節約 社長
ショーン
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新しい働き方と雇用促進を実現するには解雇規制の緩和が必至だ

新しい働き方と雇用促進を実現するには解雇規制の緩和が必至だ
 「ワーク・ライフ・バランス」や「リモートワーク」「裁量労働制」といった、働き方の見直しに官民それぞれで動きが出始めています。一方で既存の労働諸法や労働価値観は、製造業が中心だった前時代のままであり、解雇規制の緩和を抜本的に行わねば、これらの動きも限定的なものとなり、雇用を増やすには至らないのが現実です。

働き方の見直しが官民で同時に起き始めている

 働き方の見直しに関して、安倍首相が本気で取り組もうとしているようです。

 企業側も「ワーク・ライフ・バランス」や「リモートワーク」「裁量労働制」などの取り組みにより、労働者に対して非常にプラスの印象を与えるため、この流れに乗ろうと必死です。

 更に進んだ企業では「1日6時間労働(スタートトゥデイ)」「週休3日制(ヤフー)」などの先進的な取り組みが、法整備に先駆けて行われており、各メディアでも大々的に取り上げられ、採用候補者たちに対する企業からの強いメッセージとして機能しています。

 そこで本日は、労働者の働き方が大きく変化しようとしている理由に触れながら、これから本当に雇用制度において緩和がなされるべき部分はどこか?という点について解説いたします。

既存の労働諸法と労働価値観は過去の遺産へ

 「なぜ、今これほど大きく労働者の働き方が変わろうとしているのか?」この疑問に対する答えは明快です。

 既存の労働諸法と労働価値観が、現在の労働実態に対して時代遅れなものとなっているからです。

 日本の労働法制は、「製造業で働く労働者の権利を保護する」ことを念頭に戦後作られたものであり、労働者の大半が製造業とその周辺産業で働く時代には十分に機能していました。

 しかし、戦後、特にバブル崩壊後の長い低成長時代に入り、製造業の就労人口は一貫して减少し続けています。

 つまり、製造業の工場ラインで働く人のみを念頭においた「1日8時間・週40時間の労働時間遵守」という労働諸法の前提は、知識労働者であるホワイトカラー中心の社会実態から大きく乖離しているのです。

 また、「決められた工程の中で、決められた手順に従い、単純工程を続けていく」という労働作業は機械に取って代わられ、労働の価値観も「作業時間=成果」から、「作業時間×集中力=成果」というものに変化し始めています。

 これを察知している企業が、いち早く既存の労働概念にとらわれない労働時間のリフレームを行い、新たな価値観による人事評価体制を作り始めているのです。

既存の解雇規制は経営者から正規社員の雇用を遠ざけている

 この化石のような労働諸法や価値観はすぐにでも見直されるべきであり、「リモートワーク」や「裁量労働制」についてもぜひ対応してもらいたいところです。

 さて、働き方改革といった場合にはどうしても、「労働時間」や「時間外手当て」「有給休暇の取得」などに焦点があたってしまいますが、これらを実行する以前に行うべきことがあります。

 それは「強力な解雇規制の撤廃」です。

 長時間労働の是正や、夫婦共働きでも子育てができる働き方の実現は、もちろん早期に実現するべきことですが、解雇規制が根本から見直されない限り、わが国の経済が復活することはありません。

 日本の正社員には非常に強い解雇規制が存在し、経営者が労働者を解雇するにはは合理的な理由が必要とされ、かつ、解雇することが社会一般的に相当な処置だと認められなければ、権利濫用として解雇を無効とされる可能性があります。

 これを「解雇権濫用の法理」と言いますが、これが非常に強力なため「企業は一旦人を雇ってしまうとなかなか解雇できない」という状態になっています。

 一見するとこの法理は、「労働者をきちんと守ってくれる良い制度」のように見えるかもしれませんが、現実には、経営者が正社員を雇うことに対して非常に慎重になるような作用しかもたらしていません。

  「正社員は一度雇うと解雇するのが難しい。だったら、できるところまで非正規雇用で間に合わせよう」

  「解雇できないのであれば、とにかく安い賃金で使い倒すしかない」

 このような状況を生み出しているのが、この強力な解雇規制なのです。

 フランスなどの労働党系が強い国なども同様の傾向にあるのですが、「とにかく弱者は保護しなければならない」と叫ぶだけの近視眼的な保護規制が市場経済を歪め、むしろ弱者の立場をより悪くするように働いているのです。

新しい働き方の促進と雇用の増加を実現するには解雇規制の緩和が必至

 このように労働者を解雇しにくい制度が回り回って、正社員を雇用しにくい状態を作っているのが今の日本です。

 既に正社員である人たちはこの制度を維持したいと思う一方で、この制度があるために正社員になれない若者達は大量に存在します。

 働き方改革の前にこの解雇規制を緩和しなければ、仕事のできない中年の労働者が既得権益で正社員として居座る一方で、能力や可能性がある若者達は非正規雇用でしか働くことができないという状態は解消されません。

 この国の貧困を作り出している悪しき制度は解雇規制なのです。

 解雇規制が緩和されない限り、多くの若者達は、昇給も望めず、ボーナスもない、さらには非正規雇用が長期化する中でいつの間に非正規雇用でしか働けない状態となり、どんどんと負のスパイラルに陥っていきます。

 経営者がいつでも好きなように首を切れる世の中にしよう、と言っているわけではありません。

 ただ、今の解雇規制はあまりにも行き過ぎています。

 アメリカ並の解雇規制緩和が実行されない限り、労働に対して適正な給与がもっと配分され、かつ、望まない非正規雇用が減少する社会の実現は困難でしょう。

2016年10月5日

解雇規制 新しい働き方 解雇権濫用の法理 安倍総理

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