家族でさえ敵になる自営業〜奥さんを経理にすると上手く行かないのはなぜ?

経営

 商売をやっていると自分の奥さんや子供が、自分にとって敵となるケースがあります。特に、人件費が安いからという理由で奥さんを経理で使うと、経費の使い方を理解してもらえず、財布の紐を締められるケースが多々あります。会社が上手く行かない時は、更に旦那のダメ男ブリが鮮明になり…親戚一同総スカン。このような状態を防ぐ打開策はないのでしょうか?

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商売に行き詰まると家族でさえ敵になる現実

 今日は自営の方向けに、「商売に行き詰まると家族でさえも敵になる」というお話をします。

 まぁ実際のところは、そこまで行き詰まらなくても、商売をやっていると結構家族が敵になることって多いんですよね。

 悪化すると、カネカネカネカネ…カネ!の話で、本当に家族全員が借金取りに見えてしまうと。

 特に個人自営業でやっている方が、とかく家族を敵に回しやすい現実があるので、まずはここにフォーカスしてみたいと思います。

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経理が奥さんだとなぜ上手く行かなくなるの?

 個人でやっている個人自営業でメジャーどころと言えば、「店」を経営される方がとても多いです。

 それから「建設・工事」系の下請けをやっている方も多いですよね。

 「店」をやっているか、どこかの「工事関係の下請け」だ、というのがだいたい8割以上です。

 そうなると、この個人事業者に嫁いだ奥さんは、ほぼほぼ経理をやらされる、っていう傾向があるんですね。

 というのは、個人事業で誰が経理をやるかってなると、うちのお客さまで個人事業をやっているところも、やっぱり奥さんがやっていたり、それからお子さんがやっていたりっていうのが、結構あるんですよ。

 奥さんが経理をやりだすと、何が変わってくるかっていうと、やっばり、金の使い方を旦那さんがかなり制限されることが多くなります。

 それも仕事が減ってきたりすると、特に下請けの場合は、自分で仕事量をコントロールするなんて出来ませんからね。

 店の場合は売り上げって言っても、売り上げなんて“水もの”ですから、2月・8月なんてかなり落ち込んだりします。

 にも関わらず、奥さんが経理をやりだすとどうなるか?

 商売で1番大事な将来の売り上げに対する投資に関して、すさまじくストップをかける人が多いです。

 男女とかあまり言いたくないのですが、やっぱり女性の感覚としては「支出を減らす」っていう傾向があるんですよね。

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商売は「先払いの後もらい」支出を減らせばアガリも減る

 じゃあ、ちょっと本当におこがましいんですが、「支出を減らす」っていうことを冷静に考えてみましょう。

 商売は「先払いの後もらい」なので、「支出を減らすともらう部分も減る」っていうのが普通なんです。

 ところが、「もらう部分だけはたくさんもらって来い!」と言われるわけです。

 生活するのにお金ってどうしても必要なものですから、奥さんと子供総出で旦那を責め立てるとか、当たり前のようにあるんですよ(笑)。

 だから、泣いているお父さん多いんです!「娘までもが向こうにつきやがった(泣)」みたいなね。

 そんでもって二言目にはカネカネカネカネ。「金持ってこい!金持ってこい!」って。

 「金持ってこい!とか言う前にね、商売が頭打ちになってきてヤバイから、俺のことを手伝ったらどうなんだ!」って、これが正直なところですよね。

 やはり、そういうお金の使い方をしていると、当たり前ですが売り上げは先細りになりますし、取引先の数も増えることはありません。

 逆に、こうなることが分かっているから、将来に対する投資っていうのは必ずやるんです。

 そうしないと将来の売り上げは確保出来ないんです。

 理論的なものですが、顧客償却っていう概念がありまして、会社って何もしなければ売り上げが年間20%落ちてしまうんですね。

 私のyoutubeチャンネル登録者数に置き換えて考えてみると、今月は500人くらいの純増でした。

 純増ばっかりで考えると増えているようにも見えるんですけれど、その裏で今月だって170人以上登録者が減っているんですよ。

 それ以上に新規登録者が増えているから、純増では月間500人くらい増えているっていうことなんです。

 それくらい何もしないとお客様は減ってしまうんですから、何もしなかったらひっそり廃業するのも当たり前の話なんです。

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上手く行かなくなったら悪いのは…やっぱり親父!(笑)

