ディズニーに堂々と経費で行っても税務署を納得させる要件

どうしても仕事をしていけば多少の「グレーな費用」は良くある話なのですが、外部の人間から見ても「ムムムッ?」と思われるような支出は、誰から見ても怪しまれます。例えばディズニーランドに経費で行くとするなら、税務署はどのレベルまで経費算入要件を求めてくるのでしょうか?考えてみましょう。
会計事務所でスタッフによく聞かれる質問は?
「これって経費になるんですか?」うちのスタッフの女の子にお客様の会計データ入力をお願いしているとき、よく質問されるセリフがこのフレーズ。
どうしても仕事をしていけば多少の「グレーな費用」は良くある話なのですが、外部の人間から見ても「ムムムッ?」と思われるような支出は、誰から見ても怪しまれます。
実際に様々なお客様の領収書やレシートをチェックしていると、「 これホントに仕事で使っているの?」という色んなものが出てきます。
もちろん、お仕事に使っているんだろうなぁというものがほとんどなのですが、なかには「これ、ホントに仕事に関係するのか???」というようなものまで出してくる人もいます。
特に起業して間もない方や経理の知識のない方は
「領収書さえあれば何でも経費にできる<(`^´)キリッ」
と大きな勘違いをしている人もいるようですが、領収書があれば経費にできるわけではないということは、肝に銘じておいた方が良いでしょう。
クレヨンしんちゃんのマンガからPS4まで何でも経費で落とす困った人達
というのも、おかしなタイトルの本がベストセラーになっているようですが、こういう本があると現場の人間としては本当に困るんです。
あらゆる領収書は経費で落とせる (中公新書ラクレ)
センセーショナルなタイトルがついていますが、こういうタイトルだけで勘違いしてしまう人がいるので勘弁してほしい。というのが本音です。
あくまで経費にできるのは仕事に直接関係のある費用だけで、プライベートの領収書をいくらかき集めてもダメです。
あと「少しは仕事の役に立っているけど・・・」程度ではダメですぞ!
「少しは仕事に役に立っているんだけどなぁ・・・」程度の費用では経費にすることは出来ません。
例えば
- ▼ クレヨンしんちゃんのマンガを読んで今の親の子供への接し方が勉強になったので研修費になる
- ▼ 中国服の方が文字が書きやすいから事務用品費になる
- ▼ 事務所に飾る絵画は消耗品費になる
- ▼ 従業員の接客態度の研修にディズニーランドに行ってきました♪ 研修費になるよね?
- ▼ 社長が不健康だと営業しにくいから、ラ〇ザップに行ってカラダ絞ってきました♪ 広告宣伝費になるよね?
- ▼ お客様がゲームが趣味なんで話し合わせるためにPS4を買っちゃいました♪ 交際費になるよね?
何度も言いますが、「経費=直接仕事に関係すること」というのが大原則です。
ちょっとくらいは関係する・・・なんて言い出してしまったら、それこそなんでもかんでも経費にできてしまいます。
そんなことを、お金にウルサイ税務署が「あ、いいっすよ~」なんて言うわけがないのです。
ディズニーランドの費用を経費で落とすなら「これくらいはやらんといかん」
とはいえ、「どうしてもディズニーランドへ行った時の費用を経費で落としたい」と考える方もいらっしゃることでしょう。否定はしませんし、やるんだったら徹底的にやりましょう!徹底的に仕事につなげる努力をしてください。
ディズニーランドのキャストの接客態度を、自社に活用するためのマニュアルを作って、営業に生かすための企画書を作りましょう。
どのような対応をすればお客様に喜ばれるのか、どのようなスタイルやマナーが評判が良くなるのか、ということを研究しましょう。
そして社員の皆さんが、ディズニーレベルの接客応対が出来るような社員教育計画をつくりましょう。
もちろん企画や計画を作るだけではダメです。
達成度などを、レベルに応じて評価するための基準や給与体系とリンクさせていくことも望まれます。
そして最終的に「ディズニーランドに行って視察をする」という目的でディズニーランドへ行きましょう。
もちろん、家族など会社に関係ない人たちを連れて行ってはダメですし、福利厚生費を利用するなら、おっさん5人の会社であれば、おっさん5人でディズニーランドに行きましょうね。
そして視察のあとには、どうやって会社に生かしていくかという報告書を作っておくようにしましょう。
このくらいやってくれれば、ディズニーランドの入場料を堂々と経費にしていただいて問題ないかと思います。
逆を言えば、そこまで仕事と関係ないな・・・と思うようなモノは経費にできないと思ってください。
会社が成長し偉くなっても一般の感覚を大切に
「少しでも経費が多い方が税金が安くなる」ということで、仕事とは関係ない支出まで経費にしようとする方がいます。このような考え方をしている方に共通するのは、いつまでたっても利益を上げていく体質を作り上げられていないことです。
「小さなズル」というモノは、必ずあとになって自分の身に降りかかってきます。
経費にできるかどうか迷った時には「一般的な感覚」を大事にしましょう。
自分の一般的な常識のなかで「これを経費にはできないよな・・・」と思うことがるはずです。
例えば、
- ▼ 家族で行ったファミレスの領収書
- ▼ 個人的なランニングシューズの購入費
- ▼ 友達といった居酒屋の領収書
家族でイタリアンに行った領収書を経費で落とした某都知事は、世間からどのような評価を受け、最後にはどうなったか?自分に置き換えて考えれば簡単なことです。
自分が持っている常識を大事にしていかないと、家族旅行に仕事の関係者を呼ぶなんていう「普通の常識では考えられないようなストーリー」を思いつくようになりますよ。
2016年8月26日