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舛添知事の公私混同問題は中小企業だったらどう扱われるのか?

舛添知事の公私混同問題は中小企業だったらどう扱われるのか?
 高額出張費や毎週末の別荘通い問題で、連日マスコミを賑わせている東京都知事といえば、舛添要一知事に他なりません。感情論はさておき、舛添知事が中小企業の経営者として同じ行動をとった場合、これにかかる費用を経費に算入することは可能なのでしょうか?3つの論点毎に税務のプロ、ショーンがまとめてくれます。

舛添知事が中小企業経営者だったらどうなる?

 高額出張費の指摘に続いて、公用車ので毎週の別荘通いが、連日マスコミを賑わせている東京都の舛添要一知事。

 知事として公費の使用ルールが遵守され、かつ、予算が確保がきちんとされているのであれば、(有権者がどう思うかは別にして)これは知事本人の問題というよりも、都議会のチェック機能の問題なのではないか?と個人的には思います。

 それはともかく、舛添知事を攻撃するための格好の材料が見つかったマスコミは、連日連夜頑張って特集を組んでいるようです。

 舛添知事が本件で辞職するかどうかは、私も含めて多くの社長様も「どうでもいい」と考えてらっしゃるかもしれませんが、この問題が実際に中小企業で起ったらどうなるのでしょうか?

 つまり、舛添知事と同じことを中小企業の経営者がやったとして、経費として認められるか?という観点で整理してみたいと思います。

1)海外出張費が高額でも経費に算入できるか?

東京都の舛添要一知事(66)の場合、昨年2月の就任以来、6回の海外出張で5カ国を訪問し、その費用は1億5600万円に達した。1回あたり2500万円以上の計算になる。さらに今年度は、予算に1回の出張が5000万円に相当する2億4000万円の出張費を計上しているという。この1年、「都市外交」を掲げて精力的に海外を飛び回ってきた、舛添知事の渡航先とその費用は次の通り。
〈2月 ロシア・ソチ/4日間/約3150万円〉
〈4月 中国・北京/3日間/約1100万円〉
〈7月 韓国・ソウル/3日間/約1000万円〉
〈9月 ロシア・トムスク/6日間/約2400万円〉
〈9月 韓国・仁川/3日間/約1030万円〉

週刊新潮2015年4月2日号より引用

 1回の海外出張に数千万・・・もちろん飛行機はファーストクラスで、お泊まりはホテルのスイートルームなんでしょうね。どうやったら数日間でこの費用を使うことが出来るのか、むしろそっちの方が気になります。

 海外出張にここまでの費用をかけられる中小企業はないとは思いますが、飛行機のファーストクラスやホテルのスイートルームは、経費として果たして認められるのでしょうか。

 国税庁の通達ではこのように記載されています。

(海外渡航費)
9-7-6 法人がその役員又は使用人の海外渡航に際して支給する旅費(仕度金を含む。以下この款において同じ。)は、その海外渡航が当該法人の業務の遂行上必要なものであり、かつ、当該渡航のため通常必要と認められる部分の金額に限り、旅費としての法人の経理を認める。したがって、法人の業務の遂行上必要とは認められない海外渡航の旅費の額はもちろん、法人の業務の遂行上必要と認められる海外渡航であってもその旅費の額のうち通常必要と認められる金額を超える部分の金額については、原則として、当該役員又は使用人に対する給与とする。

(注) その海外渡航が旅行期間のおおむね全期間を通じ、明らかに法人の業務の遂行上必要と認められるものである場合には、その海外渡航のために支給する旅費は、社会通念上合理的な基準によって計算されている等不当に多額でないと認められる限り、その全額を旅費として経理することができる。

国税庁ホームページより引用

 「業務遂行上必要なものであれば認められる」となっており、基本的には架空計上や、明らかにおかしい金額(通常の倍以上など)ではない限り認められると考えられます。

 「役員クラスは搭乗時間が12時間を超える場合、ファーストクラスが利用できる」などの社内規定を定めておくと、税務署もそれ以上は突っ込めません。

 ただし、家族旅行を出張費として経費にするなどのセコい方法は、時期や搭乗券の内容からすぐに見抜かれますのでやめましょう。あくまでもビジネスとしての出張であれば問題ないと考えてください。

2)別荘での公務実施費用は経費に算入できる?

舛添知事によると、別荘は事務所を兼ねており、週末に落ち着いて仕事をするために訪れていたという。

毎日新聞2016年4月27日より

 この別荘はおそらく舛添知事の私物であり、その費用は公費ではないようですが、もし社長が別荘を買った場合に、その購入費用や管理費用などを経費にできるかどうかを考えてみましょう。

 結論から言えば、別荘にかかる費用は経費とすることが可能です。

 ただし、舛添知事のコメントのように「別荘を事務所扱い」として経費算入はかなり苦しいと思いますので、ここでは別荘を保養目的で購入する場合を考えてみます。

 まず、別荘を社長本人しか使用していない(もしくは使用することが想定されていない場合)などは完全に私物ですので、経費にすることはできません。

 経費にするためには、あくまでも会社が保有して活用するということが必要です。

 具体的には、別荘の利用のための社内規定を設け、従業員も利用することが可能な状態にしておくことが必要となります。

 保養目的だけでなく、新規事業を考えるときに別荘で合宿をするという使い方をしている企業も多いようです。

 別荘の鍵の管理や予約方法、使い方などを従業員に対してきちんと告知することが重要です。また、利用状況の記録も残しておく必要があります。

3)別荘通いで公用車を利用した費用は経費に算入できる?

都によると、舛添氏は昨年4月1日~今月11日の約1年間に計48回、都心から約100キロ離れた湯河原町の別荘まで公用車に送迎させた。金曜の午後2~3時台に都庁を出発するケースが多く、20回に及ぶ。

産経ニュース2016年4月27日より

 舛添知事はほぼ毎週末、公用車で別荘に通っていたようですが、仮に社用車であった場合は、このような利用でのガソリン代や運転手の人件費は認められるのでしょうか。

 正直、税務調査で社用車の利用方法やガソリン代の内訳まで突っ込まれることは、ほぼありません。一部に私的利用があったとしても、例えば仕事帰りにちょっとジムに寄る程度なら許容範囲となります。

 しかし、ほぼ毎週末、かつ、片道100キロの往復を社用車を使った場合に、そのガソリン代と運転手の人件費を経費計上するのはどうでしょうか。

 「別荘通いを毎週末社用車でしていた」ということは、内部告発でもない限りなかなか税務署側に知れることはないでしょうが、税務署側が知った場合はまず経費としては認められないでしょう。

 バレなければ問題ないと考えて、経費計上してしまうのも一つの考え方ではありますが、公私混同はあまり褒められたものではありません。

 このあたりの経費管理が緩くなってくると、会社の雰囲気もなんとなく緩くなり、業績も下降線をたどっていくという企業も少なくありません。

 確かに都道府県別の標準財政規模ランキングでは、唯一のSランクと抜群の安定度を誇る東京都のトップなので、舛添知事も多少緩いところがあるのかもしれません。

 同様に、社長の特権として少しぐらいの費用を経費にしてしまうのはいいですが、やり過ぎには気をつけましょう。

2016年5月9日

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