〜あぁ無情〜相続税の申告ミスをした人に課せられる4つのペナルティ

相続税

 相続税には「申告」と「納付」の期限があり、それは「被相続人が亡くなった日から10ヶ月後」とされています。万が一、相続税の申告および納付を行うことができず、期限が過ぎてしまった場合、相続人には手痛い「附帯税」というペナルティが待ち受けています。程度別に違う4つの附帯税をご紹介いたします。

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相続税の「申告」と「納付」期限〜忘れたら待ってるのは手痛いペナルティ

 税金には、共通する2つの決まりごとがあります。

 1つめは、税金には原則として、

  • 申告
  • 納付

 という2つの義務が存在することです。

 2つめの決まりごとは、これらの定められた期限を過ぎるとペナルティが与えられるということです。

 確定申告を例にあげれば、毎年3月15日までに所得を「申告」し、原則的として同じ3月15日までに所得税を「納付」しなければなりません。

 この期限を過ぎると、附帯税というペナルティが加わります。

 同じように、相続税が発生した場合においても、「申告」と「納付」には期限が定められています。

 相続税が発生した場合の申告と納付の期限は、

  • 被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内

 と定められており、実際の手続きでは「被相続人が亡くなった日から10ヶ月後」が申告と納付の期限とされています。

 10ヶ月と言えば、お亡くなりになられた方の家の整理を済ませ、49日法要も終わって、それからだいぶ後のことのように感じます。

 ところが、現場で相談を受けていると、10ヶ月が過ぎようとする直前で駆け込みの相談を受けることが非常に多いのです。

 さて、万が一、相続税の申告および納付を行うことができず、期限が過ぎてしまった場合には、やはり附帯税という手痛いペナルティが待ち受けています。

 それは、罰金と言っても良いもので、申告と納付が遅れた相続税額に一定の率を乗じた金額として、相続税とは別に支払う必要が生じます。

 そこで本稿は、相続税の申告と納付の支払期限を過ぎてしまった際の状況別に、課される4種類の「附帯税」をご紹介致します。

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相続税の「申告」と「納付」期限を過ぎた場合に待ち受ける4種類の附帯税

 

1)無申告加算税

 無申告加算税は、相続税申告書について「うっかり出し忘れ」た場合に課される附帯税です。

 相続税申告書を提出せず、自ら出し忘れを申告した場合は、附帯税の率が相続税額の5%で済みます。

 ただし、税務署からの指摘を受けたり税額を決定された後に無申告が発覚したならば、加算金の負担は以下のように膨れ上がりますので、十分ご注意を。

  • 50万円以下:15%
  • 50万円以上:20%

 

2)過少申告加算税

 過少申告加算税は、

  • 申告期限内に申告書は提出した
  • ただし、申告書内の税額が少なく計算されていた

 という場合に課せられる附帯税です。

 この場合に与えられるペナルティの内容は、追加して納付しなければならない金額に対して、原則として10%の率を乗じた附帯税が課されるというものです。

 ただし、

  • 期限内に申告した額
  • 50万円

 のどちらか大きい金額をオーバーする部分では、15%の率が乗じられることになり注意が必要です。

 とはいえ、このペナルティは、税務署から指摘を受けるより先に、自ら過少申告分の金額を追加申告した時には課されません。

 「少ない!」と気づいた場合は、早め早めの対応が重要ということです。

3)重加算税

 重加算税は、名前の通り「罪が重い」場合に課せられる附帯税で、わざと被相続人の財産を隠ぺいしたり、事実を偽って過少申告した場合に与えられる厳しいペナルティです。

 この場合、

  • 申告書は提出している(過少申告のケース)⇒追加税額の35%
  • 申告書を提出していない(無申告のケース)⇒納付税額の40%

 が課されます。

4)延滞税

 延滞税は10ヶ月の期限を過ぎて、相続税の納付が遅れて行われた際に、その遅れに対する「利息」の意味を持って課される附帯税です。

 延滞税の割合は、特例により市中の金利に連動する仕組みになっています。
昨今では、金利がマイナスになる程の市場の状況を反映して、延滞税の割合は加算税に比べてそう高くない水準にとどまっています。

 現時点では、期限から2ヶ月以内は相続税額に対して年2.7%(平成29年1月1日から平成29年12月31日までの期間)、それ以降は相続税額に対して年9.0%(同上)という率で、延滞税が課されることになっています。

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無申告加算税が加算されない場合もある

 さて、いずれの附帯税も決して支払いたいものではありませんよね。

 特にうっかりの申告忘れで生じる「無申告加算税」で、最大20%支払わねばならないというのは、かなり辛いものです。

 そこで国税庁も「鬼の目に涙」とばかりにか、以下3つの要件を満たす場合は、加算税を課さないとしています。

 3つの要件とは、

  • 自主的に期限後1ヶ月以内に申告を行い
  • 納付税額は期限内に全て納付し
  • 過去5年の間に無申告加算税又は重加算税を課されていない

 というものです。

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平成29年から加算税のルールが強化された

 平成28年度税制改正によって、平成29年1月以降が期限となっている国税より、上の1)2)の加算税に関するルールが少し厳しくなり、

  • ・税務調査が実施されるという通知が納税者になされた後
  • ・更正・決定(税務署が追加納税額を決めること)を予知して申告を行った

 場合には、たとえ自主的な申告であっても、

  • ・無申告の場合⇒10%
  • ・過少申告の場合⇒5%

 の加算税を課すこととなります。

 「期限後申告や修正申告は調査の通知が来てからでは遅い」ということです。十分ご留意ください。

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