どうすればフィーバーに左右されぬ店舗経営ができるか?

経営

 大河ドラマや朝ドラマの舞台は毎年マスコミにフューチャーされるため、その年は一度フィーバーに湧く傾向があります。ところがドラマが終わった翌年は、地域はもちろん個店の集客力も著しく落ちているという現状があります。どうすればフィーバーに売上を左右されない店舗つくりや企業作りが可能なのか?お店作りのプロフェッショナルが詳細に解説してくれます。

スポンサーリンク

大河ドラマでフィーバー 終了すれば閑古鳥…

 NHKの大河ドラマが始まると毎回、各地の歴史観光が人気となっています。

 しかし一度フィーバーに湧いたご当地も、大河ドラマ終了後は、観光地の集客が大幅に減少しているのが現状です。

 大河ドラマの歴史的観光地がマグネットとなって集客を行っているため、マグネットの力が弱くなったためと考えると当たり前のことと言えばそれまでですが、歴史的観光地の店舗経営者としては、ボーナス的な取り扱いでしかなく、抜本的な地域活性化には繋がっていない現状があります。

 NHK大河ドラマの「真田丸」を機に上田地域も同様に、上田市二の丸の「大河ドラマ館」の来館者数が4万7000人を突破。市内の別所温泉では1月の宿泊客数が前年比8%増となるなど、「真田丸」の影響で地元は大いに活気づいています。

 今回は、フィーバーに左右されぬ店舗経営について考察していきたいと思います。

スポンサーリンク

フィーバーは”知ってもらうキッカケ”と心得よ

 NHKの大河ドラマに限らず、テレビで特集された、ニュースで報道された等は、一時的なブームとなり、売上を上げる大きな目玉となります。

 その場合は、そのキッカケを軸に精一杯売上を上げるということが店舗経営で重要となります。しかし、ブームが去るとすぐに大きな目玉を失ってしまう。

 店舗経営では実は、これは日常茶飯事の事項であり、大河ドラマに限らず、どの店舗でも大なり小なりあります。

 もっと個店の事例で言えば、飲食店のあるメニューが美味しいと話題となり、地元の情報誌に取り上げられた。その後、お客様は増加し、売上も増えたが、お客様は飽きが発生し、その後、マグネット商品を失い、売上が下がるというのを考えるとよくわかると思います。

 報道をキッカケに一気に伸びる店舗もあれば、そのまま元に戻ってしまう店舗では、何が違うのでしょうか?

 大事なことは、ブームはあくまでもキッカケであるということを意識することです。

 ブームだけで今後も売上が上がるというのは早計であり、対策が必要なのです。

 私はこの対策は、2つの視点で改善が必要であると思っております。

スポンサーリンク

ブームに左右されない売上を作る2つの対策

1)関連商品を次のマグネット(看板)商品にする

 1つ目は、ブームに従って関連商品として何で売っていくのかということが重要です。

 「真田丸」で言えば、マグネットとなる商品が上田市の歴史的観光地であり、関連商品は別所温泉ということになります。

 その別所温泉が重要なのです。

 つまり、今のマグネットはすぐに効果がなくなるのは見えているのですから、別所温泉の価値をお客様に感じて頂き、2回目はこの関連商品となる別所温泉のリピーターとなって頂き、別所温泉がマグネットとなってもらうことです。

 よく小売業で、一部の商品を目玉として大幅にセールをかけることがあります。

 それはマグネット商品として、お客様を呼ぶためですが、必ず関連商品の販売が立つことがわかっています。

 また、新規商品で商品の価値を知ってもらうためにセールをかけることがあります。

 これもセールでの販売を上げることが目的でなく、商品の価値を知って頂き、その後のリピーターを獲得することが目的となるのです。

 つまり、ここで重要なことは、別所温泉の商品価値を「真田丸」の歴史的観光地目的で来るターゲットとなるお客様にどのように認知して頂き、リピーター対策が出来るかということになると思います。

 ターゲットはおおよそ決まってきますので、

  • そのターゲットが2回目来場したいと思う商品は何を提供すれば良いのか?
  • どのようなサービスを提供すれば良いのか?
  • 2回目来店させるための販売促進はどのようなものがあるのか?

