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普通の中小でもよくない?ベンチャーを起業し疲れた時の着地点

普通の中小でもよくない?ベンチャーを起業し疲れた時の着地点
 ベンチャー企業を起こして、会社をバリバリに拡大しようという志を持つ方が多い一方で、社内が疲弊し最終的には潰れていくベンチャー企業も数多存在します。そんな状況と頻繁に遭遇するキミアキ先生は、ベンチャーを起こして疲れ果てた時に、小さくても強い普通の中小企業となるのも一つの選択肢とおっしゃいます。その理由を解説していただきます。

必読!ベンチャー企業の経営危機データベース

 ベンチャー企業というのは、これまでに無かった革新的な技術とか、革新的なアイディアで一戦交えてみる訳ですけれども、これがまぁ、なかなか大変なことで、バンバン潰れていっちゃっているんですね。

 今日はその辺を踏まえながら、ベンチャー企業を目指したんだけれども、落ち着きどころもあるよね、というお話をしたいと思います。

 経済産業省のHPに、ベンチャー企業の経営危機データベースというものがあります。

 83社に学ぶつまづきの教訓ということで、実際の会社さんの事例として83例が挙げられています。

 危機を回避して上手く行った場合もあれば、危機のまま頓挫してしまった場合まで、色んなケースで全部で83例ありますので、読み物として一度見ていくと面白いですよ。

 非常に、皆さん頑張っているので、是非とも参考になさって下さい。

拡大思考で広告投下し粉飾して最後は民事再生

 せっかくなので、データベースからベンチャー拡大思考で失敗した会社を、1社とりあげてみたいと思います。

 トラブル・失敗・課題までの経緯ということで、売上がグーーーっと上がって20億円くらいまで行くんですけど、その後ドゥーーーンって下がる例があります。

 それで、これおかしいのが利益の推移を見ていくと、ほとんどグラフの地を這っています。
節約社長
  • 売上がグーーーンっと上がっても、利益が上がってこない。
  • 売上がドゥーーーンって下がっても、利益がそれ程変わんない。
 これは、全て粉飾決算だったと思うんですよ。もう絶対オカシイですから、これは。

 このデータは旅行代理店のものなんですが、急速に売上が伸びた部分は広告なんです。

 広告バンバン打ちまくって、そして売上あげて、でも利益は全然あがってないっていうね。そして今度は売上が落ちてくる。それでも広告をバンバン打ちまくって…結局、民事再生法になったっていうね、ケースなんですけど。

 そして、この広告ってのが、色んな会社さんが本当にハマっちゃうんです。我々は予算として、粗利益の15%、15%を超えたら危険水域という風に判断します。

 とにかく広告を打てば売上だけは挙がるので、どこの会社もやっちゃうんですね。わかっちゃいるけれどやっちゃうんですよ。

 我々のお客さんでも実際にこういう会社さんはあります。やっぱりね、バランス崩してでも広告を打ちまくると。

 で、売上落ちてくるともっと不安になって広告を打ちまくって、結局は民事再生法になるっていうパターンですね。

 ですから、これは拡大思考を目指す会社にとって、決して珍しいパターンではないなぁと思ったので、取り上げてみました。

狭い世界で1番になっても果てしなく続く戦い

 ベンチャーといっても、実際は本当に革新的な技術や、革新的なアイディアがあるわけじゃなくて、商品・サービスの絞り込み、それから地域の絞り込み・客層の絞り込みなど、狭い範囲で1番を目指していくというのが常套手段です。

 これでもう、既に十分なベンチャー企業と言って良いと思います。

 何だってそうなんですけれども、1番を目指してやっていくというのはそれだけで十分なベンチャーです。

 1番目指していようが、目指してなかろうが結局は開業したら、寝ている間以外は戦い続けなければいけない訳です。

 これは普通の企業を開業しようが、ベンチャーを開業しようが、ずっと戦い続けなければいけないと。

 我々あおば会計も開業から3年は、年間休日わずか7日間でした。7日間しか休めなかったっていうね…もう大変な戦いをしました。

 まずはベンチャーですから、何の世界でも良いですよ、狭い世界で良いからまずは1番になると。でね、1番になると安泰だと思いますよね?安泰だ!と。

 確かにランチェスターの戦略ですと、シェアが40%行けばですね、一応安泰のラインになるんですけれども、1番になっても競合がいるのが普通なんで、今度はまた追われる立場になる訳ですよ。

 ベンチャーの凄い所っていうのは、常にこの競争がずーーーーっと続くんですね。

 ですから人がドンドンドンドン入れ替わるのが、当たり前なんです。もうみんな疲れちゃいますからね(笑)

 これが、私ベンチャーの凄い所だなって思うんですよ。よくあれがずっと続くよなって。

疲れたら安定の選択を求めても別によくない?

 ですから我々の会計事務所も3年で、もう安定を求めました。「なんかも〜こういうの…ムリッ」って感じでね。

 人がずっと入れ替わりながら、ず〜っと戦い続けて行って、そりゃもちろん、経営者本人は楽しくて仕様が無いかもしれませんが、やっぱり従業員さんは疲れちゃいますからね。

 ですからベンチャー企業ではなくて、安定を求める道、普通の中小企業になっても良いんじゃないかなって思います。

 我々も普通に土日をお休みするようになって、それまでは年間で7日間だけだった休みが、今は1ヶ月の休みがそれ以上です。

 そんな風にちゃんとお休みするようになって、正直な話をすると心がホッとした部分があるんです。

 別にこちら側(普通の中小企業)でも良いんじゃないかと。

 ベンチャー目指して、バリバリの拡大を求めたは良いけれど、「自分にはムリーーーッ」みたいな所があったら、小さくても強い会社作りに切り替えるのも、一つの着地点です。

 確かに、ベンチャー企業っていうのはハイリスク・ハイリターンで、素晴らしく業績が伸びることに成功すれば、雇用も沢山確保できます。

 小さい会社は雇用を増やす事ができなかったり、というのもあります。

 でも、我々のお客様でもいらしたんですが、ガァーっと売上が伸びてガァーっと人を雇ったんです。130人くらいまでいきましたね従業員さんの数が。

 でもガァーっと売上あがった後に、ダーンっと下がっちゃって、事実上の倒産になってしまいました。

 ですからね、今のうちの主要顧客様は、小さくても強い会社さんを多くしています。

 このような会社さんは、売上がぐーんと行っても安定志向で、従業員さんもあまり増やしたりしないんですね。

 これからベンチャーに挑まれる方も、こういう着地点があるんだということを覚えておいて下さいね。


 

2016年5月9日

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