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会計を経営に生かせないと真の経営者にはなれない〜稲盛和夫6つの教え

会計を経営に生かせないと真の経営者にはなれない〜稲盛和夫6つの教え
 京セラの創業者・稲盛和夫は、ダム経営を発案した松下幸之助の薫陶を受け、経理マンをとても重用した経営を心がける人です。稲盛は会計と経営を上手く混ぜて、後に多くの経営者が競うように学ぶことになる、アメーバ経営や稲盛会計学といった、面白い会社文化を作ります。キミアキ先生が、稲盛和夫の考え方をどう経営に生かせるか解説してくださいます。

会計が分からない人は真の経営者になれない

 今日は、「会計が分からなければ真の経営者にはなれない」、という少し厳しい言葉ですが、京セラの稲盛和夫さんの『実学』という本からお話していきます。

稲盛和夫の実学―経営と会計
稲盛 和夫
日本経済新聞社
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 経営学と会計学を結びつけてわかりやすく説明している本なので、皆さんにもぜひご一読いただければと思います。

 稲盛和夫さんが尊敬している松下幸之助さん(ご存知、現在のパナソニック創業者)の考え方で、ダム経営ってものがあるのをご存知ですか?

 簡単に言うと、経営者は常にヒト・モノ・カネに余裕を持って経営するべき、という考え方です。

 稲盛さんから松下さんに「どうやればダム経営が出来るんだ」って質問があったときに、松下さんが「ダム経営をする!と思うことがまず大事。決めることが大事なんだ」って感じで言われたそうでして。

 それで、今回の稲盛和夫さんは、「会計が分かるようになって、そして真の経営者になるんだ!」と決めたっていう経緯があるらしいです。

 会計がわかれば真の経営者になれるんじゃないか?!という、ワクワクするようなお話をしたいと思います。

稲盛和夫も松下幸之助も経理マンを重用した

 『実学』は20年くらい前の本で、古い本なんですよ。

 まだ売っているのかなと思ったら、Amazonで今も売っていまして、中古本だと1円本になってましたから、送料だけで手に入る状態です。

 この『実学』の良さというのは、会計をやった人にも凄く勇気を与えると思うんですが、序章が「私の会計学の思想」というもので、稲盛さんが考える会計学について触れています。

 本にも出てくる話ですが、稲盛さんが27歳で京セラを起こして、その8年後に50歳の経理部長を雇うことになって、この経理部長と会計のことを喧々諤々(けんけんがくがく)やりながら、自分なりの会計学というのが出来上がっていって、それが京セラの文化になっていくわけなんです。

 もともと稲盛さんが尊敬する松下幸之助さんも、経理マンをとても重用していたんですね。

 経理マンが「ダメ」って言った瞬間に、そのプロジェクト止めちゃうとかね。

 経理マンがすごく力を持っていて、会計をとても重視していたと言われています。

 稲盛和夫さんも松下幸之助さんが大好きですからね、会計と経営を上手く混ぜて、面白い文化を作っていったんでしょう。

稲盛和夫の教え1:値決めは「ギリギリの高値」

 まず、稲盛和夫さんの考える値決めの話からいきましょう。

 経営者たるもの「値決めは経営」なんだぞ!お前人に任せてねぇか?!みたいな感じでね(笑)

  値決めの仕方は「ギリギリの高値」にする。

 これが、稲盛和夫さんの考え方です。

 要するにここだったら売れる!でもコレ以上だったら、もう売れなくて在庫抱えるっていう、ギリギリの高値をしっかり考えなさいと。

 稲盛さんっていう人は製造業出身だったので、原価計算、つまり、作った値段っていうのをとても重視されていて、本の後半でその原価計算についてもかなり出てくるんですが、原価から売価を導き出すんではなくて、値決めは相手が買う、喜んで買うギリギリの値段をつけろよと、こう考えるわけです。

 本の内容といたしましては、経営の実践本であり、会計の実践本です。

 ですからこの『実学』が経理マンの入門書みたいなものです。

 実際に実務に就くときに会計屋というものは、稲盛さんのように制度会計っていうんですが、決まりのある会計に従っているだけではなく、疑問をたくさんたくさん持っていかないといけない。

 実際に実務では、会社が利益を出していくために、今のその制度会計っていう報告書の会計って使えないんですよ。

 だから社内では実際に何をやっているかというと、全く違う管理会計というものを別で作るんですよ。

 そしてそっちで判断していくっていうことをやっています。

稲盛和夫の教え2:売上は最大・経費は最小

 そして、稲盛さんの凄いところは、売上最大・経費最小を目指せと。つまり決めろですね、「こういう経営をする!」って決めろ!って。

 実務上はどうなるのかというと、売上を来期に今季以上にするとなると、どうしてもやっぱり経費がかかりますから、広告を打たないといけないとか、人も増やさないといけないとかね。

 その時に資金繰りは必ず先払いですから、絶対お金が無くなっちゃうんですよ。

 稲盛さんもきっと相当資金繰りには苦労したので、やっぱり売上を上げようと思っても、経費はとにかく小さくするっていう考えで経営していくって決めないと大変だよねとおっしゃっているんです。

