誰もが納得する比較広告を作るため必ず念頭に置くべき4つのポイント

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 インターネット上の広告を見ると、「従来比◯%アップ」「業界他社と比較し△倍の満足度」といったウリ文句がそこかしこに並びます。これら比較広告は、消費者への訴求価値を高める上で非常に魅力的なマーケティング手段ですが、一方で1つ間違えると違法行為になります。そこで本稿は、誰もが納得する比較広告を作るために、必ず念頭に置くべき4つのポイントをご紹介します。

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訴求価値の高い比較広告も一歩間違えれば違法

 消費者はインターネット上で、購入を検討している類似商品の中から、自分が求める商品を比較検討できる「比較サイト」を参考にしています。

 また、インターネット上の広告を見ると、「従来比◯%アップ」「業界他社と比較し△倍の満足度」といったウリ文句がそこかしこに並びます。

 しかし、これらの比較広告も、1つ間違えば違法(優良誤認)とみなされ、企業の信頼性を毀損する事態を招いてしまいます。

 そこで、今回は自社サイトで「比較広告」を行う際の注意点について、景品表示法上の観点からご紹介します。

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誰もが納得する比較広告を作るため必ず念頭に置くべき4つのポイント

1)客観的に実証されている商品データを利用する

 商品自体や商品に関連する調査などの商品データは、適切な検査・調査方法で行われた客観的に実証されたものを利用します。

 国公立の試験研究機関など公的機関や中立的な立場で行なわれる調査、研究を行う民間機関などが行う調査結果は、客観的なものとみなされますので有効に活用しましょう。

 また、比較対象商品等を供給する事業者がパンレット等で公表しているデータとの比較もOKですが、必ず比較データを公表している相手に問い合わせて、データの適格性を検証するようにしましょう。

2)調査方法を明記する

 消費者が正確にデータの内容を認識できるよう調査方法(調査機関、調査時点、調査場所など)を表示することで、データに対する消費者の信頼度がアップします。

3)商品比較は公正な条件で

 現在販売されていない商品や、社会通念上又は取引通念上、同等のものとして認識されていない商品を比較対象商品に選ぶのはNGです。

 NG例としては、

  • ・販売が中止されている商品等と比較しているにもかかわらず、あたかも現在、販売されている商品等との比較であるかのような表示
  • ・自社のデラックス・タイプの商品について広告する場合、他社のスタンダード・タイブの商品と比較し、特にグレードが異なることには触れず、あたかも同一グレードでの比較であるかのような表示

 などがあげられます。

4)自社に都合のよい調査データ引用はNG

 調査結果の一部を引用する際に、自社製品の優秀性を主張するために、調査結果を本来の趣旨と異なる形で引用するのはNGです。

 NG例としては、

  • ・各社の商品について、多数の項目にわたって比較テストをしている調査結果の一部を引用する際、自己の判断で、幾つかの項目だけを恣意的に取り上げたり、その評価を点数化し、平均値を求めるというような方法
  • ・自社のデラックス・タイプの商品について広告する場合、他社のスタンダード・タイブの商品と比較し、特にグレードが異なることには触れず、あたかも同一グレードでの比較であるかのような表示

 などがあげられます。

 また、調査の対象や範囲など条件付きのデータを利用する際は、その条件を明記して、同一条件の下での比較として引用するようにしましょう。

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消費者の本音は「商品の長所だけでなく短所も知りたい」

 以上、比較広告を表示する際に、必ず念頭に置くべき4つのポイントをご紹介しました。

 また、比較広告は倫理的な観点からも、慎重に掲載を検討すべきです。

 たとえば、「安価」であるという長所と不離一体の関係にある、「(消費者が当然搭載されていると思っている)機能が搭載されていない」などの短所がある場合は、併せて表示する必要があります。

 また、他社商品の欠点指摘ばかりでは、広告主の品位が疑われます。自社商品の優位性を強調するために、他社や他社商品の欠点を殊更指摘するのは控えるべきです。

 たとえそれが事実であっても、倫理上や品位に抱える問題を惹起することがあるため、くれぐれも注意してください。

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久保 京子

株式会社 フィデス 代表取締役社長

広告表示のコンプライアンスや消費者視点の顧客サービスを重視した、ネット通販マーケティングのコンサルティング会社です。

景品表示法や医薬品医療機器等法(旧薬事法)などの広告法務や、顧客満足を高める顧客対応など、ネット通販の「守り」の部分をバックアップします。

広告表示規制が強化される中、違法表記は企業の信用やブランド価値の低下など、致命的な事業リスクになりかねません。
また、拡散力が飛躍的に高まったネット時代のカスタマー対応は、ダイレクトに売り上げとコストに影響を与えます。

カスタマー対応はもとより、広告の違反基準となるのは、サービスの受け手である一般消費者目線です。
常に消費者目線を意識することが、事業のリスクマネジメントの基本となります。

お気軽にご相談ください。

取得資格
内閣総理大臣及び経済産業大臣事業認定資格 消費生活アドバイザー
※消費者と企業の懸け橋として、企業の消費者志向経営をサポート。
 消費者庁の法執行専門職員(景表法やJAS法などの違反被疑事案の調査補助を行なう)や、
 照会専門職(事業者からの相談対応)の要件となる資格。

サービス内容
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