個人事業主は売上◯◯円以下ならそのまま消費税で得しよう

節税

 個人事業主の皆さんにとって、春は大忙しの時期です。確定申告による所得税の申告が終わったと思ったら、3月末には消費税の申告期限が迫っているからです。ただし、個人事業主である方は一定の売上以下の場合は、消費税を支払わなくてもよいようになっています。どのような場合に?また消費税を顧客からいただいた分は利益として上乗せできますが、ここで注意すべきこととは?解説いたします。

スポンサーリンク

個人事業主の消費税申告期限が間近に迫る

 副業やフリーランスなど個人事業をやっている人は、3/15が所得税の申告期限でした。ところが一息つくのもつかの間、消費税は3/31が申告期限になります。

 そこで本日は、消費税についてもう一度見直してみましょう

 そもそも消費税は間接税です。間接税とは税金を「負担する人」と「納税する人」が異なる税金を指します。

 消費税で言うと負担する人は消費者、納税するのは事業者というのが大まかなイメージです。

 事業者は売上先から売上代金と一緒に消費税を“預かり”、この預かったものを納税しなければなりません。

スポンサーリンク

消費税を納税しないでもよい免税事業者とは?

 具体的にいくらの消費税を納税するのか、計算するのは煩雑です。消費税は預かるだけではなく、物品の購入などで支払ってもいるからです。

 預かった消費税から支払った消費税を差し引いた差額が、実際の納税額となります。

 この計算の煩雑さから、小規模な事業者の手間を省くという名目で「免税事業者」という規定が設けられています。

 簡単に言うと、上記のように計算した消費税額を納める必要がない事業者ということです。納めなかった消費税は全額その事業者の利益になります。

 自分が免税事業者になるかどうか、個人事業者は原則として「2年前の売上が1,000万円以下」が基準になります。

 仮に平成25年の売上が900万円であれば、平成27年は免税事業者ということになります。もし平成27年中に売上が5,000万円あったとしても、納税義務は免除されます。

 ただし、2年後の平成29年は、平成27年売上が1,000万円を超えたため、消費税を納めなければなりません。

スポンサーリンク

免税事業者が顧客から取る消費税は利益上乗せ

 フリーランスで働いている人は、年間の売上が1,000万円いかないということも多いかと思います。自分が免税事業者のとき、はたして相手に消費税を請求していいのでしょうか?

 消費税を納める義務がないのに預かるということは、一見するとNGのように感じます。

 ですが実際は、小規模な事業者を保護するという理由で、免税事業者が消費税として8%を上乗せして請求したとしても問題ない、という取扱いになっています。

 この8%は消費税ではなく単なる値上げにすぎない、という考え方です。8%部分は売上代金の一部として売り上げに含めて計上します。

 このようなことから、売上が1,000万円以下の場合は利益率にもよりますが、個人事業主でいたほうが得な場合が多いのです。

スポンサーリンク

インボイス方式導入で利益上乗せ厳しくなる?

 ところがどっこい、消費税が10%になる際、軽減税率の導入に合わせてインボイス方式の採用も議論になっています。

 インボイス方式とは請求書等に消費税額を明示し、明示がなければ消費税を控除できないという制度です。

 インボイス方式が完全導入されることになると、免税事業者は請求書等に消費税を記載できません。

 そのため小規模な事業者への影響はかなり大きいものとなると予想されます。

 今後どのように議論されていくかを、個人事業主の皆さんは注視しておく必要があるでしょう。

節税
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
編集部

起業、経営を応援するWEBマガジン編集部です。

編集部をフォローする
節約社長