自転車通勤を会社で導入する5つのメリットと気をつけたい5つの点

労務

 昨年の10月にヤフージャパンが、通勤10km圏内に住む人へ自転車通勤を許可し、実際に自転車通勤をした人に月額5,000円を支給する制度を開始するなど、自転車通勤を奨励する企業が増えています。そこで本日は、自転車通勤を会社で導入する5つのメリットと気をつけたい5つの点をご紹介いたします。

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なぜ自転車通勤のビジネスマンが増えてるの?

 東京では、自転車に乗って通勤する人を見かける機会が増えてきました。

 また、企業でも自転車通勤を奨励する動きが出始めています。

 たとえば、昨年の10月にヤフージャパンは、通勤10km圏内に住む人へ自転車通勤を許可し、実際に自転車通勤をした人に月額5,000円を支給する制度を開始しました。

 また、スーツ業界大手の青山商事は、自転車通勤に最適で、高い耐摩耗性と動作性を兼ね備えたスーツを昨年から販売し始めています。

 満員電車に乗るのはもう嫌だ!という考えを持つビジネスマンや、自転車を運転することが健康に与える価値を重視したビジネスマンも増えており、これらの動きは彼らの後押しをするものとなっています。

 更に自転車通勤が盛んになったもう1つの理由は、自転車通勤の移動手段としての柔軟性です。

 警察庁の発表によると、東日本大震災以降、節電意識や交通機関のダイヤの乱れに影響されない自転車通勤が増えています。

 自転車通勤が増え、今では「自転車ツーキニスト」という造語も違和感なく使われるようになりました。

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自転車通勤制度を導入する5つのメリットとは

 それでは、企業が自転車通勤を制度として導入することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

 本日は主だったものから、5つのメリットをご紹介したいと思います。

1)社員の健康度を向上させることが可能になる

 まず、自転車通勤は労働者の体力づくりの一環にもなるので、健康経営の一助となります。

 各種の発表から肥満は病気の原因になることもわかっていますが、糖尿病や高血圧、心筋梗塞や脳梗塞、脂質異常症や睡眠時無呼吸症候群など、肥満が原因で起こる病気は数知れず。

 特に睡眠時無呼吸症候群は、昼間に眠たくなってしまったり、判断力や集中力を欠いてしまったりすることでも知られている病気であり、ニュースでも多々報じられるように、時には人を巻き込む労災事故につながってしまうこともあります。

 肥満を改善するためには、食生活の見直しだけではなく、毎日の適度な運動も必要です。

 自転車通勤制度を導入・使用することは、通勤時間を活用して労働者の健康度を向上させる上で賢明な健康経営の施策と言えます。

2)社員のストレス発散やモチベーション向上に期待できる

 自転車通勤による適度な運動はストレスの発散につながるので、労働者は心を健康に保ちやすくなります。

 その結果、仕事へのモチベーションの高まりや生産性の向上が期待できます。

 自転車を活用することで、通勤時の満員電車などでの疲れから解放されますから、社内の活気が良くなることも期待できます。

3)会社の交通費や車両維持費のコスト削減につながる

 会社で借り上げている通勤用の駐車場が不要になったり、通勤のためのガソリン代の支給が大幅に減ったりすることで、費用削減につながります。

4)環境を保護する企業として社会的なアピールが可能になる

 自転車通勤が増えることで、企業全体での二酸化炭素の排出量が削減でき、社会に対してもエコ意識の高い企業と認識されやすくなります。

 地球環境大賞などのエコな団体(企業も含む)を表彰する制度で賞を受賞すれば、企業としての社会へのアピールにもつながります。

5)ダイバーシティ化で多様な人材を集めるきっかけ作りが可能

 いわゆるブラック企業に人が集まりにくいのに対して、社会から評価されている企業には優秀な人材が集まりやすくなります。

 生産年齢人口が減少している今だからこそ、優秀な人材を少しでも多く採用したいというのは、どこの企業でも同じではないでしょうか。

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自転車通勤を社内制度で導入する際に気をつけたい5つのこと

 自転車通勤を制度として導入することには、このようにたくさんのメリットがあります。しかし、自転車通勤制度を企業として導入するには、いくつかの注意点が必要です。

1)駐輪場の確保を行う

 労働者が会社へ通勤するための自転車通勤の制度を作るにあたって、駐輪場の確保を心がけましょう。

 オフィス街で駐輪場を必要な数だけ確保できるのか、駐輪場の費用は誰が負担するか、自転車通勤が自転車を放置した場合の撤去料などは労働者本人が負担する、自転車通勤での経路の確認などは事前にしておく必要があります。

2)自転車通勤に関する社内規定を定める

 特に、悪天候の場合は別ですが、労働者のその日の気分で自転車通勤か、それ以外の方法での通勤かを選べるようにしてしまうと収拾がつかなくなります。

 労災事故(通勤災害)や通勤交通費の問題も出てきますので、自転車通勤に関しては事前の届出制もしくは許可制にしたうえで、それぞれについて、事細かな規定を設ける必要があるでしょう。

 また、自転車のメンテナンスに関しても規定を設けておいたほうが、警察の取締強化に基づくトラブルを防ぐ意味で賢明です。

 自転車通勤を導入する際には、きちんとルールを整備しておくことが肝要です。

3)ルール違反をした社員に対する処遇を決める

 また、会社に電車やバスでの通勤を申告して通勤交通費を得ていた労働者が、実際には自転車通勤をしていた場合の対応なども決めておきましょう。

 もし、通勤交通費は実費支給というルールの会社であれば、実際に使用していないバスや電車の代金は支給する必要はありません。

 仮に支給してした後で事実が判明した場合には、不当利得の返還義務(民法703条)の規定によって、返還させることができます。

 また、そのような場合に不正をした労働者に対して懲戒処分をするのであれば、就業規則などに事前に明記し、周知徹底させておかなければ規則が効力を発揮しない点にも留意してください。

4)自転車通勤する社員へ保険加入を義務付ける

 もし、自転車通勤をしている労働者が保険などに加入していなかった場合、使用者責任が問われることもあります。

 過去には、加害者に対して賠償命令が出た事例もありますので、注意が必要です。

5)通勤費の非課税額変更がある場合は経理に報告させる

 通常の給与に加算して支給する通勤手当は、一定の限度額までが非課税とされています。

 しかし、電車やバスを使用する人と自転車通勤者の通勤手当に関しては、1カ月あたりで非課税になる限度額が変わります。

 通勤方法が変わった社員には必ず経理部へ連絡させてください。

 以上の注意点を守って、自転車通勤のメリットを賢く享受してみるのは如何でしょうか?

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株式会社iCARE

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 株式会社ライトアップ 松岡 matsuoka@writeup.co.jp
 株式会社iCARE 片岡 k.kataoka@icare.jpn.com
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