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中途半端なタックスヘイブン活用は脱税で訴えられる要因

中途半端なタックスヘイブン活用は脱税で訴えられる要因
 タックス・ヘイブンは節税手段の1つだ。しかし目先の利益や身内のためにタックスヘイブンを利用した税金逃れを行うと、思わぬしっぺ返しを喰らうことになる。所得税は、「居住している国」の法律が適用されるが、日本国籍を有する場合、「生活の本拠」としての実態も海外に移さねばタックスヘイブン節税は脱税となってしまう。

タックス・ヘイブンが放つ光と闇を知る

 タックス・ヘイブン(Tax haven)とは、直訳すれば「税金の避難所」、つまり居住者に対して所得税などの納付を課していない国や地域のことを指す。

 多くの富裕層が、海外のタックス・ヘイブンを利用して自分の資産を守ろうとしていることは貴方もご存知だろう。

 例えば、地方税・住民税・消費税がかからない香港、相続税や住民税のないシンガポール、銀行預金の金利が高い国などを利用し、世界の億万長者たちは、世界を股にかけた節税対策を行う。

 一方でタックス・ヘイブンは、違法薬物や裏金、脱税など、「不浄な資金」を隠すためのマネーロンダリングが行われているとして、その悪用が世界の金融市場で問題を引き起こしているのも現実だ。

タックスヘイブン節税が脱税とされたケース

 日本の富裕層も海外のタックスヘイブンを利用して節税を行っているが、度が過ぎたタックスヘイブンの利用は、大きなしっぺ返しをもたらす場合がある。

 今年2月に接着剤メーカー「スリーボンド」の元会長は、東京国税局の税務調査によって、20数億円申告漏れを指摘された。

 元会長は、シンガポールや香港の子会社から一年間に数億円の役員報酬を受けていたが、5年以上海外に「居住していた」として、日本国内には所得を申告していなかった。

 しかし、国税庁の調べにより、元会長は一年のうち半年以上は日本に住んでいることが判明した。日本の所得税法において同元会長の「生活の本拠」は、日本国内であると判定されてしまった。

 さらに「”知り合いの女性”にプレゼントした」と言われる、マンション、宝石、貴金属についても、加算税の加わった贈与税が課税される顛末となった。泣きっ面に蜂状態である。

 所得税は、「居住している国」の法律が適用されるが、日本国籍を有する場合、単なる所在地だけではなく、「生活の本拠」としての実態がどうであるか、中身を国税庁に厳しくチェックされることになる。

 家族や愛人が日本で暮らしてるようであれば、日本国の所得税がかかることを忘れないようにしたい。

節税のつもりが脱税で思わぬ損失くらう事も

 スリーボンド元会長の事例からもわかるように、目先の利益や身内のためのタックスヘイブンを利用した税金逃れを行うと、思わぬしっぺ返しを喰らうことになる。

 もし、裁判で争って勝てたとしても、長期に渡る係争コスト、社会的信用の失墜など、大きなダメージを伴う。

 決められたルールに従いしっかり納税しながら、顧客と真摯に向き合う中でビジネスチャンスを活かしていく事こそが本来の姿であり、結果的には最大の節約につながる。

 タックスヘイブンを利用するなら、元サッカー選手の中田英寿やF1ドライバーの佐藤琢磨、テニスプレーヤーの伊達公子のように、グローバルな環境で正々堂々とチャレンジして、いつかはモナコに住める日を目指していこうではないか。

2015年5月13日

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