5万円するディナーショーの費用は交際費や飲食費で落とせるか?

交際費

 年末の風物詩といえば、ディナーショーです。ディナーショーは安いもので一人1万円、高くなると一人5万円のチケットが発行されます。会社のおつきあいや忘年会を兼ねて、会社の費用でディナーショーに行こうとした時、これらの費用は経費で落とすことが可能なのでしょうか?また、高額なディナーショーは飲食費とみなされるのでしょうか?解説いたします。

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ディナーショーに行った費用は経費になる?

 年末が近くなると、ホテルなどでディナーショーが行われることが多くなります。

 ベテラン歌手からスポーツ選手まで、様々なショーが企画されています。

 今年はAKB48のセンターを勤める指原莉乃さんもディナーショーを行われるということで、ディナーショーへ向かう人の幅も中高年から若年層へ広がることが予想されています。

 さて、ディナーショーは安いものでも1万円台から5万円程度まで、チケット代はピンキリですが比較的高額です。

 これらディナーショーを見に行った費用は経費になるのでしょうか?

 一緒に行った相手先との関係別に考えてみましょう。

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得意先・社員・家族・愛人とディナーショーに行った場合の費用はどう処理される?

得意先と一緒に行った場合やチケットを渡した場合

 得意先を招待してディナーショーに行った場合、接待饗応が目的ですので交際費となります。

 チケットのみを得意先に配ったような場合でも、贈答品として交際費になります。

社内の人間と一緒に行った場合やチケットを渡した場合

 社内の人間のみで行った場合、いくつかの処理が考えられます。

○福利厚生費で処理できるか

 忘年会や歓送迎会、社員旅行など社内行事は福利厚生費として経費処理します。

 ですが、会社の行事としてディナーショーに行くというのは一般的とは言えません。

 もし福利厚生費としたいのであれば、

  • ・従業員の過半数が参加
  • ・費用が高額になりすぎない

 など、従業員の慰労を目的としていることを明確に説明できるようにすることが必要でしょう。

○会議費で処理できるか

 飲食を伴うミーティングは会議費となります。

 社内での会議費は金額的な基準も特にないため、常識的な範囲で判断することになります。

 そこから考えると、わざわざ高いチケット代を払ってディナーショーの場で会議をするというのは、無理があると言わざるを得ないでしょう。

○社内交際費

 ディナーショーの金額的な面を考えれば、社内の人間同士でも交際費として処理するのが一般的と言えます。

 ですが、交際費で処理すればすべてOKというわけでもありません。

 例えば高額なディナーショーに役員のみで行った場合はもちろん、社長とその家族で行った場合などはたとえ交際費で処理したとしても、役員賞与と認定される恐れがあります。

 社長が愛人を連れて行くなどは、問答無用で役員賞与しなければなりません。

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高額なディナーショーは飲食費で落とせるか?

 また、交際費となるディナーショーには一つの大きな問題点があります。

 それは“ディナーショーは飲食費にあたるか”という論点です。

 法人税を計算する際、交際費は大会社では全額、中小企業では年間800万円を超える部分が損金不算入とされています。

 ですが平成26年度の税制改正で「飲食のための費用のうち50%を損金算入できる」という規定が作られました。

 飲食費にあたれば、その半分を損金とすることができます。

 ではディナーショーはどうでしょう?

 「ゴルフや観劇、旅行等の催事に際しての飲食等に要する費用」は飲食費にはあたらないとされていることから、“ディナーがメイン”なのか“ショーがメインなのか”が問題となります。

 料理を食べているときに、音楽の演奏やショーがみられるというお店もあります。

 そういう場合は、あくまで料理がメインと思われますので「飲食費」となるでしょう。

 ですがディナーショーの場合、そのショーを見に行くことが目的と考えられます。

 特にチケット代が5万円など高額になれば、料理代よりショーに対する料金のほうが多く含まれているはずですので、飲食費とするのは難しいと思われます。

 これらを踏まえて、ディナーショーを楽しんでいただければと思います。

 ※50%損金の規定は外部者との飲食費のみに適用されますので、社内飲食費は除かれます。

Photo credit: Spiegel via Visual Hunt / CC BY

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節税 研究所

中小企業のおっさん社長です。

人生の緩やかな下り坂を、あくまでも安穏たる状態で下りんとするも、空気の読めない当サイト編集部に無理やり誘われ、不本意ながら参加と相成りました。

納税という義務を果たしつつ、持続のための資金を確保したい。

実証確認中の節税ハックや、気になったマーケティング戦略について、徒然なるままに言の葉で連ねていきます。

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