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大原達朗
大原達朗アルテパートナーズ株式会社代表取締役/公認会計士・税理士・JMAA認定M&Aアドバイザー

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どうなる東芝?!現状を客観的に整理するとほぼ勝負ありなワケ

どうなる東芝?!現状を客観的に整理するとほぼ勝負ありなワケ
 業績不振で揺れる東芝の救済策が連日のように報道されています。しかし、原発ビジネスの肝・ウェスティングハウスが法的整理に向かうことが報道され、状況は非常に厳しいところまで進んでいます。有力視されている産業革新機構による支援にも疑問符が付いており、客観的に見て東芝にはビジネスを継続しようにも何も残らない状況となる可能性が高まっています。

東芝原発ビジネスの肝・ウェスティングハウスが法的整理へ

 先週の朝日新聞で、東芝の2016年4~12月期決算の発表が、また遅れる可能性があるとが報道されました。

 上場廃止にはならず特設注意市場銘柄のまま、法的整理もされる気配なくここまで来た東芝の経営ですが、原発ビジネスの中心の1つである、ウエスティングハウスがチャプター11、いわゆる法的整理に向かうことがわかったのが大きな要因です。

 東芝はウエスティングハウスの扱いについて連結を除外し、これに応じるかのように債権者は東芝の格付けを下げる形で、一気に動きが出ています。

 同時にウルトラCとして、東芝を救済するために産業革新機構が動くのか、という点についても注目が集まっております。

 そこで本稿は、産業革新機構が東芝を救済する可能性を含め、東芝の状況を客観的に整理してみたいと思います。

産業革新機構は果たして東芝を救済できるか?

 産業革新機構とは2009年に官民協同で、先端技術や特許の事業化を支援すること等を目的として設立された投資ファンドです。

 産業革新機構の出資比率を見ると、全体の出資額約3,000億に対して、内訳は政府から2,800億円強、民間はわずか240億円規模しか出資を行っておりません。

 つまり、産業革新機構が出資を行う場合、税金で90%以上が賄われることになります。

 言葉を変えれば、産業革新機構の出資が失敗した場合、その担保となるのは国民の税金です。

 そのような意味で、産業革新機構はもともと企業救済機構としての要素が少なく、それは同機構のHPでも明記されています。

 産業革新機構が投資する際に重視するポイントは、以下の2点です。
  • 1)オープンイノベーション(企業内部と外部のアイデアを有機的に結合させ、価値を創造すること)であること
  • 2)原則的に小規模から大規模(数百億円程度)までの案件であること
 これを前提に投資先リストをみていくと、たしかに上記2点に該当するような投資が多いことが分かります。

 ただし、例外として目を引くのが、ジャパンディスプレイとルネサスです。

 両社とも業績不振企業でしたし、両者への出資は1,000億円を超える規模で行われました。

 この2社がそもそも「革新」「オープンイノベーション」目的なのか、そして、なぜ1,000億円を超える当初の出資想定額を大幅に超えて出資がされたのが分かりませんので、はっきりとした答えは出せません。

 このうち、ジャパンディスプレイについては、2,000億円、750億円条件の2回の資金提供をしています。

 2012年の投資時にはジャパンディスプレイは売上5,000億円程度、総資産が6,000億円程度の会社でした。

 対して、東芝は売上、総資産ともに5−6兆円で推移している企業で、ジャパンディスプレイの10倍くらいのサイズです。

 救済するとしても、兆単位の資金が必要でしょうから、そもそも産業革新機構で救済できるレベルのサイズでないというべきでしょう。

 上限数百億円で、2,000億円までは特例、など言い訳は出来るかもしれませんが、兆の単位になるとそれも難しいと考えるのが自然だと思います。

 実際に産業革新機構の投資能力は最大でも2兆円程度までと見積もられており、国が救済するのであれば、産業革新機構ではなく別のルートを使うことを考えざるを得ないのではないでしょうか。

 ただし、現実的には産業革新機構以上に有力な資金調達先は無いのが現実です。

自力の再生をしようにも何も残っていない…

 それでは、東芝が自力で企業として再生できるのか?という点についても考えてみましょう。

 東芝はこれまで、メディカル、半導体事業など稼げるビジネスを切り売りし、なんとか原発を含む重電ビジネスを継続しようとする動きを取ってきました。

 それに対して、今回のウエスティングハウスが法的措置を取らざるを得ないことで、負債総額は従来の7,000億規模から1兆円規模に膨らむと予想されています。

 しかも、ウェスティングハウスを事実上の切り離しをせざるを得ないとなると、東芝には本当に何も残りません。

 この路線でいえば、法的整理、当然上場廃止の可能性もあがってきます。

 普通に考えれば、法的整理をして、半導体事業など稼げる可能性のあるビジネスを残し、再生を図るのが自然です。

 しかし、何らかの理由により、それとは別の方向に動いていた東芝も、さすがに限界が近づいているのかもしれません。

 何らかの理由とは、この常識的な方法と違うことをやることによって得をする誰かがいる、ということなのでしょうが、情報筒抜けの今の世の中、いつまでも誤魔化しは通用しません。

 そもそも東芝にかかるリーク記事も最近だけでもどれだけあったのか…

 都合のよい情報だけうまく利用し、悪いことを隠そうとしているのあれば、長続きはしないでしょう。

Photo credit: MIKI Yoshihito. (#mikiyoshihito) via VisualHunt.com / CC BY

2017年3月14日

ウェスティングハウス 東芝 企業救済機構 革新機構

大原達朗
大原達朗アルテパートナーズ株式会社代表取締役/公認会計士・税理士・JMAA認定M&Aアドバイザー

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