 じゃあ、上手く行かなくなった時に家族はだれのせいにするかっていうと、やっぱり親父ですわな(笑)。

 親父のせい。

 「アンタがしっかりしないからこんな風になったのよ!!!」って責め立てられるわけです。

 そらぁ、「将来の売り上げに対する投資を一切させなかったのは一体だれなんだ!」って話になるわけですよ。

 お子さんに経理を任せている人もいますけれど、新規の開拓営業の金をお子さんたちが、その会社から出してくれるかって言ったら、絶対に出さないですよ。

 「そんな新規の開拓営業なんてしなくて良いから、売り上げあげろ!」って。

 凄いご都合主義で言われることが当たり前なので、そこでやっぱり金がキツくなってきて、結局は支出を止めるっていう方向に走っちゃうんですよね。

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奥さんに経理を任せるのは確かに安いけど…

 確かに、財布の紐を締める奥さんの気持ちも分からんではないですよ。

 旦那の使っている領収書を見るとね、金の使い方にただイライラするだけなんです(笑)。

 実際に我々が商売人の方に言うのは、奥さんに経理を任せるのは安いかもしれないけれど、結果的に離婚することになることだってあるんだよ、って話です。

 金の使い方なんて、お互いの言い分がありますから、お財布が一緒になれば、会社のお財布が夫婦げんかの元になるのも当たり前です。

 「私は自分の貯金だって、あなたの商売のために出してあげたのに、感謝の気持ちもなければ、あんたの好き放題に金使ってんじゃないのよ!」って、だいたいこんな感じでね〜(笑)

 どこの会社でも売り上げがあまり良くなくなってきたりすると、こうやってケンカしているもんなんです。

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多少ダメなところがあっても認めてあげてよ…

 商売がダメになってくると、男の場合は元々のダメ男ぶりが、より鮮明に見えてくるものなんですよ。

 大体、自営の男っていうのは理想の旦那みたいな感じではなくて、やっぱりダメなところも沢山あるわけなんですよ。

 お金の使い方ひとつ取ったって、気に入らない!って思ったら、もぉ〜ダメにしか見えなくて仕様がない!

 でも、夫婦なので似たり寄ったりでくっついたわけですから、そのダメ男を選んだのはあなただし、そんなね〜スーパースターみたいな男なんているわけないの!

 仕事バリバリ出来て、そして家事も出来て、子育てもちゃんと出来て…ってそんなのいねぇじゃんって。

 旦那側だって、完璧な奥さんを求めていないのと一緒で、多少ダメなところ有るんだから、ダメなところを認めてあげてよ〜!っていうのが私の気持ちなんです。

 そうじゃないとね〜、も〜本当に家族全員から「正論の総攻撃!」を受けていますからね。

 なおかつ、相手側の親もサラリーマンで、自営のことが一切分からないってなると、もう親まで付いてきてボコボコに攻撃されて、それに耐えなければいけない。

 元々のダメ男振りをガンガン責められてね、人のダメなところって目につきやすいじゃないですか。

 誰だって人を責めることなんて出来ますから、あんなのバカでも出来ますからね。

 そんなんにただただ耐えるわけですから、家に帰らない社長って意外といますよ。「家に帰りたくない」って。

 「どうせ家帰っても責められるばっかりだからっ」って。

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家族を敵に回さぬための打開策は「自分が休める仕組み作り」から始まる

 こういった事態を打開するには、実際のところ説得とかをしても、どうしようもないんです。

 実務上どうやってやっていくかというと、自分だけではなくてチームを組んで、シフト制かなんかでもっと回るようにして、自分がいなくても回るようにして、人が休みの日は自分が回すみたいな感じで、とにかく週2の休みをどうにかして確保する。

 実務はまずここから始めます。

 多少は収入が落ちたとしても週2の休みで家族を労ったり、そういうことをやっていくことによって、家族からの協力も得られるんですね。

 そうやっていかないと、本当に踏んだり蹴ったりで、凄まじく悩んでいる社長さんがかなりいるんです。

 規模が小さければ小さいほど悩みは大きくてね。

 もちろん、奥さん側にも言い分があるんですよ。「こんな自営の奥さんなんてたまったもんじゃない!」ってね!

 そう、みんなお互いに言い分はある。

 だけれども自営をやっているんだから、やっぱりみんなで協力するしかない。それしかないんです。

 そのためにはまず旦那さんが週2の休みをきっちりとれるようなチームを作る。

 これが実務的には1番最初にやれることじゃないかなって思います。

 
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タナカキミアキ

売らない営業マン タナカキミアキ

YouTubeチャンネル「キミアキ先生の起業酔話」で、
中小企業経営のこと、起業のこと、経理のことを、
顧問先法人100社・個人事業者50名を抱える現場目線で
お話しています。

所有資格:

日商簿記検定1級
全経簿記検定上級
全商簿記検定1級で簿記検定3冠王、
税理士
簿記論・財務諸表論で簿記4冠&簿財番長
宅地建物取引主任者
ファイナンシャルプランナー
かわいらしい秘書検定2級
普通自動車に普通自動二輪
みんなの安全を守る甲種防火管理責任者
珠算3級
よく分からん情報処理検定2級

…などプチ資格オタク

妻は「あおば会計税理士法人」代表税理士の田中朝代。

18歳の時に簿記1級のクラスで出会って、
15年後になぜか結婚しました。

中小零細企業の経営に関しては夫婦揃ってめっぽう詳しいので、
ガンガン講義やっていきます!

田中でよか人用 
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