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オリエンタルランドで非正規従業員が労組入りへ 企業側にメリットはあるか?

オリエンタルランドで非正規従業員が労組入りへ 企業側にメリットはあるか?
 東京ディズニーリゾートの運営母体である「オリエンタルランド」が、労使協議により非正規の従業員約1.9万人を、労働組合の組合員に加えることがニュースで話題となっています。とかく経営者に敬遠されがちな労働組合ですが、企業に労働組合が存在するメリットもあります。

オリエンタルランドが非正規従業員の労組加盟に合意

 徐々に春めいてきました。

 春といえば、企業と労働者が春の一戦を交える「春闘」の時期ですが、早速ホットなニュースが先週報じられました。

 東京ディズニーリゾートの運営母体である「オリエンタルランド」が、労使協議により非正規の従業員約1.9万人を、労働組合の組合員に加えることになったのです。

 憲法28条では「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」とあり、労働者側が主体となって2人以上集まれば、労働組合を作ることが許されています。

 2万人規模と言えば、中小企業の経営者にとって想像もつかぬ話題なわけですが、経営者1人、従業員が2人以上いる会社となれば、労働組合との折衝はもはや他人事ではありません。

 いつ、自分が労働組合と折衝するタイミングを迎えるか、ということは常に想定する必要があるでしょう。

 とはいえ、労働組合は労働者によって自主的に、非公然な形で組織が作られるため、経営者にとってみれば「自己主張が激しくて、いちいちうるさい。付き合ってられない。」とつい感じてしまう存在かもしれません。

 しかし、そうは言っても組合を作られたら、あとは、組合とうまくやっていくことを考えるしかありません。

 もっと言えば、組合が出来たら、どう彼らの機能を活かして、会社をプラスに持っていくか考えざるを得ないのが現実です。

 そこで本稿は、経営者の目線から見て、労働組合が会社にあることのメリットについて、多少強引なポジティブ目線で考えてみたいと思います。

企業に労働組合が存在する4つのメリットとは

1)ブラック企業化に対する抑止効果がはたらく

 労働組合が存在することで、セクハラやモラルハラスメントはもちろん、社内の不公正などを早期に発見することが可能になります。

 直近では、米国の配車アプリ大手・Uberが、辞めた社員からの告発により、社内のパワハラやセクハラを世間に大っぴらにされ、企業ブランドを激しく傷つける結果となりました。

 労働組合の存在は、経営陣が普段なかなか把握しきれない社内問題を吸い上げて、事が更に大きな火花を散らす前に、早期解決へ導くのを助けます。

2)団体として社員の管理がしやすくなる

 労働組合に参加する社員は、自分たちの雇用・報酬・福利厚生を改善するため、団体で労使交渉を会社に申し込みます。

 従って、会社としてはこれらの待遇について一括で交渉を行うことで、労務管理も一律で行いやすくなるメリットをもらえます。

3)安易な雇用に対する抑止効果がはたらく

 これはデメリットと表裏一体なのですが、とにかく労働組合は強い自己主張を行います。

 特に、自分たちの雇用を守るため、とことん自分たちの不利益を排除する主張を労働組合は繰り広げます。

 一度折衝した経験のある方ならご理解いただけるでしょうが、日本の法律は労働者保護の視点に立ったものであり、一旦リストラを決行すると決断すれば、企業が金銭的に譲歩せざるを得ないのが現実です。

 労働組合の存在は、雇用に関する揉め事で争いたくない経営者にとって、安易な雇用を避ける抑止力となります。

4)人材の確保に一定の効果がある

  労働組合が、賃金や金銭的給付の引き上げ交渉に加えて, 待遇改善交渉を行うによって、労働者の離職率を低下させる効果を持ちます。

 離職率の低下は, 仕事に慣れた労働者が増えることであり, 企業は新たな採用や訓練のコストを抑制することができます。

 この問題の専門家であるリチャード・B. フリーマンは、組合の存在による離職率低下は, 40%の賃金上昇の効果に相当すると試算しています。※

 開かれた会社というイメージにも、労組の存在は一定の効果を及ぼします。

人材難と離職率低下を防ぐ上で労組との上手な付き合いは避けて通れない

 今回、オリエンタルランドが労使交渉で出した答えは、深刻な同社の人材難を浮き彫りにしたものです。

 オリエンタルランドは、バブルが弾けた後もレジャーランドとしては一人勝ちの状況、破竹の勢いで業績を伸ばし続け、夢の国というブランドのもとで、優秀な人材を確保することにも成功してきました。

 しかし、2010年前後から、アルバイトの給与待遇や雇用形態に対して、労働者から不満の声がマスコミを通じて上がるようになりました。

 結果として社内外から「夢を文句に安価で人を雇い入れ、善意を搾取する会社」とバッシングを受ける形となり、働きがいのみならず、実際の果実を分け与える活動にも力を入れるようになった経緯があります。

 労使交渉により、19,000人の非正規従業員の時給が一律で30円上がれば、それだけでオリエンタルランドは、年間で1億円以上の人件費アップを要することになります。

 それでも、非正規従業員の定着率を高めることのほうが、同社にとってメリットが大きいのでしょう。

 考えてみれば中小企業の多くは、もっと深刻な人材採用難の問題を抱えています。

 今回オリエンタルランドが、労使交渉で非正規従業員の労働組合参加を認めたことの影響は、今後規模の大小無く、多くの企業の人事判断や労使交渉に影響を与えるはずです。

※リチャード・B. フリーマン:労働組合の活路

Photo credit: HIRAOKA,Yasunobu via Visualhunt.com / CC BY-ND

2017年3月20日

春闘 オリエンタルランド ディズニーランド 離職率 給与待遇 雇用形態 経営者 非正規 従業員

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