無料レッスンや無料試食会にかかる費用は交際費と広告宣伝費どちらに計上する?

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 新規・既存問わず、集客に意欲的な経営者や個人事業主の方の中には、無料レッスンや無料体験学習、無料試食会を開いて、集客を行われている方もいらっしゃることでしょう。これらにかかる費用は一見すると顧客に対する接待にかかる費用として、交際費として処理するものと思われがちですが、交際費には損金算入の上限があります。そこで活用するのが広告宣伝費です。

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無料講習・試食会は主催側に費用が発生する

 新規であろうと既存であろうと、集客に意欲的な経営者や個人事業主の方の中には、無料レッスンや無料体験学習、無料試食会を開いて、集客を行われている方もいらっしゃることでしょう。

 しかしながら、無料講習を開けば主催側には必ず費用が発生します。
 
 たとえば、レストランが新メニューを開発した時に、それをリピーターの顧客に評価してもらうため試食会を開けば、少なからず原材料代が費用として発生します。

 もしも高級食材を使えば、原材料代もバカになりません。

 ピアノのレッスン教室が無料講習を開催すれば、教材代が発生するでしょうし、顧客がまだあまりおらず、間借りして無料講習するならば、場所代がかかるはずです。

 定期的に無料講習を行えば、この費用もバカになりません。

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無料講習・試食会にかかる費用は広告宣伝費として損金算入せよ

 この費用は一見すると、顧客に対する接待にかかる費用とみなして、交際費として処理するものと思われがちです。

 しかし、特に法人の交際費には損金算入の上限があるため、注意しなければ損金算入できなくなります。

 更に言えば、特に個人事業主の方の一部は、これらにかかる費用を、あまり費用として意識していない方もいらっしゃるようです。

 もしも、これらの無料講習を行った際は、かかる費用を広告宣伝費として、全額損金に算入することが可能です。

 なぜなら、これらのイベントは、商品の善し悪しを顧客に判断してもらったり、自社商品を顧客に認知してもらうことを目的として行うものだからです。

 この他にも集客を目的として行った、

  • 抽選により、一般消費者に対し金品を交付するための費用又は一般消費者を旅行、観劇などに招待するための費用
  • 金品引換券付販売に伴って一般消費者に金品を交付するための費用
  • 一定の商品を購入する一般消費者を旅行、観劇などに招待することをあらかじめ広告宣伝し、その商品を購入した一般消費者を招待するための費用
  • 商品を購入した一般消費者に対し景品を交付するための費用
  • 工場見学者などに製品の試飲、試食をさせるための費用
  • 得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用
  • 製造業者や卸売業者が、一般消費者に対して自己の製品や取扱商品に関してのモニターやアンケートを依頼した場合に、その謝礼として金品を交付するための費用

 これらは全て広告宣伝費として損金算入が可能となります。

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広告宣伝費の支出は顧客獲得への投資を意味

 SNSを見ると、スーパーマーケット、レストラン、ヨガスタジオ、ピアノ教室、ウェブ活用セミナー、習字教室…ありとあらゆる業種で、無料講習が行われている様子を伺えます。

 その様子が、ホームページやインターネットで拡散されれば、とても良い販促活動になることでしょう。

 当然、収入が見込めない無駄打ちなら、無料講習や試食会を開いたところで意味はありませんが、顧客獲得に一定の投資をしなければならないのは事実。

 意義あるセミナーで、これから集客に力を入れようとしている方がいるなら、上記の知識を覚えておいて損は無いでしょう。

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