 ということを考えておくこと必要があります。

 これを実は、事前に計画しておいておくことが重要なのです。

 つまり、「真田丸」の放映が決まって時から、打合せを行い、事前に計画し、お客様が来られる1年間でその施策を実行し、翌年には、商品に価値を感じ、サービスを受けたお客様の2回目誘引を行う販促を打ちます。

 ところが、そこまで検討し、マグネット商品を活かしている地域はほとんどありませんし、個店でもそのような施策を打つ店は残念ながらほとんどありません。

 そう考えると、今後、それを実施するだけで、他と差別化ができるとも言えます。つまり、事前にマーケティング戦略を決めておき、実行するということです。

2)情報を継続的に発信し続ける

 2つ目は、情報発信は継続的に実施するということです。

 大河ドラマはほとんどないでしょうが、TVで特集された、ニュースで取り上げられたということは、その地域や個店に情報発信のチャンスがいつでもチャンスがあることを意味しています。

 一度人気が出た地域や個店は、次に新しい情報をすぐに提供すれば、お客様に認知されやすくなります。

 「人気のあの店が今度はこんなこと始めた」と言えば、話題として取り上げられやすいというのはイメージがつくと思います。

 しかし、時間が経つと、その地域や店のことも忘れられ、次の情報発信をする際は、非常に時間がかかり労力がかかります。

 つまり、目玉の情報発信は次々、出していく必要があるということです。

 ほとんどの場合は、そのブームに酔いしれて、次の情報発信のことも考えていないというのが現状だと思います。

 今のお客様は、飽きが非常に早く、ブームも早いとのが実情です。

 次々、目玉となる商品を開発し、情報を発信していくということが非常に重要だと思います。

スポンサーリンク

ブーム後の継続的リピート対策は避けられない

 2つに共通することは、両方共に、ブームを一時的な目玉が出来たと考えるということであり、その目玉を目的に来店されたお客様のリピート対策は何をするか?新しいブームを起こす情報発信の継続性が重要だと思います。

 全てはマーケティング戦略を変化に応じて組み立て、戦略を展開することにつきますが、これは、実は一生、商売をするからには、どの店舗でもやっていかなければならないことだと思います。

 ブームはあくまでもブームです。一時的であると認識し、その後の対策をしっかり計画することが重要だと思います。

 是非、一部の地域の問題と捉えて頂かずに、全ての企業・店舗で共通することになりますので、計画的に実践されることをお勧め致します。

経営
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
販路企画

【職務経歴】
①経営コンサルタント会社勤務

・大学卒業後、熊本県の経営コンサルタント会社に勤務。
・マーケティング戦略立案・人事評価制度構築・ISO認証取得支援・管理者研修等で中小企業のコンサルティングを担当。

・若干23歳でコンサルタントとして企業様の経営支援を実施したため、最初は悪戦苦闘。
・理論や戦略だけでは結果が出ない・・・ 実際に戦略を実行するのも人。仕組みを運用するのも人。
人が動いて初めて結果に繋がる。

・若手のため、どうやったら、『人を動かせるか』に注力してコンサルティングを実施。
・『戦略を実行できない理由は何か?』『どうやったら動いてくれるのか?』ばかりを考えてコンサルティングを行ってきた。

・結果、支援企業様からは『とにかく熱意がすごい』『実際に運用できる仕組みを構築してくれる』といった評価を頂くことができた。運用が出来ることで支援先で結果が大幅に出るようになってきた。
・しかし支援先で、『言うことは正しいけど、現場経験したことないでしょ』と言われ・・・もっとお客様の役に立つにはやはり『現場で実際に自身で売上を上げてきた』経験がいると痛感。

・マーケティング戦略立案とフランチャイズ本部展開の手法を更に学びたいと思いから、マーケティングの最先端の企業で、現場経験もできるコンサルティングを展開しており、フランチャイズの発祥とも言える業界最大手のコンビニエンスストアチェーン本部に転職を決意。

②業界最大手コンビニエンスストア本部

・最初はお店勤務から経験。レジ打ちからの副店長・店長を経験。
実際に自身で『店舗経営』と『売上・利益改善』『人材不足対策』を経験。

・店長1ヶ月目で厳しすぎて、従業員数12⇒6名まで減少。その後、大幅な『人手不足』を経験。
しかも近隣に競合店が出店し、売上前年比:82%まで大幅に悪化。

・しかし、商圏に応じたマーケティング戦略を立案し、品揃えに反映させ、『従業員の戦力化』を実施することで、『売上前年比:124%』まで改善。『従業員数は15名まで増加』。

・女子高校生が2万円の高額商品の予約を店舗の常連客から声かけで6件も獲得する等『従業員を戦力化』。更に『やりがい』を感じることで、退職率が大幅に低下。
しかも紹介で『求人広告』なしで『人手不足解消』
私の仕事を見て、実際に店長とSVの仕事がしたいと入社を希望するものも出てきた。

・その経験をもとにスーパーバイザーになっても、商圏調査・競合調査・エリアマーケティングを軸に加盟店の経営コンサルティングを実施。繁盛立地についての法則も習得をする。