 私も経営を習った時に、売り上げを伸ばし続けていこうと思ったら、粗利益の4割は利益としてとっておかないと、絶対に資金繰りが回らなくなるぞ!って習いました。

 本当にその通りなんですね。

 今は粗利益のだいたい2割を利益として残すのは、それほど中小零細企業でも難しくはないです。

 ですけれど、売上を伸ばしていくための経費は先出しですから、そうするとやっぱり4割くらいは残しておかないと資金が回らないと教えられました。

 だから結局経費を最小にしていくぐらいの気持ちが無いと、金が足りない足りない…足りない!ってなっちゃいます。

 みんなやっぱり苦労しているんですよね。

稲盛和夫の教え3:資金の流れを見える化する

 それから、稲盛さんは本当によく経理部長に疑問を投げかけるんですが、「お前儲かった儲かったって言ったって、支払いは銀行からお金を借りてこなくちゃいけないし、儲かったお金はどこに行ってるの?」って言うんですよ。

 つまり、現行のバランスシート(貸借対照表)を見たって、「金増えたって言っても全部他のものに変わっとるやないかッ」って(笑)

 売掛金とか、それからだいたいは在庫に変わっているものなんですけれど、つまりバランスシート(貸借対照表)を見たってね、よく分からんのですよ。

 だから、京セラさんはキャッシュフロー計算書をいち早く取り入れたんですね。

 ところがこれ、中小零細企業ではキャッシュフロー計算書っていうのを作ってあげても分からないんですよ。

 中小零細企業にはキャッシュフロー計算書というのはちょっと難しいかな…という感じです。

 私の場合はどうやっているかというと、もうシンプルにしています。

 会社にある現金預金から銀行借入金を引きます。それから支払うべき消費税も引いておきます。

 それを毎月チェックして右肩上がりになっていれば良し!という感じで単純にやっています。

稲盛和夫の教え4:従業員に決算書の中身を考えさせる

 そして、次に経営の話と経理と会計の話が出てくるんですが、素人にも分かりやすかったなと感じたのは、稲盛さんは社員に夜なきうどん売りをさせたんですね。

 1ヶ月5万円を渡して、うどんを自分で仕入れて売って来い!とね。

 リヤカー引いて、どうやったら売れるのか、実験させたと。

 あるいはバナナの叩き売りに使う棒とか、みかん箱とかは費用なのか資産なのか、そういうことについても疑問を投げかけて、これも経理部長と言い合うんですけれど(笑)

 これは結局、常に自分たちが見ている決算書っていうのを、そこまでみんな真剣になって見ていないんですよね。

 これは正しいのか正しくないのか、うちの会社はどういう風に考えるべきなのかって、そこまで考えていない。

 その辺がとても分かりやすかったので、ぜひ経営者の方には見て欲しいなと思いますね。

稲盛和夫の教え5:予算組みは売上予算のみ

 そして、予算組みの話です。

 予算組みで来期の予算を組んだ時に、計画通りに経費は増えるけれども、売上は増えない。

 これは私も稲盛さんの予算組みの本を読んでいたから、ずっと私のお客さんには経費予算は組ませないんです。

 基本的に売上予算だけ組ませます。

 そうしないと、本当に経費増えちゃうんですよ、計画通りに。

 ですから売上予算だけ組ませて、あとは獲得した粗利益の分配率が決まっているので、そうすると売上が増えない限り分配率は増やせないようにやってはいるんです。

 でも、どうやったって、やっぱり先払いの後もらいなので、増える経費予算を組まないようにしていても、実際のところ経費って増えちゃうな〜っていうのはありますね。

稲盛和夫の教え6:必要なものだけに真っ当なお金を支払う

 そして、単価が高かろうとも必要な分だけ買えっていうのは、これ実は中小企業でもあります。特に決算前ですね。

 利益が出たって言われると、何かしら買わなくちゃ!何かしら経費を作らなくちゃいけない!って追い込まれることがあるんですね(笑)。

 勘違いしちゃって「まぁいいや!先行投資だ!」「これも先行投資だ!」みたいな感じで余計なものまで買ってしまう(笑)

 消耗品系が多いんですよね。

 私がビックリしたのは、私の事務所に行ったら、コピーのトナーが山のようにあるんですよ(笑)

 山のようにですよ?!何十万円分っていう買い方をしていて。

 「アホや…税金対策だろうな。。」って思ったんですが、やっぱりね〜ああいうアホな使い方はしちゃいけませんね。

 稲盛さんっていう人は経営を本当に真剣に見ている人で、要するに必要な税金もちゃんと払うし、内部利用もちゃんとするっていう考えなので、単価が高くても必要な分だけを買っていくっていう、こういう考えの下でああいう立派な会社になったんではないかなと思いますね。


 こんな感じで、『実学』非常に安い本ですけれども、中身は非常に濃うございますので、会計をやる人や経営をやる人はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。



2017年4月12日

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