の人々が春節を祝い、街中で爆竹が鳴り、田舎を持つ都市部の人なら実家へ帰ったり、都市部の人なら海外へ旅行に出かけたり、「世界で一番賑やかなお正月」とも言われる。

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春節はニハチの法則を覆す最大のチャンス

 かたや日本は、「正月のお祝いムードが過ぎた2月と、暑さのせいでモノが売れない8月」という「ニッパチの法則」に商売人の顔が陰りやすい時期である。
 
 そのムードにも今年はやや変化が見られる。春節で、日本へ大挙して押し寄せる中華圏の人々によるインバウンド消費が見込まれるからだ。
 
 旅行大手サイト「Travel Zoo」の2015年アンケート調べによると、中華圏(中国本土、香港、台湾)に住む人の約 5 割が海外旅行の渡航先として日本を希望しているという。※1
 
 それもそのはず、円相場は2014年に米ドル対比で20%強下落し、人民元は対米ドルで約3%上昇しているため、中華圏の人々にとって、日本は買い物天国と化しているからだ。
 
 もう一つ中華圏の人々をこの時期にターゲットとする理由がある。「春節ボーナス」の存在である。
 
 多くの中華系企業が、社員に対して年一回ボーナスを支払うのは、殆どの場合「春節」のタイミングに重なる。

 財布のヒモが緩まった中華圏のインバウンド消費が、ニッパチの法則を覆す起爆剤となりえる。

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春節のインバウンドに備えて準備すること

 春節に控える莫大な中華圏のインバウンドに、我々はどう備えられるだろうか?
 
 自社が小売を営む場合、免税店の免許を取ることがチャンスを広げる。免税店の免許を取る要件(開設要件/取り扱い品目)は、昨年政府が大幅に緩和しているのでぜひ検討してみよう。
  
 飲食店を運営している場合、免税店の資格を取得しなくても、海外の人に分け隔てなくよいサービスを提供し続けていれば、これらの恩恵にあずかりやすい。ウェイボーなどの口コミサイトでインバウンド客や在日中華人が、お店の評判を常に書き込みしているため、評判を広めてくれるからだ。
 
 見方を変えれば、国内にいても春節の恩恵を受けるチャンスは拡大している。ニッパチの法則を覆す企業が数多く出てくることを望む。

※1 「Travel Zooジャパン」アジア・パシフィックにおける旅行に関する意識・動向調査
file:///Users/taichimitani/Downloads/d6207-20150106-8205.pdf

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