・2012年に担当エリアの『売上改善』の取組みが評価され、『全国表彰』を受ける。
・『加盟店』から、とにかく『熱くて現場に応じた改善提案を行ってくれる』という評価。
・戦力化してきた従業員さんの数は500名を超える。
・フランチャイズ本部の仕組みと成功するフランチャイズのポイントと商圏調査・競合調査・出店調査・エリアマーケティングについて徹底的に習得する。

・その後、九州地区のマーケティング分析や戦略立案・対外折衝のマネージャー昇進。
地区全体の数値改善に大幅に貢献。

・店舗の売上アップ策は、『商圏調査・競合調査を軸とするエリアマーケティング』と『フランチャイズ展開』『従業員戦力化』の3つであることを実感。このノウハウは小売業だけでなく、他の中小零細店舗でも効果を上げる手法であると確信。『店舗活性化マーケティングコンサルティング』と名付けて販路企画を設立。

③販路企画

当社は、店舗型を中心として中小企業の売上改善のため、マーケティング戦略立案を中心にコンサルティングを行っております。とにかく『熱い』・『現場目線』と『顧客目線』がお客様の一番評価の言葉であり、評論家ではありません。実務家です。

中小企業の売上を改善するためには、『データ収集分析の手法』『現場での目利き』をもとにした『マーケティング戦略立案』と実行運用するための『人を育てる』の2つが重要であると考え、マーケティングコンサルタントの仕事をしております。そのため、『運用できる仕組みの構築』には定評があり、運用できるので『結果』をもたらすことが出来るとも思っております。

学生時代からコンサルタントとして開業したいという思いがありましたが、コンサルタント会社でノウハウを学び、業界最大手コンビニエンスストア本部で更に、現場経験と実際に使えるノウハウにブラシュアップしました。中小企業は、評論だけで成果が出ることはありません。

現在は、一般企業・店舗様からの依頼だけでなく、行政各機関からも支援依頼を頂いております。
今後も、中小企業の活性化を行うマーケティングコンサルタントとして絶対実務家宣言!!で支援企業に結果をもたらすコンサルタントとして研鑽して参ります。

【事業内容】

☆商圏調査・出店調査・競合調査・エリアマーケティングコンサルティング
☆フランチャイズ本部展開支援コンサルティング
☆多店舗展開支援・出店コンサルティング
☆新商品開発・マーケティング戦略立案コンサルティング
☆社員研修・店長研修・管理者研修・新入社員研修・若手社員研修
☆各種講演活動・セミナー講師
☆起業家支援コンサルティング

【対応エリア】
☆全国で対応が可能です。

【保有資格等】
☆(社)販路コーディネータ協会 販路コーディネータ1級。
☆(社)販路コーディネータ協会 認定講師。
☆中小企業庁支援事業 ミラサポ認定専門家。
☆福岡県商工会連合会エキスパートバンク登録専門家。
☆佐賀県商工会連合会エキスパートバンク登録専門家。
☆鹿児島県商工会連合会エキスパートバンク登録専門家
☆経済産業省後援ドリームゲート認定アドバイザー
☆フランチャイズWEBリポートコラム専門家

【各種講演活動・セミナー活動例】
『店舗撤退ゼロを目指す!!商圏調査・繁盛立地の見極め方』
『中小企業でも出来る!!ビックデータを読み解くエリアマーケティング』
『あなたのお店のキレ味が変わる!!大手に勝つ差別化戦略の2つのポイント!!』
『失敗しないフランチャイズ本部展開の7つのポイント』
『顧客を吸い寄せる!!売れない時代のマーケティング戦略3つのポイント』
『なぜ集客できない?店舗集客成功のための明日から即実践5つのポイント』
『起業すべきか?やめるべきか?覚悟を決める×起業を成功のためマーケティング戦略の立て方』
『みるみる従業員戦力化!!人手不足解消の3つのポイント』
『みるみる変わる!!管理者向け意識改革研修』
『明日から名監督!!管理者のマネジメント研修』
『経営者と同レベルまでに成長!!店舗経営を学べる。店長研修』
『今の若いもんはとは言わせません!!若手社員仕事の仕方改善研修』
『新入社員から戦力化!! 新入社員研修』
『売れる接客に変わる!!従業員販売力強化研修』・・・等

※講演・セミナーはご要望のターゲットとニーズ合わせて集客を容易し、満足を上げることが出来るように、毎回、タイトル・内容を変更しております。

【支援実績】
・17年間以上のコンサルティング支援実績もトータル150社以上。全国に向けて情報発信中!!
・支援期間も3年間以上の企業が多数!!

販路企画をフォローする
節約社長